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Dec 1, 2011
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カテゴリ:伊庭求馬活殺剣
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     「影の刺客」(75)

「旦那、黒幕は現れやすか?」

「来る。来るとしたら小石川から護国寺に向かう道じゃ」

 求馬が迷いもなく断言した。

「待っておくんなせえよ、それは西の丸からの道筋ですぜ」

 猪の吉が不審そうな顔をした。

「猪の吉、わしを信じよ」

「分かりやした、音羽屋は恰好な見張り場となりやすね。あんな残酷な

奴等は、早いところ始末しねえと何をやらかすか分かりやせんね」

 そう云った猪の吉が首をかたむけた。

 求馬の端正な顔に心なしか苦しげな翳が見えた。

「旦那、何かを知っておられやすな」

「止むに止まれぬことでしでかした事件じゃ。わしには黒幕の胸中が

なんとなく分かる気がする」

「何をおっしゃりたいんで」

「猪の吉、武士とは辛いものじゃ、だが、わしは許さぬ。せめてわしの手で

引導を渡してやる」

「旦那は黒幕の正体をご存じなんですかえ」

「猪の吉、三日後には決着がつこう。今は何も訊くな」

「へい」

 返答はしたが猪の吉には、求馬の心の中が全く見えなかった。おいらは

旦那に付いていくだけだ、そう思っている猪の吉であった。


 翌日から二人は目白台の音羽屋の二階に陣取り、張り番についていた。

 東に小石川をのぞみ、西に向かうと鬼子母神へと向かう道筋にあった。

 一日目は何事もなく過ぎた。この辺りは暮れ六つを過ぎると人通りが、

ばったりと途絶え、暗闇に覆われる。

 千代田のお城の西北に位置し、鬼子母神のうしろには雑司ケ谷が控え、

朱引内と御府内の境界線にあたる場所である。

 三日目の夜を迎えた。

 八畳の部屋で火鉢を囲み、黒幕の現れるのを待っている。

 階下から付近の百姓や、雑役をこなす人足などの酔った声が響いている。

「旦那、今夜が奴等の言った三日目ですぜ」

「お主が聞き出してきたことじゃ」

 求馬が素っ気なく答え、愛刀の村正の手入れに余念がない。

「冷えてきやしたね」

 猪の吉が厳重な身形をして胴震いをしている。

 外はすっかり闇が落ち、音羽屋の大提灯の灯りがほんのりと道を照らし

だしている。

「いい月が出てまいりやしたよ」

 猪の吉が格子戸を少しあけ、道を警戒しながら月夜を告げている。

「そろそろ刻限じゃな」

 求馬が壁に背をもたせ、瞑目したまま声をかけた。

 四半刻ほど時間が経った頃、求馬が眼をひらいた。

高下駄の音が聞こえてきた。

「猪の吉、奴だ悟られぬなよ」

「抜かりはありやせんよ。旦那、あの侍が黒幕ですかえ」

 猪の吉が低い声で訊ねた。

「畜生め。山岡頭巾で顔が見えませんぜ」

 高下駄の乾いた音が音羽屋の前を通り過ぎていった。

 求馬が戸の隙間から鋭く一瞥した。身形の立派な武士が高下駄を履き、

音羽屋から遠のいて行く。

「旦那、小柄ながら腰の据わりの良い侍ですな」

 百戦錬磨の猪の吉が、素早く武士の腕前を見抜いている。

「あの男が黒幕じゃ」

 求馬が音もなく痩身を立ち上げ、足音を消して階段から外に向かった。

凍った冬空に半月が浮かび、煌々と下界を照らし出している。

 武士は警戒する気配もみせずに、護国寺の門前を横切り、鬼子母神へと

向かっている。

 黒羽二重の着流し姿で求馬が闇にまぎれ、うっそりと痕を付け、その背後

から猪の吉が、絣(かすり)の羽織を着こみ、股引姿で足音を忍ばせていた。

 やがて欅並木と銀杏並木が見えてきた、鬼子母神に着いたのだ。

 武士は参道をのぼり堂塔脇を抜け、迷いもみせず鬱蒼と繁った樹木の

闇に姿を消した。

「旦那、この奥に小屋がありやす」

 猪の吉が先頭にたって暗闇の小道を音もたてずに掻き分けている。

「猪の吉、あの小屋がそうか?」

「へい」

 求馬が何時の間にか猪の吉の背後に寄り添っていた。

「小屋には黒幕と曲者の残党が居るのじゃな」

「間違いはありやせんよ、頭は長身の男で配下の一人は手傷を負っておりや

す。その男がきしと名乗っておりやす」

「きしとは、癸巳のことじゃな」

 求馬が素早く名前を述べ、二人は気配を消し小屋に近づいた。


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Last updated  Dec 1, 2011 11:07:26 AM
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