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Oct 29, 2010
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カテゴリ:伊庭求馬無頼剣
 

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「倉持殿、お世話をかけ申した。ここから一人で忍び込みます」

 求馬は傍らの倉持一馬に低い声で礼を述べた。

「大丈夫にござるか、ここからが危険にござる」

「相対せば斬るまでのことにござる」  声が途絶えるや、求馬の痩身が

彼等の目前から闇の中に消えうせた。

「あの人が伊庭求馬殿か、我等とは雲泥に腕が違いますな」

 既に伊庭求馬の名は伝説となっていたのだ。根来衆の全員が驚嘆している。

 「我等は番屋に戻る」

 倉持一馬の下知で一斉に根来の忍び者が駆け去った。

 求馬は既に大奥近くに辿り着き、周囲を警戒していた。至るところに人の

気配がする、讃岐守も必死じゃな、求馬は覆面の中で嘲笑った。

 彼等の覚悟のほどが知れる警護態勢である、求馬は鬱蒼たる樹木の翳に

身をひそめ潜入先の大奥へと視線を送りつけた。

 なにやら不審な気配が感じとられる、血の臭いが漂ってくる。

 耳をそばだてると微かな人の呻き声ゃ、骨肉を絶つ音が聞こえる。

「嘉納殿じゃな」 第四の隠密団を率い、わしの援護にまわっておられるな。

 求馬が察知したように、江戸城の闇の中で壮烈な闘いが展開されていた。

 それも物音を消し、気配をたっての隠密同士の闘いであった。

 嘉納主水は自ら三名の手練者を血祭りとしていた。当然、外記も闘いに

加わっていた。枯れ木のような痩躯に総髪を風に靡かせ、主水配下の隠密と

対峙していたのだ。

 鋭い一颯が外記を襲った、間一髪の差で痩躯を宙に躍らせた外記の

腰間から光芒が奔り抜けた。自慢の居合い抜きである。

 主水配下の隠密の一人が、袈裟斬りで血煙をあげて倒れ伏した。

「いよいよ楽翁が動きだしたな」 そう瞬時に悟り、外記は闇に閉ざされた

江戸城のなかを、敵を求め徘徊していた。まるで夜行動物そのものである。

 求馬は闘いに加わらず、大奥の屋根裏を伝えながら奥へ奥へと進んでいる。

時折、天板の隙間から下を覗き見た。

 相も変わらず陰湿で隠微な女の世界が繰り広げられている。

 襟元を広げ乳房を露わとし、互いに愛撫に夢中となり呻き声をあげる者、

張り方で腰を揺する者。この世の中ではここしか見られまい。

 求馬は苦笑を堪え更に奥へと進んだ。湯の匂いが漂ってきた。

 彼は大奥の浴場に辿り着いたのだ。仄かな明かりに照らされた豪華な

浴槽が眼下に見える。檜の浴槽には湯があふれ、求馬が見たこともない

美貌の女人が裸体を晒し、腰元が三名が群がりその全身を荒い清めている。

 求馬の視線が強まった、この女が彼の狙いのお千代と確信したのだ。

 腰元の一人が前に回り、彼女の股間に手を差し伸べ秘所を洗いだした。

「もそっと内もじゃ」 求馬は初めて彼女の肉声を聞いた。

 細い鈴の音のような声である。

 お千代とおぼしき女人が大きく股を開き、腰元が大陰唇の膨らみに指を

差しのべ、丁寧に洗いはじめた。上様と讃岐守の二人の男根を銜えた女の

命である。裾を端折った腰元二人が背中と前を丁寧に拭き清めている。

 その様子を求馬は屋根裏から乾いた瞳で眺め続けた。

 豊かな乳房、なめらかな腹部、さらに淡い翳をおとした秘所まで丁寧

に洗われ、彼女が微かに吐息を吐いた。

 顔が上向き、形の良い唇が半開きとなり、白い歯がこぼれた。

 流石は美貌でなる女人だけに、淫蕩な風情とはほど遠い妖艶な感じがする。

 何杯もかけ湯を全身にかけられ、満足した彼女が腰元に声をかけた。

「もう良い、あがりますぞい」

 まるで女神のような裸身を見せつけて立ち上がった。

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Last updated  Oct 29, 2010 11:29:04 AM
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