「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

2006/05/31(水)04:56

〈かふん〉の災難?

『猫のいる生活』(301)

 今朝は午前0時半に一度眼を覚まします。  昨日の日記を書いてパソコンをダウンすると再び眠ってしまいます。  本当に良く眠ります。  『「うつ」は眠って精神的な疲れを回復していく』という主治医のお話ですが、このままでは、「杉の花粉」も「ネコ」になってしまいそうです。  再び、午前6時過ぎに眼が覚めます。  「猫神」も起き出し、少しお話しをしていると時計は7時を指そうとしています。  慌てて着替えのために母屋に向かいます。  ドアを開けると〈かふん〉は外へ飛び出していきました。    昨日は、少し無理して出勤しました。  出勤すると何とか身体が慣れていくようです。  昨日ほどの疲労感はありません。  週初めは、無理をしてでも出勤した方が後々のことを考えると『楽』なようです。  着替えて部屋に戻ります。  「猫神」がベッドの上から「行ってらっしゃい」と声をかけてくれました。  弟のスクーターに跨り、まるで初夏の温かい日差しの中、駅を目指して駆け抜けます。  駅には5分前に到着します。    着駅でタバコを吸ってから「折り畳み式自転車」で職場に向かいます。  上司と1週間交代で出席している朝のミーティングは今日も3分で終わりました。  職場に戻り、『もう一つの会計システム』のために、「エクセルで作成した『支出決議書』を作成すると一覧表に集計されるマクロ計算」を収入用に作り直します。  4月10日の入金と繰越金しか入力されていませんから、『もう一つの会計システム』の残高と『銀行通帳』の残高が大きく乖離しています。  マクロ計算するように作り直した『収入報告書』を作成します。  数枚の『収入報告書』と『収入の一覧表』が同時に出来上がります。  少し満足します。  午前中に担当者が『もう一つの会計システム』に入力してくれると、『銀行残高』と漸くピッタリ一致します。  今年度になって既に2ヶ月が経過していますが、漸く『もう一つの会計システム』も軌道に乗り始めました。  「御用は何かありませんか」と『名乗りもせず』非常に傲慢な男が窓口に現れます。  覚えのない顔ですから何のことを言っているのか全く判りません。  よく話を聞くと「杉の花粉」の前任者のお気に入りの業者だったらしいのですが、今年になってから一度も物品の発注がないので『御用はないかと伺いに来て』くれたそうです。  確か4月に一度『ソファ』を探していた時に声をかけた業者で、何時まで経ってもこちらの希望するような商品を見つけもせず、『そんなものはない!』と傲慢に返答した業者です。  結局他の業者に見つけてもらい、更に『見積もり合わせ』をして『ソファ』を購入しました。  「テメエの処に頼むものなど何もない!」と罵倒すべき業者が、更に傲慢にも『御用伺い』にやってきたようです。  木っ端役人の「杉の花粉」は罵倒することもなく「今のところ何も発注するものはない。」と繰り返して、帰ってもらいました。  今年度「杉の花粉」が物品購入の担当になってから、『全ての物品購入』は、厳格な『見積もり合わせ』を行い、価格の安い業者から購入することにしています。  『会計規則』を意地になって厳守している訳で、「杉の花粉」が気安くしている業者はありませんから、其々の業者にとっては余り面白いことではないのでしょう。  でも馴れ合いは大嫌いな性格です。  以前自分がしたことの反省もないまま、偉そうに言えば物品発注がされるという『その業者』の思い上がった態度は、余り愉快ではありません。  意地でも、二度と発注することはないでしょう。  お昼を廻りましたので『豪華特製弁当』を食べ始めます。  すると上司が「組織の一番上が、話があると言っていた」と伝えてくれます。  午後一番に「組織の一番上」の部屋に向かいます。  先週3日連続で病気休暇を取得したことを心配してくれていました。  「糖尿値が高い時に風邪を拗らせたのが原因で『うつ』症状ではなかった。」  「今の職場では、気楽に仕事をさせてもらっている。」 と答えると満足そうに頷いてくれました。  管理者ですから「週の半分を休むのはどんなものか」と「休暇」については一言ありましたが、非常に部下の視点に立っている方ですから、それほど不快には感じません。  「今後も頼む。」  「こちらこそ宜しくお願いします。」 ということで退出しました。  少し不思議な処もありますが、一端の『人格者』です。  席に戻って『請求書』の整理を始めます。  再び徐々に溜まり始めていますから、出来る処から処理しようと休眠状態のパソコンを起して入力を始めると電話がかかります。  「昨日が期限の調査表が未だ提出されていませんが」との催促です。  明日は、「猫神」と一緒に「病院」に行く日ですから『病休』です。  早速、その1週間前に送ったというメールを確認します。  その部局が『単価契約』をするための調査で、今年度の購入予定数量を2枚にわたる調査票に書き込まなければなりません。  『見た瞬間に面倒なので放ってあった調査票』です。  『調査票』は購入予定数量を書き込むことになっていますから、強引に昨年度の購入実績額を『契約単価』で割って『予定数量』を導き出します。  神の啓示のような『数字』が表れます。  『出納局』からの調査です。  『財務会計システム』の大元です。  そこが判らない数字は誰も確認できません。  その『数字』を『調査票』に打ち込み、メールで返答します。  一件落着です。多分。  4時半過ぎの『催促の電話』でしたので、「折り畳み式自転車」を駆って、1時間遅れの列車に乗り込みます。  空いている席に身体を沈めます。  何処かの女子高校生が『ダ・ビンチ・コード』を話題にしています。  「私は3ページ目で断念した。」  「私は、TVの関連番組を見ていたので比較的楽に読めたけど、1週間経って『上巻』の半分位しか未だ読んでいない」と聞こえてきます。  「ハリウッドの大作映画のように宣伝だけは大層だが、内容は一本調子で、全く知的好奇心を刺激しない『ダ・ビンチ・コード』すら、テメー等は読めないのか!」と少し哀しくなります。  一応、周辺地域では進学校といわれている制服を着ているところが尚一層涙をそそります。  如何でもいいことですけど。  着駅から弟のスクーターで自宅に直行します。  「猫神」は今日も「杉の花粉」の部屋にいるようです。  母屋で着替えをして部屋に行くと、ゲームをしていたパソコンを急に閉じて眠った振りをしようとします。  朝、あれほど嘆いていた腹痛は何処に行ってしまったのでしょう。  「月のもの」が原因ですから、そのまま放って出かけましたが。  「猫神」と一緒に「野菜タップリお弁当」を食べ始めます。  2日前に『請求書』が入っていましたので「一人が『豆ご飯』が食べられません。『豆ご飯』の時は、普通の『ご飯』にしてください。」と封筒に書いて、お金を入れて置きました。  「お釣り」が入った、その封筒の『書き込んだ部分』に大きく丸がしてあります。  『了解してくれたんだ』と二人して顔を綻ばせていたら、一つのお弁当箱に『豆ご飯なし』と書かれた『紙』が輪ゴムで止めてあります。  『今日も豆ご飯だったようです。』  『グッドタイミング!』と「猫神」と一緒に笑い転げました。  夕食を食べて、「猫神」と少しお話をしていると、「引き違い戸」の隙間から〈かふん〉が現れます。  身体一杯に「雑草の小さな実」をくっ付けていますので、抱き上げて「雑草の小さな実」を取り除きます。  お腹の柔らかい毛も一緒に引き抜いてしまいました。  身体を捩って嫌がる〈かふん〉の眼には涙が溜まっています。  〈かふん〉ごめんなさい。  「雑草の小さな実」を取り除き手を離すと、早速〈かふん〉は『本棚に囲まれてダンボールが積み上げられた場所』に避難します。  突然、大きな音がして、アチコチにぶつかって破壊を繰り返しながら、本棚の上に不安定のまま置いてあった『中身が一杯に詰まったダンボール』が転げ落ちます。  何気ない様子を気取って〈かふん〉が現れます。  心なしか足が震えています。  「下敷きになったかも知れない恐怖」と「叱られるに違いないという恐怖」が入り混じった表情をしていました。  抱き上げて〈かふん〉の頭を撫で廻します。  始めは大人しくしていましたが、少し安心したのか抱いた腕からスルリと抜け出し「猫餌」を食べ始めます。  「杉の花粉」が『中身が一杯に詰まったダンボール』を再び本棚の上に不安定なまま置き直している間に、〈かふん〉は「引き違い戸」の隙間から逃げ出してしまったようです。  今日は叱るつもりはなかったのだよ!〈かふん〉。  座椅子の上で本を読み始めた「猫神」と少しお話をしていると何時の間にか眠ってしまいました。  気が付くと午前2時前で、体調が回復した「猫神」の姿は既になく、座椅子の上で〈かふん〉が身構えています。  「引き違い戸」の隙間を開けたままにしておいたので、「猫神」系一族の〈コイ〉が「犬餌」の袋をヒックリ返して食べています。  「こら!」と声を上げると「引き違い戸」の隙間から一目散に逃げ出しました。  大量に散らばった「犬餌」を外に掻き出します。  「はな(犬♀)」と「なる(犬♀)」が突然の食事に大喜びしています。  「猫餌」も食べ尽くされていましたから袋から補充しようとすると、袋の一部が食い千切られており、「猫餌」も部屋に散らばります。  「猫餌」は、勿体無いのでスクッテ何時も「猫餌」を入れている「缶カラ」にコッソリと放り込みます。  〈かふん〉が座椅子の上からジッと見ていました。  誤魔化すために保護色毛布を上にして布団を半分に折畳みます。  「〈かふん〉。おいで!」と呼ぶと直ぐにベッドに飛び乗り、大好きな保護色毛布の上で丸くなります。  起きた時には、散らばった「猫餌」をコッソリ「缶カラ」に放り込んだことは忘れているでしょう。多分。  今、こうして日記を書き始めた「杉の花粉」の後ろのベッドでは、〈かふん〉が保護色毛布の上で幸せそうな寝息を立てています。

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