「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

2007/11/07(水)00:23

女優に成りたい!?

寂光(56)

女優に成りたい!?  「生放送」を見逃してしまったので。  「録画配信」が開始される今日を・・心待ちにしてた。  何を?・・って。  「鳥居みゆき」生出演の「GyaO『超サンミュージック』」をっ!  司会は「髭男爵」とか云う、「貴族」と「執事」の格好した二人組み。  そして「ロリィタ族」とか云う、今風の女芸人がセットである。  その「ロリィタ族」と「鳥居みゆき」の対決  なんて・・アリフレタ番組進行なのだ・・が。  登場前から。  得体の知れない緊張に包まれた「生放送のスタジオ」・・を。  カルト芸「まさこ」で登場した「鳥居みゆき」は。  いとも簡単に、  彼女独特の「カオス」の中に・・放り込んで・・しまう。  圧巻は。  「ドチラの足が臭いの?対決」のとき。  解説途中の「髭男爵(貴族姿)」に。  ・・イキナリ・・とび蹴り。  「止めろ!真剣に鼻が折れるやないかっ!」  と・・すこおし本気で怒る「髭男爵(貴族姿)」。  それでも強引に対決が始まる・・と。  今度は・・「裸足」の爪先(つまさき)で・・「目潰し」攻撃。  「判った。私が・・足元にシャガムから」  と・・「髭男爵(貴族姿)」。  一緒にしゃがみ込む・・「鳥居みゆき」  「お前まで、しゃがんで如何するっ!」  なんて・・和(なご)やか?な会話の直後。  「ほーれ。匂いを嗅げっ。匂いを嗅げっ。このっ豚っつ!」  「髭男爵(貴族姿)」の鼻の辺(あたり)に。  「汚れた足裏」を「コレでもかっ!」ってくらい  擦(なす)り付け、踏み付ける・・「鳥居みゆき」  真剣に。  「髭男爵(貴族姿)」は・・「憮然(ぶぜん)」となった。  次の対決は「髭男爵(執事姿)」に任せる・・って。  しばらく・・『彼』は司会を放棄したのだ・・が。  突然。  「ごめん。何か知らんけど・・急に・・『涙』が出てきた」  と・・マジに目頭を拭う「髭男爵(貴族姿)」  それから・・彼の眼元は・・ズッと赤かった。・・貴族役の芝居?も忘れて。  前に見た「カンニング竹山」もそうなのだけれど。  すこおし、ゆーめいになった芸人が。  無意識のうちに「自分の番組を守りたい」って「甘え」を。  「鳥居みゆき」は・・残酷にも、木っ端微塵に打ち壊す。  「予定調和」の「生温(ぬる)いお笑い」にはない。  彼女の「笑い」は・・「狂気と破綻」である。  でも。  番組で彼女が披露(ひろう)した『一発芸』。  「人工移植の臓器が不足しているので、子牛の臓器を使いま~すっ」  って・・叫ぶなり、「四つん這い」になり。  「ドナ、ドナ、ドーナ。ド~ナ・・」  ・・・。  「一礼」するなり・・スタジオの隅に蹲(うずくま)る。  「髭男爵(貴族姿)」が慌てて駆ける付ける・・と。  身体を捩(よじ)りながら・・「やらなきゃ良かったっ!」  って・・「照れ笑い」を浮かべてた。  自分の置かれた状況を正確に把握しながらも。  意味も無く・・打ち壊す。  「パラノイア」を・・装(よそお)って。  そーいう意味では。  彼女の「芸」は、誰にでも出来る「芸」なのだろう。  そー判っても。  誰もすることが出来ない「芸」。  今の「げーのーかい」なんて処では。  「明石屋さんま」に。  「鳥居みゆき」を絡ませるなんて・・出来るンだろーか?  「さんま」の顔を・・「この豚野郎っ!」って踏み付ける。  でも。  生放送だから「さんま」は・・本気で怒れない。  ジーッと耐える「涙眼(なみだめ)」・・の「さんま」  診てみたい気もする・・が。  TV局は、絶対しねーだろーな。  「若手の芸」を批評(「弄(いじ)る」と云うらしい・・が)して、笑いを取る。  そんな「何の『芸』もない『さんま』」なのに。  何で、あんなに「偉っそう」にしてるの?  それに。  「若手芸人」も  「芸を磨く」んじゃなく  「弄(いじ)られ上手」になることだけに・・必死である。  だから「吉本の芸人」なんてチットも面白かねーんだよっ!  ここからは。  私に良くある「極論」になる。  「今晩は静かに眠りたい」なんて人は・・ここで止めちくれっ!  私は。  決して「タレント」なんて表現を使わない。  「Talent」は「才能」って意味だから。  そーして。  今は、猫も杓子(しゃくし)も「げーのーかい」なんてものに憧れてるよーだが。  私が卒業した高校の現代国語の不良教師は。  「お前らっ。『俳優』って意味知ってるか?」  「『俳優』って字を見てみろ」  「人に非(あら)ずして、優れたモノってこったっ!」  なんて・・授業中に脱線したことがある。  「芸能の民(たみ)」の歴史を振り返ってみると。  「白拍子(しらびょうし)」や「河原者(かわらもの)」なんて言葉が浮かんでくる。  「白拍子」ってのは「踊(おど)り巫女(みこ)」のこと。  貴族の屋敷で、舞い踊っては諸国を放浪する。  必然的に彼女たちは・・「春を売る」ようになる。  でもタダの「遊女(ゆうじょ)」ではない。  貴族に招かれる彼女たちは、極めて美しく、  「舞踏に秀でている」だけじゃなく「高い教養」も身に付けている。  だから。  人々に蔑(さげす)まれながらも貴族の妻にさえなっている。  「源義経(みなもとのよしつね)」が熱愛した「静御前(しずかごぜん)」は「白拍子」である。  当時の身分差別なんて、その程度のもの。非常に曖昧だったのだ。  それが、江戸時代になると。  「芸能の民」は、住居不定者ってことで「河原(かわら)」なんかに住まわされる。  だから「河原者」  「河原者」の身分は。  ご存知の通り、「士農工商」には当てはまらない。  まあ。  「天皇」、「公卿」、「坊主」に「神主」なんてのも「士農工商」身分制度の他なのだから。  「公卿」なんかと「同じよーなモノ」なのかも知んない・・が。  その「河原者」から「出雲阿国(いずものおくに)」って女性が「歌舞伎踊(かぶきおどり)」を始める。  現在の「ストリップ」のよーなものだったので・・非常に・・うけた。  でも。  「風俗を乱す」なんて理由で・・江戸幕府は「女(おんな)歌舞伎」を禁止する。  それから。  「歌舞伎」を演じるのは「男」だけ・・なんてことになった。  だから。  初代「市川團十郎(いちかわだんじゅうろう)」なんて「歌舞伎役者」は、「河原者」出身である。  それらの『血』は、今の「梨園(りえん)」まで脈々と受け継がれているのだ。  ここで「一言」云っておきたい。  「蜂須賀家」や「藤堂家」なんて「旧大名家」は、出生が明らかではない。  「出生が明らかでない」ってことは。  「間違いなく、明らかに出来ない出生」と云うことである。  「豊臣秀吉」なんて。  従兄弟(いとこ)に「石川五右衛門」が居る。  彼は「大盗人(おおぬすっと)」ってことになっているが、  「歴史公証」に煩(うるさ)い「NHK」の大河ドラマじゃ「河原者」として扱ってた。  今じゃ「名家」なのかも知んないが、  みーんな「河原者」か「夜盗(やとう)」の出身なんだろう。  そーして。  信じられないことだが「徳川将軍家」も出生は明らかでない。  「徳川家康」は「祖父」以降の系図しか証明されてはいないのだから。  今の同和問題に繋がる「身分制度」を勝手に作った張本人「徳川家康」の出身は、  如何も、街道で薬なんかを商う「河原者」だったらしい。  だから。  「如何に、今の「門地による差別」が意味の無いことなのか。」  如何か・・正確に理解しておいて欲しい。  ここで「芸能界」に戻る。  「世襲」を前提とする「梨園」に関しては、私が言及する処ではない。  彼等は、自ら求めて「梨園」に産まれた訳じゃないのだから。  そーして。  「芸能界」には、同和関係や在日の方々が多いのも事実である。  これは、戦後も混乱期を過ぎてしまう・・と。  「差別」が、「三度の飯」より好きな「日本人社会」では、彼等は、決して定職に着くことが出来なかった。  「芸能」なんて「浮世(うきよ)」に身を投じるしか、「生きて行く術(すべ)」がなかったのだ。  だから。  「梨園」や「一昔前の芸能界」の人々は、必死で『芸を磨いた』もの。  だから。  私は、絶対に差別なんかしない。  「みーんなの生活」に絶対必要な「娯楽」を提供する、「一つの職業」じゃないか  と・・思っている。  ただ。  これだけ豊かになった日本国で。  自らの意思で、そーして、自ら進んで「げーのーじん」になる。  だったら・・『芸』を磨けよっ!  「偉っそう」に、『人の芸』を『評論』バカリしてないで。  だから私は。  「さんま」のよーな「芸の無い芸人」に対しては、明確に差別する。  「生きてる価値ないんじゃないの?」  ・・って。  仕方ないじゃないか。  「包丁が使えない料理人」や「鉋(かんな)も使えない大工」なんて  「職人の世界じゃ『生きる資格』なんてない」のだから。  或る落語家が云っていた。  「あたしらは、『芸能人』じゃない。」  「『能』の無い『芸人』なんで、一所懸命『芸』を磨くしかありません」・・と。  「鳥居みゆき」を観て。  それを思い出していた・・終わりっ!  

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