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Apr 2, 2010
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カテゴリ:暗闘
 

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        「死に遅れた男」

 だが徳川家康に加担するなんぞはご免こうむるし、くだらない大名に仕官し、

見苦しい戦働きなんぞする気もない。醜く老い朽ち果てるより自ら死地に飛び

込み名を末代まで残す。

(わしは戦国武者の心意気を示し、見事に死花を咲かせる)

 庄兵衛の脳裡に藤堂高虎の顔が浮かんだ、お元気でお過ごしか。思っても

みなかった懐かしさに襲われ、庄兵衛の頬に薄い笑みが刻まれた。

 あの大阪城で敵味方としお会い出来るかも、そうなったらわしの意地を見せて

やる。だが一抹の不安が残る、片桐且元は摂津茨城城一万五千石の小名であ

る。秀吉子飼の大名として、賤ケ岳の七本槍で勇名をはせた武将ではあるが、

その後は能吏として豊臣家に仕えた武将である。

 最近は京都の東寺金堂の再建や、北野天満宮社殿の建築奉行として働いて

いるが、合戦働きをほとんどしてない。

 敗ける合戦を承知して指揮の出来る武将か?・・・だが大阪城を枕に死ねる

なら、これ以上の死に場所はない。武者の血潮が沸き立った。

「くめ、わしは決めた片桐家に仕官いたす」

「仕官をお決めになられやしたか」

「そうじゃ天下一の名城、大阪城に入城いたす」

「気のきかない女でしたが、旦さん、生きてお戻りやして下さい。わては旦さん

の帰りをお待ちいたしても宜しいやすやろ」

 くめが必死の思いで掻ききくどいた。

「わしは戻らぬ、華々しい死に場所を求めに参るのじゃ」

 庄兵衛の面が乾いている、その言葉でくめの顔色が変わった。

「くめ、この大判一枚で飲み屋は出来ょう、生活には困るまい」

「薄情でっせ」 くめが噛み付いた。

 彼女にも分っていることであったが、一方的に言われると憤りがわく。

 この生活が仮そめで何時か男が去って行くことは朧に感じていた。

 その時が訪れた訳である。いつの時代も男は勝手の良い生き物で泣くのは

女であった。くめは初めて一緒に暮らした男の正体を知った。

 槍の遣い手として天下に聞こえた、加持庄兵衛と名乗る武士であったとは、

そのことは嬉しいことであったが、勝手のよい言い草に腹がたった。

「わては何年でも待っておりまっせ」

「よく聞くのじゃ、合戦ともなれば間違いなく豊臣方は敗ける。わしの命も

あるまい。冥途に逝く為に城にあがるが、わしには妻子がないそちが妻じゃ」

 庄兵衛の口調に武者の覚悟が感じられ、くめが複雑な顔をし笑みを浮かべ

た。 「怒ったり笑ったり忙しいことじゃ」

 女心の機微を知らない庄兵衛が呆れ顔をした。

「今宵は、旦さんの目出度い仕官祝いでんな」

「そうか祝ってくれるか。わしは身支度と家来を求めに参る」

「今からでっか?」

「善は急げじゃ、気の変わらぬうちに身支度をととのえる」

「きっとお帰りやすな」

「おう、帰らいでか、そちのご馳走を楽しみにしておる」

 庄兵衛は懐中に五枚の大判をしのばせ、足早に長屋を後にした。

 真っ先に目指した場所は飛鳥寺という古寺で、そこに用意してきた高札を

立てた。「家来三人を募る」 の六文字を認め古道具屋へと向かった。

                      続く







Last updated  Apr 2, 2010 11:36:20 AM
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