9 『国際連合』への考察『国際連合』批判平成18年7月16日(日)の朝刊を読んでいます。 国連安全保障理事会は、北朝鮮問題に関する決議案に、国連憲章第7章を書き込むか如何かで最後の調整に入っていると書いてありました。 そこで、国際連合とは如何いう組織で、国連憲章には何が書かれているのかを勉強してみます。 私は、法律の専門家ではありませんし、無学な公務員ですので、正当な解釈が出来るとはトテモ思えません。 法律の専門家、特に国際法に詳しい方からは、『そんな馬鹿な解釈があるか!』と叱られるのを覚悟しつつ、私の独断と偏見により、『国連憲章』の一部分を抽出し、勝手に解釈することを先にお断りしておきます。 第1章 目的及び原則 第2条 この機構及びその加盟国は、第1条に掲げる目的を達成するに当っては、次の原則に従って行動しなければならない。 7.この憲章のいかなる規定も、本質上いずれかの国の国内管轄権内にある事項に干渉する権限を国際連合に与えるものではなく、また、その事項をこの憲章に基く解決に付託することを加盟国に要求するものでもない。 但し、この原則は、第7章に基く強制措置の適用を妨げるものではない。 『原則』には、国連憲章は、如何なる主権国家にも干渉することはないと読んでしまいます。 但し、「『第7章』は例外だ」と。 ということは、『第7章』に書いてある事項については、主権国家に対して強制措置を取ることが出来るということなのでしょうか。 それで、日・米などが『第7章』に、制裁の『法的拘束力』を求めるという新聞の表現が何となく判ります。 そこで、『第7章』は、・・・と行きたくなりますが・・・。 その前に、『国際連合』とは、如何いう組織なのかを考えてみたいと思います。 第4章 総 会 【任務及び権限】 第10条 総会は、この憲章の範囲内にある問題若しくは事項又はこの憲章に規定する機関の権限及び任務に関する問題若しくは事項を討議し、並びに、第12条に規定する場合を除く外、このような問題又は事項について国際連合加盟国若しくは安全保障理事会又はこの両者に対して勧告をすることができる。 パソコンを覗きこんでいた『妻』が吃驚していました。 国際連合の最高意思決定機関は、『国連総会』だと思っていたようです。 第10条を読むと、『総会』は、国際問題を『討議』し、『国連加盟国』や『安全保障理事会(以降、面倒なので『安保理』)』に『勧告』することができる、としか書いてありません。 しかも、『第12条を除いて』という条件付きです。 『第12条』って何が書いてあるんでしょう。 第12条 1.安全保障理事会が、この憲章によって与えられた任務をいずれかの紛争または事態について遂行している間は、総会は、安全保障理事会が要請しない限り、この紛争又は事態について、いかなる勧告もしてはならない。 『妻』の空いた口が塞がりません。 『安保理』が、紛争等の任務を遂行している間は、その紛争や事態に対して、『総会』は、いかなる『勧告』もしてはならない、と書いてあります。 『安保理』に対して『総会』は、紛争等の非常事態に『勧告』すら出来ないというのです。 国際連合の『総会』は、余りにも無力というしかありません。 それでは、『安保理』とは如何いう権限をもつのでしょうか。 第5章 安全保障理事会 【任務及び権限】 第24条 1.国際連合の迅速且つ有効な行動を確保するために、国際連合加盟国は、国際の平和及び安全の維持に関する主要な責任を安全保障理事会に負わせるものとし、且つ、安全保障理事会がこの責任に基く義務を果すに当って加盟国に代って行動することに同意する。 2.前記の義務を果すに当たっては、安全保障理事会は、国際連合の目的及び原則に従って行動しなければならない。 この義務を果たすために安全保障理事会に与えられる特定の権限は、第6章、第7章、第9章及び第12章で定める。 第25条 国際連合加盟国は、安全保障理事会の決定をこの憲章に従って受諾し且つ履行することに同意する。 凄い話です。 国連憲章では、国連加盟国に対して、自国の安全保障に関する問題は、『国連』や『国連総会』ではなく、『安保理』の決定に従えと書いてあります。 民主党や某サンデーモーニングで『米国じゃなく、国連に従え!国連、国連』と叫んでいた某タハラコータローの言う『国連』とは何なのでしょうか? 米国を中心とした多国籍軍は、『安保理』の決定に基づいて、フセイン体制を崩壊させました。 あの時、仏国が拒否権を発動すると脅していたのは、その開始時期に関する『新たな安保理決議』です。 イラクへの武力制裁は、それまでの『安保理』で決定されていた筈です。 チャンと国連憲章を読んで発言してたのか!某タハラコータロー! テメーの言う『国連』ってのは一体何なんだ? 国連憲章には『安保理』の決定に従えと書いてあるじゃねーか!馬鹿やろーが! チョッとした激怒から、少し上品な日本語になってしまいました。 「国連加盟国は国際紛争等に関する問題については、『安保理』の決定に従え」という処まできました。 そこで、いよいよ『国連憲章第7章』です。 第7章 平和に対する脅威、平和の破壊及び侵略行為に関する行動 第39条 安全保障理事会は、平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在を決定し、並びに、国際の平和及び安全を維持し又は回復するために、勧告をし、又は第41条及び第42条に従っていかなる措置をとるかを決定する。 第40条 事態の悪化を防ぐため、第39条の規定により勧告をし、又は措置を決定する前に、安全保障理事会は、必要又は望ましいと認める暫定措置に従うように関係当事者に要請することができる。 この暫定措置は、関係当事者の権利、請求権又は地位を害するものではない。 安全保障理事会は、関係当時者がこの暫定措置に従わなかったときは、そのことに妥当な考慮を払わなければならない。 第41条 安全保障理事会は、その決定を実施するために、兵力の使用を伴わないいかなる措置を使用すべきかを決定することができ、且つ、この措置を適用するように国際連合加盟国に要請することができる。 この措置は、経済関係及び鉄道、航海、航空、郵便、電信、無線通信その他の運輸通信の手段の全部又は一部の中断並びに外交関係の断絶を含むことができる。 第42条 安全保障理事会は、第41条に定める措置では不充分であろうと認め、又は不充分なことが判明したと認めるときは、国際の平和及び安全の維持又は回復に必要な空軍、海軍または陸軍の行動をとることができる。 この行動は、国際連合加盟国の空軍、海軍又は陸軍による示威、封鎖その他の行動を含むことができる。 『妻』が息を呑みました。 「日本人なら、想像もできないし、付いていけない!」 彼女の発言です。 この『第7章』関係は今日の朝刊にも出ていましたので、御存知の方も多いかと思います。 でも、新聞は、第41条、第42条などの全文を掲載しているにも関らず、何故か『安保理』ではなく『国連』の制裁と言う表現を使っています。 広く見れば『安保理』も『国連』の1機関でしょう。 ですが、今まで見てきた様に、国連憲章では、『国連』ではなく、『安保理』の決定に従えと書いてあります。 『国連総会』など、『安保理』が紛争解決に着手したら『勧告』すら出来ない、と書いてあります。 世界の安全保障を請け負い、世界を運営しているのは『安全保障理事会』です。 そして、その中で拒否権を持つ常任理事国(5大国)です。 『国際連合』や『国連総会』は、その隠れ蓑に過ぎないのではないでしょうか。 第111条 この憲章は、中国語、フランス語、ロシア語、英語及びスペイン語の本文をひとしく正文とし、アメリカ合衆国政府の記録に寄託しておく。 この憲章の認証謄本は、同政府が他の署名国の政府に送付する。 以上の証拠として、連合国政府の代表者は、この憲章に署名した。 1945年6月26日にサン・フランシスコ市で作成した。 『国際連合』は、第2次世界大戦終了直前に『連合国』により創設されました。 『連合国』=『常任理事国』の世界運営維持体制。 それが『国際連合』の正体です。 戦後60年が経とうとしている現在も、その体制は全く変わっていません。 『the United Nations(UN)』を『国際連合』と訳するのは日本国と大韓民国ぐらいだと聞いたことがあります。 直訳すれば、・・・・・『連合国』です。 ジャンル別一覧
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