671326 ランダム
 ホーム | 日記 | プロフィール 【フォローする】 【ログイン】

「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

◎「うつ」への私案:○そして「これから」

 「うつ病」への対策、そして「これから」

 私は、公務員です。
 そして公務員の仕事は皆さんが考えているものとは少し違います。
 不思議に思われるかも知れませんが、3年毎に事務所を転々としながら、常に人に頭を下げる仕事です。
 事務所にきては、大声で怒鳴る人を宥め、電話の苦情に対応しながら自分の仕事を進めなくてはなりませんから、偉そうにしていたら幾ら時間があっても足りません。

 そして、職場によって大きく異なるのですが、公務員生活20年間の半分くらいは、11時8分発の終電を気にしながら残業に追われていました。
 時間で給与が払われている訳ではないのです。
 自分に与えられた仕事をこなしていかなくては、組織が廻っていきません。
 要領の良いものは、テキパキとこなしていきますが、私のように不器用な人間は机の上が書類で一杯になってしまいます。
 時間に追われ、作成した書類について充分な説明ができないと上司に叱られ、ストレスが気づかないうちに溜まっていきます。
 過労死して労災認定された公務員は一杯いますし、半分の課長が、病院で点滴を受けてから職場に来る市役所もあります。
 
 私も就職する前は、「公務員は安定していて楽で良い」と思っていましたから、社会がそう考えるのも無理はありません。しかしながら入ってみると大違い、それが公務員なのです。
 「給与は安定している」のかといえば底辺で安定しています。
 20年ほど前のことですが、「子供2人がいて奥さんが働いていない公務員」は公的扶助の対象になると聞いたことがあります。
 「公的扶助の対象になる」とは、給与が安すぎて最低限の生活が出来ないという国からのお墨付きです。

 そして、部内の調整や予算編成などの仕事の経験は、他の企業では役に立ちません。それに、公務員は条例で身分保障がされている反面、辞めることは自主退職扱いとなりますので失業保険の対象になりません。
 つまり退職すれば、特別な技能がないため企業への転職が難しい上に、辞めたその日から食べるものにも事欠く生活が待っているのです。
 ある組織のように「一度入れば抜けられない」。それが公務員というものです。
 そのため、気の合う数人の友達と酒を飲んでは、「何でもないこと」を真剣に議論したり、独りブラリと旅にでたりと気を紛らわせていました。

 それが、遅い結婚の後、どうしても紛らわせない感情が抑えきれなくなります。
 「何の大過もなく過ごして、退職し、安らかな老後を送る」。
 そんな生活が本当に大事なのか?
 本当に自分が求めるものなのか?

 鬱屈した日を過ごし、退職を真剣に悩んでいると、かつて「うつ病」のため6ヶ月間入院したことのある妻が言います。
 「そんなに嫌なら辞めればいいじゃない。後は何とでもなるでしょ!」
 そう励ましてくれていた妻が、私の塞ぎ込んだ生活に影響され、「うつ病」が再発してしまいました。

 かつて、彼女がかかっていた医者を探し、妻の受診のために二人で病院にいくと、私にも「うつ状態にある」と診断書がでてしまいました。
 身体の大きさもあるのでしょうが、妻の飲む薬より、私が飲む「同じ薬」の方が量が多いと気づいたのは大分経ってからでしたが。
 「うつ病の患者には、「うつ」という言葉を医者は使わない」と後から妻が教えてくれました。どうも私のほうが妻よりも症状が重かったようです。
 
 それから自宅療養の日々が続きます。
 最初は、1ヶ月程して職場復帰したのですが、1週間もすると疲れて仕事になりません。3ヶ月の病休。
 そして1ヶ月に満たない職場復帰。
 再び、今は来年1月末の職場復帰を目指して6ヶ月間病休の生活を送っています。
 
 初めの頃は、自分が「うつ」であるということが頭で理解できません。
 ただ、どうしようもなく疲れて何もする気が起きず、そして朝起きることができません。
 でも午後からは元気が出てきますので、「職場をズル休み」しているような罪悪感に悩まされます。
 自宅が田舎にあるので、昼間の外出も間々ならず、強制的に「引きこもり」を強いられているような気がしたものです。
 自分は何でも出来るのに、自宅にいなければならない。職場や社会から置いていかれる不安に苛まれます。

 それで、最初の職場復帰です。
 少し遅れてしまったけれど、これで漸く社会の中に戻れると意気揚々と出かけました。
 しかし、何時もなら1時間でできるような仕事に午前中一杯費やしてしまう、そんな状態で働いていると、直ぐに身体の調子が崩れ「風邪」と言っては休むようになりました。
 自分自身「風邪」ではなかったら、こんなに事務処理に時間がかかったり、こんなに疲れたりはしないと思ってしまうのです。

 そして、3ヶ月の病休。
 初めの数週間は記憶にありません。疲れて疲れてズッと眠っていたからです。
 1ヶ月が過ぎようやく自分の状況が判ってくると、取り敢えず今は休息しなければいけない期間なんだと初めて気が付きます。
 その時には「職場を休む罪悪感」はなく、医者の診断のとおり、ただ「ひたすら」に眠っていました。眠ることだけが治療なんだと自分に言い聞かせて。
 「うつ状態」になってから大好きだった本が全く読めなくなりました。
 医者に相談すると「今まで、一所懸命に理論武装をしていたんでしょう。そんな几帳面さが「うつ」の原因になったのではないでしょうか。読みたくないならそれでいいのでないですか」とのことです。
 隣で聞いていた妻は「几帳面」という部分で噴出していましたが。

 2ヶ月が過ぎると、職場復帰が気になります。近所の眼を気にしながら、朝5時過ぎに起きて犬の散歩です。
 始めは2キロくらいを1時間弱で歩いていたのですが、それが、3キロ、4キロと増えていき、11キロを4時間かけて歩いた時は、「止めなさい」と医者から注意を受けました。

 文章は読み辛いものの、体力は回復したと2度目の職場復帰です。
 始めは順調に、遅いながらも簡単な仕事をこなしていたのですが、職場に溜まった荷物が倉庫一杯になったと「倉庫整理」をすることになりました。 職場全員が参加する作業です。
 時期は初夏でしたが、日差しがキツイ中を1日中外で作業することになります。
 翌日、ぶっ倒れてしまい、しばらく職場を休み、体調が戻りません。
 医者からは「倉庫整理では、自分が疲れた時に休めない状態だったのでしょう。身体が悲鳴を上げているのに、作業を続けてしまったからダウンしてしまったようです。今後も1時間集中すれば、ゆっくり時間を取って休み、それから再開するようにしてください。」と言われ、今度は6ヶ月の病休です。
 いつも病休になった数週間は同じです。全く記憶にありません。疲れて疲れてズッと眠っているからです。
 1ヶ月が過ぎ、ようやく自分の状況が判ってくると、取り敢えず今は休息しなければいけない期間なんだと改めて気が付きます。
 
 初めの2ヶ月間は寝ては起きての繰り返し。
 妻も「うつ症状」のため、掃除や洗濯などの家事は出来るのですが、料理だけができません。
 そこで、お昼は宅配の日替弁当を頼み、夕食は作れる方が作るか、コンビニやスーパーマーケットで弁当を買ってくることになります。
 弟が転勤で自宅に戻っていましたから、夕食は、「ほか弁」や「カレー」など、専ら彼に買いに行ってもらっています。
 
 3ヶ月目になって規則正しい生活に心がけることになります。
 そして、「何かをしたくなる」時期です。
 前回は、「犬の散歩」でした。でもそろそろ外が寒くなってきます。

 そこで、始めたのがインターネットです。
 最初は、ヤフーオークションで妻が欲しがっていた「本(「小野不由美の悪霊シリーズ」」を落札してから、オークションを楽しみにパソコンに向かいます。
 次はポイントを集めることを始めます。幾つかのサイトを登録しては、一所懸命ポイントを集めていきます。登録したサイトからのメールの量が1日百通を超えるようになりました。
 しかしながら、「サラ金」や「カード発行」など高ポイントのサイトは登録しませんでしたから、中々ポイントは溜まりません。
 そうする内に、楽天から「33ポイント獲得されましたというアフェリエイト」の通知がきます。
 最初は、何のことか全く判らなかったのですが、楽天市場から購入した商品に、私が書いたコメントを見て、その商品を別の人が買ったら1パーセントのポイントが貰えるということを知りました。

 それから、無料のブログを開設することにしたのですが、何を書いたらいいのか判りません。
 購入したことのない商品のコメントを書くのは余りに無責任ですし。
 家には十二匹の猫と犬がいますが、その面倒は妻が見ていますし。
 そこで、ただ1匹、私の部屋で生活している〈かふん〉と名付けた猫のこと。
 そして、「個人旅行」か「読んだ本」か迷ったあげく、『「杉の花粉」の独断と偏見に満ち溢れた愛読書コーナー』が誕生しました。

 ですから、「愛読書」とは全く関係ない「個人旅行」や「日記:猫のいる生活」が無秩序に掲載されています。
 私は公務員ですが、防災に関係した仕事は一切していません。
 ですが、職場に入ってくる情報はテレビより少しは多いので、まだ元気な頃ボランティアで参加した「阪神淡路大震災」の経験と合わせて「防災について考える」を掲載し、私ならこういった防災対策用品を用意するとアフェリエイトを作成しています。
 これは、あくまで私の経験と考えに基づいて無責任に書き綴っているだけですから、絶対に行政からの広報とは思わないで下さい。

 そして、いつの間にか、ブログの訪問者の数ばかりを気にするようになります。
 そのため、1週間に一度のトップ画面の更新、いろいろなコーナーへの日記の書き込み、
 そして百通を越えるサイトからのメールの処理など、常に何かに追われるかのようにパソコンに向かっていました。

 今、病休期間が残すところ後1ヶ月となりました。
 毎日、数時間もパソコンに向かう生活をしてきた私に、職場復帰の不安はありません。

 ですが、再び考え込んでしまいます。
 今、こんなことをしていていいのか。
 6ヶ月も期間があればモット別の事ができたのではないかと。

 それで昨日(12月21日)は、何もする気が起こらず、夕食も妻に作ってもらい部屋からは一歩も出ませんでした。

 「うつ」なのでしょうか。
 でも、今日になって考えます。
 何も出来ないから「病休」なんだと。

 「うつ」状態が回復したのかどうかは自分は勿論、専門家も誰も判りません。
 ただ、「怠惰な生活をしている」と見る人と「一所懸命に生きようとしている」と見る人の2種類の見方があるだけです。

 今回も、職場復帰が駄目ならその時どうするか考えればいい。
 悩んで生きるよりは、楽しく。
 後悔するよりは、前を見て。
 そして、自分が好きなことだけをして、あと1ヶ月間精一杯生活してみようと。


© Rakuten Group, Inc.