朝日新聞に風車記事が載りました 2
朝日新聞社の(下記の記事を書かれた)武田剛さんから新聞掲載のお知らせをいただきましたが、残念なことに1月28日に我が家に配達された朝日新聞には、この記事は載ってはいませんでした。 2009/1/28 の朝日新聞より 風車新設 各地で反対 周辺住民へ説明不可欠 発電用の風車の新設が各地で反対に遭っている。住宅に近い平野部や緑豊かな山間部に建設地が広がり、近隣住民から苦情が出ているからだ。住民に十分な説明を怠る事業者も少なくない。「地球環境に優しい」はずの風車を迷惑施設にしないためには、 何が必要なのか。(編集委員・武田 剛) 静岡県南伊豆町で暮らす富田純さん(40)と多田桂子さん(38)夫妻は昨年1月、自宅の裏山でチェーンソーがうなるのに気づいた。のぞきに行くと、大量の樹木がトラックで運び出されていた。町に尋ねると、伊豆半島の景勝地・石廊崎を望む山中に17基の風車が建つという。計画書を見ると、1基は自宅から200メートルしか離れていない。「何も知らない間に、こんな大工事が始まるとは」 その後訪れたJパワー(電源開発)などの担当者は「家があることに気づかなかった」と釈明。住宅から300メートル以上離すとする県のガイドラインについて聞くと、「法律ではないし騒音も問題ない」と言われた。 2人は近隣住民と協力して、 Jパワーに計画の見直しを申し入れているが、工事は着々と進んでいる。 Jパワー風力事業室は「新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のマニュアル通りに計画を進めており問題はないが、住民への対応で誤解が生じているケースがあるのは事実。 今後は注意したい」としている。 風力発電への反対活動は、数年前から増え始めた。日本自然保護協会などの協力で、朝日新聞が調べたところ、静岡県や愛知県を中心に28件。鳥が衝突するバードストライクに加え、景観や自然の保護、風車の音が原因とみられる健康被害を訴える声もある。 背景には建設適地の減少がある。07年度末までに約1400基が建設されてきたが、その多くが北海道や東北の海岸部だった。 ところが近年、計画地が平野や山間に広がり、「人家に近い」「自然と景観が破壊される」と心配する声が上がるようになった。 長野県伊那市では、南アルプスに63基の風車を建設する計画に、地元の山岳愛好家たちが反発。「世界遺産を目指す景観と自然を守ろう」などと呼びかけると、約3万3千人の署名が集まった。それを受け、市長が反対を表明し、計画は止まった。 不十分な環境アセスメントも、反発を招いている。 国から補助金を受け、出力1万キロワット以上の風力発電所を建設するには、NEDOのマニュアルに沿って騒音の予測や自然環境などへの影響を調査し、その結果を住民に公表することが求められる。 ところが、静岡県の南伊豆町と東伊豆町では、事業者がアセスを終える前に補助金を申請し、住民に知らせないまま計画を進めたとして自然保護団体などが抗議している。 現在、約80基の計画がある伊豆半島で活動する「風車問題伊豆ネットワーク」の山本里子代表は「風力発電の必要性は認めるが、住民を苦しめ、自然や景観を破壊する計画には反対せざるを得ない」と話す。 それに対し、補助金の審査をする資源エネルギー庁 ・新エネルギー対策課は「事業者を信頼し厳密なチェックをしていないが、守らなくても法律ではないので強制できない」としている。 欧州では、法律によるアセスが風力発電にも広がっている。環境省によると、英国、ドイツ、フランスなどが法制化している。 東京工業大の原科幸彦教授(環境計画)は「強制力がなく第三者機関の審査がないNEDOのマニュアルでは公正なアセスができない」として、今年改正予定の環境影響評価法に風力発電事業も対象に加えるよう求めている。 NEDO風力発電総合調査委員会の委員長で、温暖化対策の観点から風力発電を推進すべきだという立場の足利工業大の牛山泉教授(エネルギー変換工学)も「地元から嫌われる施設ではいけない。住民の十分な理解を得ながら計画を進めるべきだ」と話す。