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Aug 6, 2011
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カテゴリ:伊庭求馬無情剣

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   「騒乱江戸湊(102)」

 彼は視線を廻し、三十三間堂の翳から富岡八幡宮を眺めた。闇の中に

独特の社殿が巨大な黒い翳となって横たわって見える。

 求馬が潜む、三十三間堂は京の東山の三十三間堂の通し矢の流行をうけ、

寛永十九年十一月、弓師備後が幕府より土地を拝領し、京都の三十三間堂を

模して建立されたものだ。

 求馬は暫し富岡八幡宮方面を眺め、若山豊後の潜む石川御用地に視線を

移した。その方面は漆黒の闇が広がり、まったく動く物が見えない。

「来ましたぞ」

 緊張した水主同心の声が聞こえた。

 品川沖方面に巨大な影がぼんやりと浮かび、徐々に鮮明となってきた。

「大きな船じゃ」

 船手組の面々から驚きの声があがっている。

 求馬等が予測した通り、鳳凰丸の帆が巻き上げられ、巨体がゆっくりと回頭を

始めた。そのまま船尾を永代橋方面に向けた。

 その行動を鋭い眼差しで見つめていた、求馬から驚きの声が洩れた。

「いかん」

「いかが成されました?」

「あれをご覧なされ」

 求馬が西の方角を指さした、永代橋から南に離れた箇所に微かな提灯の

灯りが見える。その明かりが左右に大きく振られている。

「闇公方め、合図をおくりおる」

 求馬は嘉納主水の指揮の失敗を悟った、闇公方の一味は追っ手を撒いて

大川の堀割りに逃げ込んだのだ。

 未だに半鐘の音が聞こえないのは、奥山の浪人共が火付盗賊改方に捕え

られたと判断できる。だが闇公方と鳳凰丸との連絡がつけば奴等は砲撃でもっ

て江戸の町を火の海にできるのだ。

「どういたしましょうか?」

 目前の鳳凰丸が回頭を終え、錨が投げ込まれ水飛沫の音を響かせた。

「計画通りに決行いたす」

 求馬が毅然とした口調で出動を命じた。十艘の御用船の水主同心が得物を手

にし、求馬の下知を待っている。

 求馬は再度、西の方面を見つめたが闇公方の動きは判明できなかった。

 このまま悪戯に時の空費は出来ない。

「出動いたす」

 求馬の下知で先頭の御用船が岸辺を離れ、鳳凰丸めがけて漕ぎだされた。

 舳先には求馬が超然と佇んでいる。激しく舳先が波で翻弄され上下左右と

揺れているが、求馬は微動だにせずに立っている。

 後続の御用船が、求馬の乗船する御用船に後続している。

 鳳凰丸は完全に動きを止め停泊し、突然、船上から声があがった。

 船尾から南蛮砲が突き出されたのだ。

 求馬の乗る御用船が一町(百十メ-トル)に接近していた。

「ゴウ-」 南蛮砲の砲声が江戸湾に轟き、耳を聾する砲弾の飛翔音が響き、

 永代橋の西前方に火柱を吹きあげた。

「あそこは松平越前守さまのお屋敷じゃ」

「静かに、短弓の準備を成され」

 先頭を行く求馬の載る御用船には焔硝が積み込まれていた。

 一方の石川御用地からも、砲撃を合図に万を持した若山豊後の率いる御用船

が、闇にまぎれ鳳凰丸に接近を開始した。

「あれは何じゃ」  「船手組の御用船じゃ」

 船上の見張りが接近する御用船を発見し怒声をあげている。

「火縄銃で射殺せ」

 銃声が響き御用船から悲鳴があがった。

「短弓を射こめ」 

 求馬が舳先から叫び、ザッザッと矢が音を響かせ御用船から一斉に唸り

をあげて船上に射込まれた。

「あいゃ-」  船上で射抜かれた者の悲鳴があがり、異国の声も聞こえる。

 どうやら清国人も雇っているようだ。

「撃ち殺せ」

 船上からの下知で一斉射撃を浴びせられ、船手組の面々が海中に飲み込ま

れてゆく。求馬の周囲にも銃弾が集まりだした。

 焔硝に当たれば木端微塵となるが、求馬は平然と指揮を執っている。

 御用船は鳳凰丸の舳先へ舳先へと廻りこみ、鈎綱が船端に投げ込まれてい

る。投げ終わった船は鳳凰丸の舷側にとりついた、

そこは船上からは死角となって見えないのだ。

「全員、船上に乗り移る」

 求馬の下知を待っていた水主同心が。敏捷に綱を伝わって船上に躍りこんで

行く、求馬がノミを舷側にぶち込み船を結びつけた。

 頭上では銃声と喚声が入りまじり、凄まじい混戦となっていた。


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Last updated  Aug 6, 2011 12:12:34 PM
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