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FNN フジニュースネットワーク (06/05 18:31) http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00200854.html発電の現状の問題点と今後の電力事情について21世紀政策研究所・澤 昭裕氏の解説です。 深刻な電力不足に直面する中、新たな発電方法に注目が集まっています。現状の問題点とこれからの電力事情について、21世紀政策研究所研究主幹・澤 昭裕氏の解説です。福島第1原発の事故で、われわれの生活を直撃した深刻な電力不足。菅首相は5月25日、フランス・パリで「約1,000万戸の家の屋根に、すべて太陽光パネルを設置することを目指してまいります」と述べた。発電バランスの見直しが叫ばれる中、風力、太陽光など、さまざまな新エネルギーに注目が集まっている。街の人は、「(新エネルギーは、全体の何%くらいだと思う?)20、30?」、「20!」、「20くらい? (正解は1.1%です)えっ!」、「40%ぐらい新エネルギーあったら、安心して生活できるんじゃないですかね」と話した。注目される新エネルギーは、果たして未来を担うエネルギーになり得るのか。(現在の発電量の割合を見ると、自然エネルギーは1割程度しかない。しかも、そのほとんどが水力で、太陽光や風力といった、いわゆる「新エネルギー」は1.1%しかないが?)この中に、太陽光、風力以外にも、ごみ発電とかいろいろなものが交ざっているので、まだ、1つずつは0.何%という非常に小さな現状にとどまっています。(新エネルギーが増えていかないのは、なぜ?)エネルギーの種別に応じて、いろいろ一長一短あります。自然エネルギーにつきましては、やはり太陽が照っていないと、太陽光発電はなかなかうまく動かない。あるいは風が吹かないと、風力発電は発電できない。そういう意味で、安定性に欠けるという面と、コストがまだ高いわけです。一方で、自然エネルギーは、何度でも使えるという再生可能エネルギーともいわれていますので、永続性があります。一方、原子力発電、これは今回のような事故があると、大きな費用がかかってしまうというリスクがありますし、燃料のウランも永続的ではないと。一方で、CO2(二酸化炭素、2は下つき文字)を出さないとか、コストが安いとか、そういう面はありますけれども。次の化石燃料にいきますと、これも埋蔵量が有限ですので、永続性に欠ける。一方で、温暖化問題に一番悪いといわれる、CO2を出してしまう。こういう問題があります。ただ、化石燃料は、いざというときにすぐに立ち上がるとか、あるいは需要に応じて調整しやすい。そういう安定性に優れているという面もあります。それぞれの発電1kWhあたりのコストを見てみる。1kWhは、100Wの電球10個を1時間点灯させる電力にあたる。原子力(10.3円)や石炭(9.8円)と比べると、新エネルギーはコストが高いことがわかる。太陽光(59.1円)などは、石炭のおよそ6倍ものコストがかかることになる。(なぜ、こんなに高くなってしまう?)何にコストがかかっているかという内訳なんですが、石炭の場合は、燃料費に相当ウエートがあります。一方で太陽光は、最初の設備費、これが非常に大きなウエートを占めています。したがって、この設備費をどれだけ安くするかがポイントです。(太陽光の場合は燃料費はゼロということ?)そうですね、太陽は無限のエネルギーをくれますので、そういう意味ではメリットは大きいです。(この設備費が圧縮される可能性というのは?)そうですね、発電効率を上げるために、今、研究者と技術者が必死になって技術開発をやっているわけですけど、まだまだ時間がかかります。政府は、20年後に6分の1のコストにしようという目標を持っています。そうなれば、太陽光のコストも14.5円という、ほかのエネルギーと比べても、遜色(そんしょく)なくなります。そういう意味ではイノベーションがポイントだと思います。