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スガジロウのダイビング

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kkek

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Oct 24, 2007
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  システム潜水のフルフェースマスク カービーモーガンのバンドマスクと呼ばれている。フーカーとは呼ばないが、原理的にはフーカーである。

 フーカー
 ケーブルダイビングシステムのことを説明するために、どうしてもフーカーについて述べておかなくてはならない
 現在、2007年、作業潜水のほとんどは,フーカー潜水器で行われている。言葉の定義はめんどうであり、異論が多いけれど、現在作業潜水と呼べば港湾工事のための潜水が主力である。一般の人、一般のダイバーが海辺でよく見かける港湾工事は、護岸工事のブロックの据付であろう。起重機を持つ台船が大きなブロックを吊り下げていて、海底に下ろす。下ろす場所を水中で見ていながら誘導するのが工事ダイバーの仕事である。
 ブロックを吊りおろす海底を平らにならす仕事も工事ダイバーの仕事である。
 五十年前、僕がダイビングを始めたころ、この工事潜水は、ヘルメットダイビングが主力だった。僕は大学を卒業して、就職先がどこにもなく、ヘルメット潜水器を作って販売している東亜潜水機という会社に就職して、十年働いた。ヘルメット潜水器は、およそ200年の歴史がある。現在の形になってからおよそ200年、空気を送るポンプが、手押し式からコンプレッサーに変わったけれど、原型を保っている。
現在でも千人程度のヘルメットダイバーは活躍していると思うが、どこか、やっているところを探して、見に行かないと、ほとんど見ることができない。
ヘルメット潜水の長所は、潜水服の下に、厚着をできるから寒くないこと、身体が楽なことである。だから、ヘルメットダイバーは、七十代の高齢者でもやっている人がおおい。短所は、機材の総重量が重いこと、ダイバーの他に、ダイバーにヘルメットを着せつける人、(ダイバーは自分で、着ることができない)コンプレッサーを操作したり、ホースを捌いたりする上回りが必要なこと、規則的には、ダイバーの他に二名の要員が必要である。言うまでもなく、ダイバーをもぐらせるためにはコンプレッサーを載せている専用船がひつようである。陸から歩いて水に入ってゆくことなどできない。それと、もうひとつ、習い覚えるのが容易ではない。一人前になるのに三年はかかる。なんとかもぐれるようになるまででも、一ヶ月の練習は必要だろう。
フーカーとは、水タバコを吸うキセルのことである。僕も実物は見たことがないが、中国や、アラブ諸国などでは使われている。僕が見たのは、映画の中である。水タバコを入れた瓶から、細い管が伸びていて、管の先に吸い口が付いていて、タバコを吸っている。ホースの先に吸い口、スクーバのセカンドステージが付いていて空気を吸う。よく似ているからフーカーと呼んだのだろう。もうひとつ、ナルギールという言葉も使われるが、これも水タバコのキセルの意味である。
当初は、スクーバのセカンドステージそのものをホースの先につけた。これは、普通のスクーバと同じ、マウスピースをくわえて呼吸する。これは、スクーバとまったく同じ、ただ、ホースがあるだけで、まったく同じに泳いで潜水できる。今でも、潜水士講習のテキストでは、フーカーというとマウスピースから呼吸する潜水機として定義されている。 しかし、今、作業潜水で多く使われているのは、顔全体を覆うフルフェースマスクにセカンドステージが付いたものをである。これならば口が自由に動くので、明瞭にしゃべることができる。同時に、汚染された環境でも口が水に直接ふれることがない。また、深くもぐり窒素酔いになって意識を失ってもマウスピースを口から放して溺れることがない。国際的なルールでは、水深50m以上にもぐる場合、汚染されている可能性の高い港湾の奥にもぐる時には、フルフェースマスクの着用が義務付けられていた。
このフルフェースマスクにスクーバのセカンドステージをつけた潜水器をフーカーとは呼ばずに、「新しい潜水器」と呼んでいるのでややこしい。 
 フーカーは、スクーバダイビングができる者ならばだれでもできる。熟練した動きをするためには、後ろに曳いている送気ホースをうまく捌かなければならないが、それはまあ、何とかなる。僕などは、未だにうまくホースが捌けない。社長がもぐると、ホースがからまって困ると、いつも苦情を言われた。送気のホースに有線通話の線を這わせておけば、通話も確実にできる。フィンを履いて泳ぐこともできるが、港湾土木に従事するフーカーダイバーのほとんどは、海底を歩く。浮上する時にはホースを手繰れば、確実に浮上できる。それでもフィンで泳ぎたい人は、フィンを履いて潜るが、せっかく履いてきたフィンを脱いで、どこかにひっかけて置き、海底を歩いている。フィンを履いたり脱いだりすることは、結構ストレスになるものだから、泳がないですむならば、フィン
も履かないですませたい。もちろん、BCを着けることはない。厚手のドライスーツを着れば、氷の下でも潜れる。
フーカーがもうひとつ優れているところは、小さいタンクを背負えば、ホースからの送気とタンクからの供気と二つの空気源を持つことができることである。どちらもセカンドステージを通して呼吸することができるから、簡単にスイッチすることができる。ホースからの送気だけだと、船上のコンプレッサーの故障、ホースが何かに挟まった時など、困ることがある。小さなタンクを持っていれば、浮上は安全であり、楽にできる。
フーカーの欠点はといえば、ヘルメットほど楽ではないこと。ドライスーツに首を締め付けられることは、個人的にはとても嫌だ。
しかし、水温の高い時には、ウエットスーツで潜れるから、これもフーカーの特典と言えるだろう。
フーカーは、港湾作業用の潜水機としては、ほぼ理想に近い。ヘルメット式のメーカーである東亜潜水機に勤めていた時、フーカーの開発と完成を目指していたのだが、途中で退社してしまった。今のフーカーシステムは、僕がかかわって出来上がったものではない。その心残りが尾を引いて、ケーブルダイビングシステムを考えたという面もある。





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Last updated  Oct 24, 2007 10:23:08 PM
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