000000 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

長編時代小説コーナ

PR

X

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile


龍5777

Favorite Blog

土潤溽暑|活発グル… New! Grs MaMariKoさん

^-^◆ 今や必需品の… New! 和活喜さん

沙夜月 得津美恵子 New! 千菊丸2151さん

今頃キッチンを整理 New! うめきんさん

【東京2020】と【東… New! fujiwara26さん

Comments

 http://buycialisky.com/@ Re:士道惨なり(11)(12/10) cialis muscle paincialis daily use side…
 http://buycialisky.com/@ Re:改定  上杉景勝(12/11) cialis 5 mg prezzo in farmaciaanti cial…
 http://buycialisky.com/@ Re:騒乱江戸湊(04/28) cialis in spanien kaufenavoid counterfe…
 http://buycialisky.com/@ Re:「改訂  上杉景勝」(04/21) what happens if a woman takes viagra or…
 http://viagraky.com/@ Re:士道惨なり(11)(12/10) offshore viagra &lt;a href=&quot; <sma…
 http://viagrayosale.com/@ Re:改定  上杉景勝(12/11) waar kan je viagra pil kopen &lt;a hre…

Category

Freepage List

Calendar

Nov 24, 2011
XML
カテゴリ:伊庭求馬活殺剣
にほんブログ村 小説ブログ 歴史・時代小説へ クール にほんブログ村 小説ブログへ 

     「影の刺客」(69)

「馬鹿者、これからが正念場じゃ。気を緩めてはならぬ」

 主水が烈しく叱責を浴びせ、河野権一郎が首をすくめた。

 主水は河野の様子を横目とし、屋敷を覗き見て声をあげた。

「いかん、奴等は既に潜入しておる。分かるか豊後、あそこの提灯が消えた」

「そう言われますと変です、強盗提灯が次々と消えております。やはり奴等は

忍び込んでおりますね」

 若山豊後も厳しい声を発し、屋敷を鋭く眺めている。

「山部殿、お聞きの通りです。ご貴殿は二つの御門を固めて下され」

 主水の体躯から殺気に似た剣気が立ちのぼっている。

「拙者はこれより、表門から一橋家のお屋敷に踏み込みます」

 主水が羽織を脱ぎ捨て十文字に襷がけとなった。

「大目付殿、自ら一橋家に踏み込みますか?」

「左様、職掌がら、救援に駆けつけます」

 嘉納主水は幕閣でも聞こえた剣豪で、特に居合を得意としていた。

「組頭、配置は終わりました」

 主水に叱責された河野権一郎が、足音も荒くもどってきた。

「河野、そちは神田橋御門の指揮をいたせ、豊後とわしは一橋御門じゃ」

 山部美濃守がすかさず下知した。

「皆に申しておく、奴等は手練者の一団じゃ。一人で立ち向かってならぬ、

三人一組となるのじゃ」

 主水が下知し袴の腿だちをとって駆けだした。

「驚いた人じゃ、皆共、行くぞ」

 山部美濃守と河野権一郎が隊を率い、固める御門へと駆けだした。

「曲者じゃ」

 屋敷の各所から声があがり、扉の破れる音と悲鳴が交差して聞こえる。

 小太りの体躯の主水が、一橋家の表門から声を張り上げた。

「大目付の嘉納主水にござる。ご開門下され」

 屋敷からは怒号と鋼のぶちあたる音が響いてくる。表門が開かれた。

「大目付の嘉納主水にござる。助勢のために推参つかまった」

 嘉納主水が門から飛び込み、凄まじい懸け声をあげ襲い来る曲者

の一人が苦痛の声を洩らし血煙をあげた。

 屋敷内は凄惨を極める状況となっていた。

 黒装束姿の曲者が阿修羅のように、暴れまわり、その度に警護の士が

血潮を噴き上げ倒れ伏している。

 嘉納主水が廊下を滑るように奥に向かい、正国が煌めき曲者が血飛沫を

あげた。彼の視線の先に血潮にまみれた警護頭の、井坂隼人が二人の曲者

を相手に苦戦している姿が見えた。

 曲者は二人一組で巧妙な攻撃で井坂隼人を押し詰めている。

「嘉納主水にござる、助勢いたす」

「大目付の嘉納殿にござるか」

 井坂隼人が肩で息をつぎ、掠れ声で訊ねた。

「左様」

 声で応じ襲いくる曲者の刃を躱しもせず、政国が曲者の一人を袈裟に

斬りさげた。井坂隼人も息を吹き返し手練の早業を見せつけた。

「ぐふっ」

 異様な声を洩らし曲者が、血の帯を引いて廊下に転がった。

「治済さまはご無事にござるか?」

 主水が血刀を手にし訊ねた。

「今のところはご無事にござる」

 主水と井坂隼人が廊下を伝って奥へ奥へ向かった。襖や障子戸が破れ、

血飛沫で無残な様相を呈している。

 二人の警護の士が曲者と相討ちで果てている姿もあった。

 それだけ一橋家の家臣は猛烈な抵抗をしていたのだ。

 その闘いの最中に、長身の黒装束姿の男が屋敷の奥に迫っていた。

「キエッ―」

 物陰に隠れていた家臣が猛然と斬り込んだ。曲者は躱しもせずに、

片手殴りの一閃を家臣の首筋に浴びせた。

 ぱっと血が飛び散り、曲者は血刀をさげて奥に駆け込んだ。

 それは一味の頭の甲戌であった。立派な奥座敷を前にして足を止め、

座敷の内部を覗き見て、ニヤリと笑みを浮かべた。

 座敷には豪華な衣装を纏った五十年配の男と、この世の人とは思われ

ぬ、美貌な女性が恐怖の色を浮かべ佇んでいた。

 甲戌が襖を蹴破り、座敷に踏み込んだ。

「一橋治済さまに、ございますな」

 それは不気味な声で、治済の肌が鳥肌となった。

「何者じゃ」

「貴方さまのお命を頂戴にあがりました者」

 覆面から、くぐもった声を吐き甲戌が無造作に近寄った。

「痴れ者、下がれ」

 治済が震い声を張り上げた。

「お覚悟を為されませ」

 不気味な声と同時に、血濡れた大刀を上段に構え、素振りをするように

一閃させた。風切り音を耳にした治済が辛うじて避けた。

「かくも不覚悟者が、御三卿の実力者か」


影の刺客(1)へ






Last updated  Nov 24, 2011 11:55:26 AM
コメント(38) | コメントを書く
[伊庭求馬活殺剣] カテゴリの最新記事



© Rakuten Group, Inc.