カテゴリ:正子公也の『水滸傳絵詞』
![]() 「なかなかうまい。見世物にはちょうどよい」 九匹の竜の刺青をしたその若者は、棒の手をやめ、声のした方にゆっくりと振り向きます。 「──客人。いま何と申された」 その眼は、挑戦的で傲慢で、しかし熱く気高い、竜の眼でした。王進(おうしん)は何か得体の知れない大きな力に、引き寄せられるのを感じました。かくて王進は、この若者に、武芸十八般、己の知りうる総ての秘奥を伝授することになります。 天に散った百八つの星が、地上に宿命した最初の男──史進(ししん)。あだ名を“九紋竜(くもんりゅう)”。流浪の武芸者王進との運命的な出会いによって、浪に跳る蒼き竜児は、天をつらぬく玉竜へと成長してゆきます。 絵と文★正子公也 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006年12月02日 00時20分17秒
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