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Mar 29, 2010
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カテゴリ:武辺者
 

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        「死に遅れた男」

 慶長十一年の年が明けた。藤堂家の大広間は年賀の家臣でごったがえし、

高虎は上機嫌で祝いの膳を前にしている。

「皆に申し聞かせるが、三月になったらわしは江戸に向かう」

 高虎が酒で顔を染め、一座につげた。

「江戸城の大修復がはじまるのじゃ。わしはその縄張りを大御所さまより

命じられた」

「おう、それは目出度いことにございますな」

 重臣等が祝いの言葉を述べている。事実、高虎は築城の名手として知られて

いたのだ。その時、庄兵衛が怒声をあげた。

「なにが目出度いものか」

 庄兵衛の声で高虎の顔色が変わった。

「殿、我家は豊臣恩顧の大名にござるな。だいたい関ヶ原で東軍に属したことも

気にいりませぬ。それに江戸城の縄張りを命じられ、喜んでおられるとは笑止」

 屠蘇の酔いにまかせ執拗な嫌がらせを言った。

「庄兵衛、酔って居るのか?・・・東軍に属したからこそ今の我家がある。程ほ

どにいたせ」 高虎が苦い顔をした。

「これ位の酒では酔いはいたしませぬ」

 高虎は有能な野戦指揮官の庄兵衛の力量と、その剛直さを愛でていた。

 それ故に我慢をしていた。

「殿は腑抜けになられましたな」

「黙らぬか」 日頃、感情を表さぬ高虎が珍し激怒した。

「ほう-、怒られましたか?」

 不敵にも庄兵衛は高い鼻梁をみせ、挑発するように高虎を仰ぎ見ている。

「この年賀の席で、つまらぬ悪口を吐きおって許さぬ」

 戦場往来の武将だけあって怒ると迫力が違う。

 まわりの家臣が慌てて庄兵衛を大広間から連れ出そうとした。

「貴様等、わしの躯に触るな」

 戦場でならした大声と同時に、二人の家臣が投げ飛ばされた。

「庄兵衛、控えぬか。そのままでは捨ておかぬぞ」

「いかがなされます?」 売り言葉に買い言葉である。

「暇(いとま)を申しつける」

「暇にござるか面白い、殿も何度も主人を変えられましたな。それ故に世間は

殿を変節漢とか、内府の走狗と申してござるが承知にござるか?・・・・・・

それがしも殿を見習って新しい主人を探しまする」

「加持殿、言葉が過ぎますぞ」

「早よう殿に詫びを申されよ」

「わしも武士、武士が口に出したら引く訳にはゆかぬ」

「庄兵衛、われに申しておくが、わしが主を変えたのは全て家臣のためじゃ。

家臣のために身代を大きくする、それがわしの勤めじゃ」

「殿、そのような話は聞きとうござらん。長々とお世話になりましたが、この場

にてお暇仕ります」

 一声残し、庄兵衛は足音も荒く退席した。

 この当時の武士には二君に仕えぬ、そうした考えは無かった。主人は己で

決めるもの、こうした風潮があった。江戸時代となって儒教が入ってから武士

は二君に仕えず、どんな暗君であったも忠義を連れぬく存在となったのだ。

                            続く







Last updated  Mar 29, 2010 12:42:55 PM
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