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Apr 10, 2010
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カテゴリ:武辺者
 

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        「死に遅れた男」

「国家安家の鐘銘の文言が気に食わぬと徳川家が激怒して参った。大御所の

名前を引き裂いたと申しての」

「言い掛かりにございますか?」 庄兵衛の胸に怒りが渦巻いた。

「そうよ、この責任は余にあると淀の方からきついお叱りを受け、交戦派の

連中は余の命を狙っておる」

 且元の面上に憤りと苦渋の色が浮かんでいた。

「殿はいかがなされます?」

「このまま居座っておれば、大阪城は内紛の争いとなろう。我等は明朝、この

大阪城から退去いたす」

「なんと」 庄兵衛が驚きの声をあげ一座をながめ廻した。

「堂々と火縄を点じ、合戦覚悟で退去いたす。庄兵衛、そちも従ってくれるの」

(矢張り大阪城を仕切れるお方ではなかったか) 庄兵衛は黙した。

「どうじゃ、余と茨城城に引き篭るつもりはないか?」

「それがしはこの大阪城で徳川勢との合戦を楽しみに当家に仕官いたしまし

た。ここで退いては武士の意気地が立ちませぬ」

「犬死ぞ」

「豊臣家の敗北は必定。その覚悟で城を枕に一期の働きをして冥途に向かう。

これがそれがしの夢にございました」

 一瞬、且元の顔に淋しそうな色がよぎった。

「何も申すまい、こんな余に良く尽くしてくれた。庄兵衛、別離の杯を受けよ」

 庄兵衛は酒を飲干し胸中で自嘲の嗤いを浮かべた。またもや浪人となったの

だ。翌朝、片桐且元は全軍戦闘態勢で正々堂々と外曲輪から大手門へと向か

って撤退をはじめた。先鋒として加持勢が隊列を組んでいる。

「加持庄兵衛じゃ、旧主が無事に落ち参らせるまで大手門まで護衛仕る。不服

と思われる方は掛かって参られよ」

 黒鹿毛に跨り大身槍を小脇に抱え、兜の目庇から猛禽のような眼光を光らせ

ている。その横に生駒軍兵衛が剽悍な眼差しを見せ寄り添っている。

 流石は槍の加持庄兵衛と天下に名を轟かした男だけある。その勢いに抑えら

れ大阪城の諸将は撤退する片桐勢を無言で見つめていた。

 そんな中に木村重成が加持勢の見事な先導ぶれを眺め、感心していた。

 兵の進退が格別じゃ、きたる合戦に先鋒を任せれば凄まじい働きをするな。

 そんな思いでいたのだ。片桐勢が無事に大手門から撤退するのを見送り、

庄兵衛は兵士を座らせ自らも土下座し旧主に別れの儀式を行った。

 それを終えた庄兵衛は直ちに西ノ丸の外曲輪に兵を集結させ謹慎した。

 この行為で加持庄兵衛の名は大阪城に轟いた。

(わしにはわしの生きざまがある)豊臣家にお味方した身じゃ、お咎めはあるま

い。そうした最中に木村重成が姿を現した、白面の男前の武将である。

「これは木村様」 庄兵衛が丁重に出迎えた。

「加持殿、見事な武者ぶりにござった。武者とはそうあるべきとほとほと感服

いたした。お袋様もいたく感動され、浪人五百名を委ねよとの仰せにござる」

「あのような暴挙をお許し下され、それがしに兵を下しおかれると申されますか」

「武将とは、かく清くあらねばなりませんな」

 木村重成が好意ある爽やかな笑みを見せている。

「有り難し、御礼を申し上げて下され」

「加持殿、この城には多くの浪人将兵が籠城しております。かかる情況で、

ご貴殿の武者ぶりはこの上もなく、将兵の結束を生みました。今後もよしなに

願いますぞ」 木村重成は満足して戻って行った。

                        続く







Last updated  Apr 10, 2010 11:19:48 AM
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