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Apr 13, 2015
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「信玄の戦略」(106章)


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    (武田勢、二股城に集結す)

「御屋形、このまま一気に浜松城を攻撃いたしますか?」

 馬場美濃守が本陣に駆けつけ、信玄に性急に訊ねた。

「我等は一言坂より天竜川を北上し、合代島(ごうだいじま)に軍勢を進める」

 信玄が気負いなく応えた。  

「この機会を逃し、また北に戻りますのか?」

 馬場美濃守は不審そうな顔付で信玄を見つめた。

 襲い来た徳川勢を一言坂で一蹴したのだ。そのまま目前の天竜川を渡河し、

軍勢を西南に進めれば、家康の本拠、浜松城は目と鼻の距離にある。

 徳川勢は逃げ戻り、襲い来る武田勢への備えで城に籠っている筈である。

「家康は肝を冷やしておりましょう」

 馬場美濃守が浜松城を攻めよと暗に勧めている。

「機会は何度でもある。天竜川の東北へ全軍を進め合代島に向うのじゃ」

 信玄が濃い髭面を厳しく引き締め下知した。

「眼の前に浜松城がございますのじゃ。このまま見逃すのは惜しゆござる」

 馬場美濃守が納得できずに浜松城の攻撃を主張した。

「美濃、わしは勝頼の将器を確かめたいのじゃ」

「その為に二股城に退き返しますのか?」

「二俣城を陥せば甲斐からの軍勢も合戦に必要な物資の搬入にも困らぬ」

 信玄の言葉で美濃守は納得した。武田の輜重隊は秋葉街道を南下し、

青崩峠、兵越峠を利用し誰はばかる事もなく物資を遠州に運べるのだ。

 更に御屋形は跡取りの四朗勝頼さまの器量が見たいのじゃ。

 漸く馬場美濃守は合点した。

「二股城を落せば三河の豪族は我等に恭順いたそう。浜松城はそのあとでよい」  

 信玄は武田の全軍でもって徳川家を滅ぼす腹であった。

「戦略とは面白きものにございますな」

 戦わずに三河一帯を手に入れる、戦略を改めて美濃守は感心の面持で聴いた。

 武田本隊は浜松城を目前にし、全軍が横腹を見せ天龍川の東の街道を北上し、

遠ざかって行く。何千頭の騎馬武者を先頭に、真ん中に武田二流の御旗が風に

靡き、輿が担がれている。そこが信玄の本陣であると誇示している。

 武田勢の行軍を見事な光景であった。先頭から後尾まで余す事もなく見せ、

徳川勢と家康は呆然とした思いでそれを眺めていた。

 武田勢は途中で遮る、徳川の支城、匂坂城を包囲し瞬く間に攻略し神僧を

越え、二十日に合代島に着陣し、そこに信玄の本陣を構えた。

 ここから北西、約一里半に二俣城がある。武田、徳川にとり二俣城は重要な

城である。

 家康は危険を犯し何度も救援の軍勢を繰り出すが、途中ですべて遮られる。

 それでも一向に苦にせず、何度でも兵を繰り出してくる。

 若いに似ず合戦を知っておる、信玄が感心するほど執拗であった。

 二股城の将兵の士気も盛んで、攻城の総大将勝頼を大いに悩ませているが、

力攻めで陥せるほど簡単な城ではない。

 天然の要害に護られた堅城であった、大手門へは坂道が一本あるのみである。

 山県三郎兵の赤備えも何度なく攻撃したが、急坂の小路で思うように騎馬が

操れずに、攻撃が頓挫していた。

 日増しに冷気が厳しくなって来た、既に十二月を迎えているのだ。

 信玄の本陣から見える景色は、常緑樹と落葉樹の木々が見られるだけである。

 まさに殺風景な光景が広がり、寒気のみが烈しくなっていた。

 そんな折、東美濃の秋山信友の使者が到着し、朗報がもたらされた。

「秋山伯耆守の家臣、磯辺盛信にございます。遂に岩村城を攻略いたしました」

「岩村城を手に入れたか」  

 信玄にとってはまさに快挙の知らせである。

「我等は岩村城に籠もり、信長の出方を窺がっておりまする」

「よく遣ったと伯耆守に申せ。こののちは慎重に行動せよ、なんと申しても

信長の膝元じゃ。機を見て明智城をも攻略いたせと伝えるのじゃ」

「畏まりました」  

 使者の磯辺盛信が、荒武者らしい面構えで答えた。

 東美濃の岩村城が我が手に陥たならば、足元に武田勢がひそんだことになる。

 益々、信長の奴は三河への救援部隊を出し難くなる。

「軍兵が必要となったら、内藤昌豊に相談いたせ。余から内藤に申しておく」

「判りましてございます」  

 信玄は使者に引出物を与えて帰した。

 流石は、秋山信友じゃ、奴が暴れるほど信長は岐阜から動けぬ事になる。

 信玄は使者を返し思慮している。

 この秋山信友は猛将として知られていた。岩村城主は信長の叔母が、信長の

末子、勝長を養子として守っていたが、秋山信友が城を攻略し、勝長を養子と

すると偽って女城主を妻とした。

 信玄死去後も岩村城に籠もり、明智城ほか数城を陥し、長篠合戦後も信長と

攻防を繰り返した武将であった。

 ようやく信玄の考えが纏まった。

「誰ぞ、二俣に使いを出せ。勝頼と山県三郎兵衛に直ぐに参るよう伝えよ」

 一人となり信玄が咳き込んだ、また病魔が蠢きだしたな。あと二年じゃ。

 なにとしても命を永らえる、信玄は祈る思いで心に決した。

 勝頼と山県三郎兵衛が騎馬で駆けつけて来た。二人は深刻な顔付をしている。

 また叱責を受けると覚悟した面魂である。

「馬場美濃守と高坂弾正を呼んだ、暫く待て」  

「はっ」

「勝頼、そちに訊ねる。二俣城は飲料水の確保をいかがいたしておる」

「しかと確かめてはおりませぬが、二股城は二つの川に囲まれておりまする。

飲料水には事欠かぬと考えておりまする」  

 勝頼が当然至極とした顔つきで答えた。

 山県三郎兵衛がはっとした顔つきを見せた。

「馬場美濃守、高坂弾正入りまする」  

 野太い声と同時に二人が姿をみせた。

「皆、揃ったな、これから申す事を良く聞くのじゃ」

 信玄が四人の顔を見渡し、河野晋作から聞いた川田弥五郎の件を語り

聞かせた。

「これは驚きましたな、大殿はこの事あるを予測し、川田弥五郎を徳川家に

潜らせておられましたか」  

 馬場美濃守と山県三郎兵衛が驚いた顔をしている。

「余と美濃に三郎兵衛しか弥五郎の事は知らぬ。弥五郎は父上の小姓として

駿河に参った、生きておれば幸いじゃ。早速、明日にでも城攻めをいたせ。

河野の忍び者を差し向ける」  

「拙者が、城攻めを行いまする」

 山県三郎兵衛が剽悍な眼差しで請負った。

「あの少年が二股城に潜みおるとは、思いも及ばぬことにございます」

 馬場美濃守が往時を偲ぶ眼差しをしている。

「父上の為にも二股は直ぐにも陥せ」

 信玄の下知が四人の腹に凛として響いた。

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Last updated  Apr 15, 2015 10:15:51 AM
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