すぎなのたより

2010/08/19(木)08:08

林弘子さんありがとう。

7月16日をもって智はめでたく術後1年を経過。 おかげさまで元気です♪ 退院したあと、思ったこと。 これまで、自分でもあきれかえるくらいいろんなことに手を出してきたけれど しっかり身についたものはひとつもないや。 このまま元気でいられるとしても、残り時間はもうそんなに多くない。 ここらでなにかひとつくらい、きちんと学んでみたいなぁ。 なにがいいかな? からだのこと? こころのこと? 手仕事? たべもののこと? そういえば。なんだか最近、発酵モノがすごく気になる。 天然酵母のパン教室がいいかもしれない。 そして。 このヒトのところにぜひ行ってみたい! と思ったのが 小麦から起こす酵母を使ったパンや、発酵食、伝統食にくわしい 林弘子さんのパン教室だった。 パン教室なのに、まるで居酒屋みたいなんだって。 気になるではないですかー。 問い合わせてみたのは12月。年末はすでにいっぱいとのこと。 では1月から、月1くらいのペースで1年通して、参加させていただこう。 ☆ 年が明けて1月。ドキドキわくわくしながら先生宅に。 アパートの、ごくふつーの台所に6人くらいの生徒さん。 その日の教室は、ベーグルと、なぜか豆味噌の仕込み。 そしておいしいモノの試食が山ほど。 持ち帰った味噌玉をザルにのせ、おこたのなかに入れておいた。 しばらくしてのぞいてみると。 なんと猫のねこぶちがその上にどっかと座り込み、 気持ちよさそうに丸まっているではないか。 あわててどけると、下敷きになった味噌玉はあわれぺしゃんこに。 ……嗚呼。 弘子先生にメールで報告したら、大受けだった。 猫が座り込んだ味噌玉は、教室史上初だとか。 ……そして私は、以来めでたく「ねこたま」を名乗ることになったのだ。 (ねこたま粉(W8号)を使ったパンとお菓子のいただきもの) それからこれまでに、本当にたくさんのモノやこころをいただいた。 教えたことはすぐに忘れてしまうけれど、食べたモノの味は忘れないから 試食させるのがいちばん! ということで 教室では毎回、その季節ごとのおいしい食べ物がたくさん用意されていたし こまめに更新されるブログには、くわしいレシピが惜しげもなく公開されている。 自家製の小麦粉をお送りしたときには、「ねこたま粉」と呼んだそれを おいしいモノに変身させて送ってくださったし 粉とのかかわり方をしっかり見せてくださりもした。 豪快さと繊細さを合わせ持ち、愛情深く、 じつに素敵な方だった。 みんなで石窯を作っているので、完成したらぜひ出張パン教室を! とお願いしたら 「ほんとにヒトをこき使うんだからー」といいつつも、ちょっとうれしそうだった。 ヤギ乳のチーズ作りも教えていただくつもりだった。 まだまだこれから、教えていただきたいことたくさんあったのに。 ブログのようすがなんだか変で、ものすごく無理をされているようで、 先生の体調が気がかりだった。 そのブログが突然とだえ、いったいどうされたのだろうと思っていたのだけれど……。 ☆ 私たちが石窯に試しの火入れをしていた日、 弘子先生は突然逝ってしまわれたのだった。 最後まで働きづめで、いかにも先生らしいといえなくもないけれど いくらなんでも、あまりにも急すぎる。 残念すぎる。 ☆ 娘さんたちが、お別れをする場を用意してくださったので出かけていった。 そしたら弘子先生は 「あーやっとゆっくり眠れるわー」とでもいうかのように とても気持ちよさそうなお顔で横になっていらっしゃるので つい、あぁなんだか起こしちゃ悪い、 もうそのままゆっくりお休みになっててくださいよぉなんて思ってしまい 「ありがとうございました」しかいえなかった。 ☆ いただいた元種は、ここで元気に生きつづけている。 弘子先生の笑い顔は、いまも私のなかにある。 ありがとうございました。 あなたと出会えたことは、私にとって宝です。 元種、ちゃんとつなぎますから。 たぶん。プレッシャーにならないくらいのいい加減さで。 「なんだかあんまり頼りにはならなそうだけど まぁよろしく頼むわよっ」 といまいわれたような?……わけないか。 (智@ねこたま)

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