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「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

6 凍て付いた刻(とき)

どん底・・・凍て付いた刻(とき)

♪・・・
 冷たくされて何時かは
 見返す心算だった。
 それから何処へ行くのも
 着飾ってたのに・・・

 如何してなの?
 今日に限って、
 安いサンダルを履いてた・・・♪


 松任谷由実『DESTINY』である。
 ドチラかと云うと妙に明るい松任谷由実より、ジットリと暗い中島みゆきを好んで聴いていたのだが、この『DESTINY』だけは嵌まった

♪・・・
 足元くすぐる波さえ 少し遠慮がち
 私は無邪気になれずに 海と話してる。
 あの人のこと 気にしすぎてる。
 友達が言い 笑う心算が 
 泣きそうになった・・・♪


 来生たかお『はぐれそうな天使』である。
 岡村孝子(アミンの片割れ)を先に聴いたが、来生たかおバージョンが気に入った。

 最近は良く音楽を聴いている。
 少し前に日記に書いたYUIなんてのも・・・
 どうも私は『可愛らしい人』が好きなようだ。
 ・・・ホント幾つになっても。

 でも、そんな人決して一緒に居たい訳じゃない
 私は『いらち(せっかち)』なので、そんな『とろい(どんくさい)』人と一緒にいれば絶対にイライラが爆発してしまう
 そんな『可愛らしい人』がいれば、ズッと見ていたいってだけ。
 あくまでも遠くから
 そういう人居るんじゃないかって思うだけで・・・
 何か仕合わせな気分になってくる

 古本で購入して半年
 ズッと放っておいた森雅裕『椿姫を見ませんか』を読んだ。
 前作『あした、カルメン通りで』が非常に気に入ったのだが・・・
 この森雅裕って人は全く天邪鬼な様で、決して主人公の守泉音彦鮎村尋深ハッピーエンドはないらしい。
 本人『興行的に失敗した』と述べている『椿姫を見ませんか』だし。
 この本『興行的失敗』により出版部数が極めて少なくなったのか、三部作が完結する『蝶々婦人に赤い靴(エナメル)』なんて、古本で4千円前後と非常に高価になる。
 ワザワザ高い金を払ってまで『悲劇』なんて読みたくもない

 だが、『椿姫を見ませんか』想像以上に面白かった
 作中の鮎村尋深が酷く可愛らしい
 先日から三度も読み返してしまっている。
 そして・・・
 非常に仕合わせな気分を味わっている

 朝4時頃になると、
 我が部屋猫《かふん》が暴れだす。
 加湿器に上に飛び乗って、
 ノートパソコンの上に飛び乗って。
 そしてベッドに横たわる私の身体踏んずけながら枕元までやってきて・・・
 私の顔を舐める

 面倒なので、そのまま放っておいたら、
 最近私の顔息を吹きかけるようになった。

 仕方なく、部屋のドアを開けると、
 外に飛び出して行く。

 網戸のガリガリって音がすると彼女のお帰り
 ドアを開けると、
 フニャ~、ニャッ、ニャッ、ニャッ!
 って鳴きながら飛び込んでくる。

 猫飯を喰べて、を飲んで、
 ベッドの前佇む
 
 慌ててベッドに毛布を敷くと
 その上に飛び乗って、
 毛繕いをして、
 丸くなって眠り始める

 背中を撫でると、
 手足?精一杯に伸ばして
 仰向けになる。
 喉元を摩ると、
 気持ち良さそうに再び眠り始める

 そんな《かふん》を見ていると、
 酷く仕合わせな気分になる

 『休職』って何もすることが許されない
 牢獄の様に部屋に閉じ込められる
 が、そう思っているだけのことなのだろうけれど。
 そして・・・
 食料の買出しに出かけると、
 帰宅した後、暫くは動くこともまま為らない

 3月末から私の時間は止まったまま
 気だるい気分を、幾つかの『仕合わせ』繕っていく
 何時かは溶けるのだろうか?
 この凍て付いた刻(とき)は・・・


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