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Apr 17, 2010
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カテゴリ:武辺者
 

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        「死に遅れた男」

 霧をついて一騎が馳せ戻ってきた、磯辺隼人の使い番である。伝令は騎馬か

ら転げ落ちるように甲冑の音を響かせ、庄兵衛の馬前に膝をつき叫んだ。

「すでに後藤勢、敵勢と戦闘に入った模様にございます」

「なんと、全軍の集結を待たずにか?」

 庄兵衛が猛禽のような眼をした。

「この濃霧、いっこうに晴れませぬ、三陣の毛利勢も難渋いたしております」

 その頃、後藤又兵衛は三千の手勢で伊達勢一万、本多忠政率いる五千名と

小松山で激戦を交えていた。

 又兵衛は戦機を感じ、全軍の集結を待たずに単独で徳川先鋒の三万五千に

戦いを挑んだのだ。全てが死兵と化し猛烈果敢に徳川勢を蹴散らしていた。

 その報告を聞くや幸村は毛利勝永に母衣武者を走らせ二隊は猛進した。

 急がねば後藤勢が全滅する、そうなれば徳川勢に勝てる見込みはない。

 太陽があがり、夏の熱気が容赦なく降り注いできた。
 
 幸村の胸に不安が過ぎった。

「後藤又兵衛様、お討ち死に」 背に矢を突きたてた伝令が悲報を告げ落馬

した。更に悲報が届いた。二陣の薄田兼相の討死の報せである。

 幸村が天を仰いだ。

「この合戦は敗けじゃ、各勢が思い思いに戦っている」

 戦場に近づき望見すると毛利勝永が機敏に、後藤勢と薄田勢の敗兵を

収容している。幸村は旗本を引き連れ敵情を視察した。

 後藤勢を撃破した伊達勢が喚声をあげ迫ってくる。

「敵は伊達勢じゃ。加持殿、先鋒としてあの丘を押さえて下され」

 幸村の下知で庄兵衛は前方を凝視した、松林に囲まれた小高い丘が見え

た。 「行くぞ」

 庄兵衛が大身槍を水平に構え真っ先に駆けだし、二百名が密集隊形で続い

た。「丘の裾に鉄砲隊を潜ませよ。ついで弓隊と長柄槍隊じゃ」

 庄兵衛が矢継ぎ早に下知し騎馬を丘の中央にとどめた。伊達勢が六紋銭の

旗印を見て陣形を整えている。眼を転ずると真田本隊三千名が、幸村の采配

で巧に部署している。

「見事じゃ」 思わず声が洩れた、それほど見事な陣形であった。

 伊達勢の先鋒隊が丘に接近をはじめた。

「わしの下知で鉄砲隊と弓隊は一斉攻撃じゃ」

(今日こそ我が勢の底力を見せてやる)  敵勢が丘の裾に姿を現した。

 鉄砲隊を先頭に長柄槍隊、騎馬武者が後続し、その勢一千とみた。

 さっと庄兵衛の采配が振られ、鉄砲隊が火蓋をきった。至近距離から銃弾と

弓矢が伊達勢に襲いかかった。どっと伊達勢の先陣が崩れたった。

「槍隊かかれゃ」

 下知するや庄兵衛が馬腹を蹴った。どっと喚声をあげ加持勢が突きかかっ

た。その勢いに押され伊達勢は乱れにみだれ数丁後退した。

 庄兵衛を先頭に獲物を狙う鷹のように、密集したり散開したりしながら猛烈

な追撃戦を見せている。焔硝と喚声。悲鳴と血潮が飛び散る中から庄兵衛の

声が聞こえる。

「加持殿はやる」

 幸村が桃形兜の目庇から庄兵衛の指揮を見つめている。

「貝を鳴らせ」 炯々と真田勢の本陣から法螺貝の音が鳴り響いた。
                 
                   続く







Last updated  Apr 17, 2010 11:18:38 AM
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