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Apr 27, 2015
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「信玄の戦略」(109章)


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    (三方ケ原の合戦)

 元亀三年十二月二十二日の卯の刻(午前八時)、遂に信玄は全軍に進撃の

命令を発した。ここに浜松城攻めが始まったのだ。

 武田軍団三万余が山が崩れるように動きだし、南下を開始した。

 信玄は甲冑の上に熊の羽織りをまとい塗輿に乗っての出陣であった。

 法螺貝が秋葉街道の夜明けの山並みに炯々と響き渡り、武田二流の御旗が

風に靡き、騎馬武者を先頭に大軍が粛々と進撃して行く。

 鉄砲足軽が武田菱の旌旗を差し、黙々と鋭気を秘め足並みを揃えている。

 武田勢の先鋒隊として小山田信茂率いる三千名が威風堂々と行軍し、

盛んに母衣武者が、背の袋を風に膨らませ物見のために山間に消えて行く。

 東の山並みが旭日で真っ赤に染まってきた。

 信玄は輿の窓を開けた。

 気の引き締まる冷気を躰に受け、信玄が朝焼けの光景に見入いった。

 先鋒隊が天竜川を渡河し、街道を南下しているさまが望見できる。

 信玄は暫くその様子を眺め、満足の笑みを浮かべた。

 武田軍団動くの急報が、浜松城の家康にもたらされた。

「とうとう、動きおったか」  

 家康が天守閣から北東の山間部を眺めやった。

 物見が次々と騎馬を駆って武田勢の動きを知らせてくる、家康は小太り

の躰を城門に移し、逐一、報告を受けている。

 こうしたところが家康の性格であった。

 身が強張るほどの恐怖と闘争心が家康の躰を駆け巡っている。

「申しあげます、武田の先鋒は西ケ崎の村を通過いたしました」

「なにっ、すでにそこまで押し寄せよったか?」

 本多平八郎が唐の頭の兜と自慢の黒糸嚇し甲冑姿で真偽を糺した。

 西ケ崎から浜松城までは二里の行程である。

「矢張り浜松城に攻め寄せる魂胆ですか?・・・・殿、いかが為されます」

 本多平八郎が兜を跳ね上げ、家康を仰ぎ見た。

「為されます・・・・平八郎、なにを狼狽えておるのじゃ」

「狼狽えてはおりませぬ」  

 本多平八郎が家康に食ってかかった。

「喚いておる暇があったら、手勢を率いて物見をいたせ」

 家康の口汚い言葉に、かっとなった平八郎が手勢を連れて駆け出した。

 このまま武田勢に討ちかかり討死してやる。と、猪突猛進し敵勢に近づき、

その武田軍団の偉容に眼を剥いた。

 重厚な陣形の武田軍団が遠方から寄せてくる。衝きかかれば一瞬にして反撃

を食らう、すきのない陣形で山のようにひた押しに寄せて来る。

「これでは犬死にじゃ」  

 彼は猟犬のように、物陰から翳へと忍び武田勢の動きを見張っている。

「なんじゃ、あの動きは」  

 浜松城の北方一里あまりの、有玉付近で武田勢が方向転換を始めたのだ。

 通常の戦術なら軍勢を叱咤し、南西の浜松城へと怒涛の進撃をするのに、

武田勢は西へと方向を変えたのだ。

(三方ケ原台地に向かう積りじゃな)と、一目で悟った。

「使い番、敵勢は有玉から三方ケ原に向かうとみた、殿にそのように伝えよ」

 その知らせを受け、徳川の武将達が呆然と成った。

 彼等にも武田軍団の異様な陣形が望見できるのだ、戦慄するような光景である。

 数千頭もの騎馬武者が、整然とした隊形で彼等の目前を横切って行く。

 足軽の長柄槍隊の穂先が、折から昇った太陽の光をうけて鈍く輝き引きも

切らずに続いている。

 まさに壮観な眺めである。

 続いて武田随一の戦闘力を誇る最強の赤備えの騎馬武者が密集し現われた。

「あれが、山県三郎兵衛昌景の赤備えか」  

 どこから眺めてもすきがない、先頭の駿馬に大兵の武将が大身槍を抱えている。

 その武将が武田の猛将、山県昌景である。

「伝令をだし、本多平八郎に城に戻るように申せ」  

 家康の下知がとんだ。

「はっ」  

 母衣武者が猛然と城門から駆け去った。  

「殿、出戦は無理にござる」

「徳川殿、籠城のお下知を願いたい」

 織田家の援軍の三将も必死で籠城を勧める。

「信玄入道め、わしを挑発しておる。誘い出して殲滅したいのじゃ」

 家康は信玄の挑発は理解出来る。併し、浜松城の西を悠々と横腹を見せ、

通過する信玄の戦略に、武将としての誇りを傷つけられていた。

 一方、信玄は病を持つ身での籠城戦は避けたかった。

 両者が智嚢を絞って駆引きをしているのだ。

 本多勢が砂埃をあで帰還してきた。  

「殿、我等には手が出ませぬ」

 勇猛で聞こえる本多平八郎までが弱音を吐いている。

「ひとまず籠城じゃ」  

 家康は籠城を覚悟し城門を閉じるよう下知した。

 なおも、武田軍団は続々と浜松城の徳川勢に横腹を見せつけ行軍している。

「おうー」  

 突然、武田軍団から挑発するかのような鬨の声があがった。

 浜松城の大広間で家康が歯噛みをしている。

 漸く三河と遠江を手に入れたが、このまま手をださず武田勢に勝手な振る舞いを

させるなら、わしの信用はなくなる。

 家康は眼を据え、胸裡で考え続けている。

 三河武士の意地をみせる、これなくては徳川家の威信は地に落ちよう。

 この地の豪族の信を得る事が出来ずば、徳川家はこのまま滅亡するのみじゃ。

 家康の身内に狂気が充ち、立ち上がるや凄まじい声を張り挙げた。

「石川数正っ、わしは信玄入道と決戦に及ぶぞ」  

「何を仰せになられます」

 真っ先に織田家の三将が止めに入った。

「ここは、われらが領土。合戦が出来ぬと申されるならばお帰りあれ」  

 初めて家康の顔が乾いて見える。

「・・・・」

 その家康の剣幕の烈しさに、三将は沈黙した。

「良いか皆共、わしは叶わぬまでも出戦いたし、信玄入道の本陣に斬り込む、

皆も覚悟を固めよ」  

 家康の狂気がこの場の武将連にも乗り移った。

「おうー」  

 雄叫びが大広間に響き渡った。

 まんまと家康は信玄の挑発に乗ってしまったのだ、たとえ自分への誘いと

分かっていても、黙って西に向う武田勢を見過ごす事が出来なかったのだ。

 武田軍団は浜松城を南にみて北西の、祝田(ほうだ)の地に向かって方向を

変えた。祝田は浜名湖の最北端にちかい位置にあり、その南東から上り坂が

続き三方ケ原台地に至るのだ。




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Last updated  May 5, 2015 11:15:47 AM
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