2022/03/27(日)05:00
第150話 2階の爺さん
今日からこの激安物件が俺の家になる。
1階なので、一応直2階の住人にだけは挨拶を‥と饅頭2つ入った菓子を持って挨拶に行った。
このアパートにインターホン的なモノは無く、ノックでドアをコンコン☆
俺「すいません、1階に引っ越してきた者ですが‥」
ガチャ←ドアが開く音
そこには上下ステテコの身の丈150センチ位?背中が曲がり坊主頭の年の頃60過ぎの爺さんが居た。
爺さん「どうも、わざわざすいません、
こちらこそ宜しく」
俺「宜しくお願いします」
実はこの時、俺は警戒していた。
内見時、案内してくれた不動産業者に
俺の部屋、以前どんな方が住んでいたか聞いたとき
業者「二十代半ばの女性が住んでいたが、2階の住人とトラブルになり半年で退室した。」
と聞いていたからだ。
俺(こんなヨボヨボの爺さんとトラブル?)
少し不思議に思った。
てっきりイケイケの若いやつ、若しくは反社的な感じの奴だと思っていたら、只の腰の曲がった爺さん‥。
ちょっと拍子抜けした。
すると、普段話す相手が居ないのが寂しいんだろう、爺さんは身の上話をペラペラ喋りだした。
名前→栗沢
年齢→60過ぎ
家族→一人暮らし
出身→関西
仕事→無職
収入→生活保護受給
居住年数→4年
「ふん、ふん、そうですか‥」と聞くだけ聞いて、適当に切りをつけ失礼した。
俺は今、メンタルをかなりやられていて少しそっとしておいてほしい。
あんたの事など興味ない、お互い構わない様にしようと思う。
しかし、そうはいかなかった。