「杉の花粉」の独断と偏見に満ちた愛読書紹介コーナー

2016/03/06(日)12:34

将来も歩くために、いまは少々苦痛でも、無理をしてでも、歩く?

 ここ数日、ぽかぽか陽気だったから  バイクに乗ってスーパーさんでお買い物。  ちょっと離れたスーパーさんに  久々に行ったところ  レトルト・カレー×4の袋入りが安かった。  べつのお店の大安売りのとき  SB製ホテルシェフ仕様って4つ入り廉価版カレー(辛口)を買ったのですが  具材がゴロゴロって感じでなく、むしろグチョグチョで何が入っているやら判らない?  具材の何が何だか判らないってのは、それは、それ。  ただ  単価100円を切るレトルトさんなのに、薬品臭くなくストレートに辛い。  そういう  味が何となく気に入っちゃいました。  ここに  おジャガやニンジンさんやタマネギさんや豚小間…失礼、牛小間さんを放り込み  レンジで10分くらいチンすれば、それなりに美味しくなる。  とってもお手軽な  レトルト・カレーをルー替わりに使った、自慢の一品です。  よければ、一度、挑戦してみてくださいな。ってほどの味でもないですけどね。  それなりに美味しいよ。  それからずっと、あたしのマイブームになるくらいには。  大安売りが終わっちゃいそうなとき  すさまじく売れ残っていた「辛口」を、4袋ほど大人買いしちゃったワケですが。  それに懲(こ)りたのか?  クソ・イオ…失礼、某スーパーさんは、それから「中辛」だけを、お店の片隅に積んで  二度と「辛口」を仕入れようとしない。  値段も  4つ入り360円くらいが、450円になっちゃった?  「中辛」は、炒めたタマネギさんが甘すぎるんだよ。  どれだけ  粉末唐辛子を放り込んでも、青臭い甘みが舌にじわぁっと拡がっちゃう。  ぐちゅぐちゅでろでろも、あたしは嫌いじゃないけど、さ。  ことカレーは  「辛口」の、ズボッと一気に突き刺してくる、あの爽快感がいい。  あたしにとって  カレーは、ほんと、もうこれしかないね!って感じだったので。  (…たとえ、ひとつ100円前後のレトルト廉価品としても)  それから、それから  わざわざamazonさんで探して  レトルト×4が2袋で989円ですよ、を買っていた。(一袋当たり494円)  それが  ずらっと棚一杯に347円(税込374円)だよ。  これはもう、大人買いするしかないでしょう?  7袋買いました。2,618円払いました。  レジのオバちゃ…失礼、お姉さんが  ねっとりとした、さも見下すような視線を向けてくれました。  ドMのあたしは、それも含めて、とっても嬉しかったです。  と。  あたかもレトルト三昧とも思(おぼ)しき  あたしの贅沢な食生活のようですが。  何と言いますか。  1本税込83円のダイコンさんを切り刻んで6つに分けて。  そのひとつに  火曜デーで、128円から98円に値引きされた横山食品さんの  「具だくさんがんも(2つ入り)」の、ひとつを放り込む。  味付けは  特売に税込203円で買った、生白みそ仕立て徳用「ゆうげ(10個入り」を、ひとつ分。  これを  15分ほどチンして生卵を放り込めば、すっごく、いや、それ相応に美味しかったり。  あと  キャベツやら、おジャガやら、タマネギさんやら、カボチャさんやら  安いときは、そればっかり食べていたり。  少しばかり偏っていますが、それなりに野菜は多く  お金の関係から必然的にお肉・お魚が少ない、健康で文化的な?お食事です。  クソ高いので、既存の冷凍食品さんは、ほとんど買「え」ません。  これからも  こういう素敵な食事を食べて、生きていくのでしょうね。  スーパーまで  颯爽と、いや、ちんたらバイクを走らせていると  道を変えるたび  お若い女性、お年寄りの男性などなど、やわらに表れては盲目的に直進していたり。  あれに  魔法使いの帽子とか、村長さんのシルクハットとか、被らせたら  まるでRPGに出てくる、ザコ…失礼、モブ・キャラ、いや、ムラビトさんみたい?  あたし、ゲームに詳しくないのだけど。  彼らに声をかけたら  教会は街の中心です。教会は街の中心です。教会は街の………とか  王様は東の王宮にいます。王様は東の王宮にいます。王様は東の………とか  今日はいいお天気ですね。今日はいいお天気ですね。今日はいい………とか。  決められた言葉を、ただ決められたまま、繰り返し教えてくれたりするのかな?  そういう不気味さを。  ひとりずつ、ひとりずつ、きちっと間隔を空けて  無表情に、ただひたすらに歩くを歩く、そんなヒトたちに感じちゃいました。  健康寿命を引き上げるには、ウォーキングが効果的。  かつて  十数分休まず歩き続けるのが、基本だったのだけど  最近の研究では、たとえ休み休みの5分だって3分だって  合算して何分か?で、健康保持の目安にしていいとか、いけないとか。  健康ヲタクでない、いや、むしろ健康を忌み嫌うあたしだって  それくらいは知っている。  だから寝たきりにはなりたくないと  いま、少々苦痛でも、歩いて、歩いて、歩くんですよ、ってヒトは  それは、それでいい。  あたしは文句なんか言わないよ。  ただ、ね。  歩いて、歩いて、歩いて  それで引き伸ばされた健康寿命で、何をするの?ってこと。  いやいや、当然に歩くのですよ、って?  う~ん。つまり  将来も、ただただ歩くために、いま、少々苦痛でも歩いている、と?  何と言いますか。  ………  とっても素敵な人生ですね。  怠惰極まりない、あたしが言うお話でもないでしょうけど。  健康寿命を引き上げて  お年寄りになってからでも十二分に動きたい、を目的にして。  その手段が  すなわち、1日10分でも20分でも歩くこと。  ただ  お年寄りになってからも、ただひたすら歩く「しか」目的がないとすれば  目的と手段が、全く以て、一致しちゃっていない?  つまりは  いま、わざわざ苦痛を感じてまで無理して歩く、が  将来の、苦痛を感じてまで無理して歩く、に直結しちゃっているワケで。  結局は…  健康ヲタクさんって、みんな、ドMってこと?  そこまで言わなくても。  歩いて健康寿命を引き上げて、伸びた余命を、これまた、ただただ歩いて費やしましょう。  そういう  彼らの健康への衝動に、どういう生産性がある?  山田正紀さんの『弥勒戦争』って作品に  声聞(仏の声を聞ける能力者?)である主人公に  学生運動クズレさんが問いかける場面がある。  「人生の目的とは、何なのでしょう?」と。  すると  主人公さんは、知り合いのお話として語る。  「生物の進化は、進化と特化に分けられるらしい。  たとえば  馬の蹄(ひづめ)は、早く走るには最適だが  引き換えに、モノを掴(つか)む機能を失った。  それは、進化なのか?特化なのか?  私たち人類は  多大な機能喪失と引き換えに、分不相応に大容量の大脳を持った。  そんな私たちなのに  いまだ人生の目的とは?なんて、疑問ばかりで答えの入り口すら見付けられない。  私たちの大脳を  進化の一過とするなら、まだ可能性がある。  けれど  進化の袋小路たる「特化」だとすれば  馬の蹄と同様に  この未熟な大脳はある意味、完全形。二度と元には戻せない。」  まあ  そんな感じですか。  あたしたち人類への進化が、大容量な大脳への特化だとすれば  いま未熟な大脳に、今後のバージョン・アップなんか望めない。  そういう  未熟な脳の創り出す幻影が、神さまだとすれば。  たとえ  あたしたちが神さまや仏さまになった、いや、すこしでも近付いたトコロで  現時点で解けない悩み「人生の目的とは?」なんて解きようがない。  と、まあ。  身も蓋もないお話です。  何と言いますか。  大好きなレトルト・カレーを大人買いして  お野菜を安く、お肉もお魚も出来るだけ安く、って  安く、安く、安くだけを考えて  今後の余生は、食事をただひたすら安く済ませるに徹して生きるのも。  無理をしてでも、ただひたすらに歩いて  歩く、歩く、歩くだけを考えて  今後の余生は、ずっと、ただひたすら歩くに徹して生きるのも。  それは、それでいい。  未熟な脳髄で、ああだこうだって  判るハズがないのに判ったフリで、ことさらエラっそぶるより、ずっといい?  将来も歩くために  いまは少々苦痛でも、無理をしてでも、歩く。  あたしたちの人生って  しょせん、そういうものなのかも知れません。  ちいさなことから、こつこつと…  いや、ちいさなことばかり、こつこつと、と言いますか。  厭離穢土欣求浄土と言いますか。  何を、どう考えて生きようと、そのヒトの自由。  ただ  どちらにしろ、答えを出せない未熟な脳髄で生きるしかないなら  現実を忌み嫌って、呪ってばかり生きるより。  どんな、しょうもないことでも  それに縋(すが)って生きた方が、よっぽど気楽じゃないですか?  大好きなレトルト・カレーを大人買いするのもいい。  将来の歩くを担保するために  顔を歪(ゆが)め、いや、無表情で、少々の苦痛を我慢して歩くを続けるのもいい。  人生を素晴らしいもの。素晴らしくある「べき」もの。  なんて夢想しちゃうのは  それこそ大脳が未熟な証拠なんじゃない?  ちょっと周りを見渡せば  幸福な「だけ」の人生なんて、どこにも存在しないって判るでしょう?  あるがままを見て、できることをする。  あたしたちって  それ以上でも、それ以下でもない、って気がしませんか?  それは  レトルト・カレーでもいいし、歩くために歩くであっていい。  そういう  チマチマ…失礼、こまごましたことで嬉しがれる、かどうかは知りませんが。  すくなくとも、そんな自分を、問答無用で肯定しちゃう。  そういう生き方って  それはそれで、どこか素敵だと思いませんか?

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