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しかし、『絵巻水滸伝』には『論語』や『孟子』など儒教の教典に書かれた言葉もたびたび引用されています。 「仁者は憂えず、勇者は懼れず」 「剛毅朴訥、仁に近し」 「義を見てせざるは勇なきなり」 四巻に引用されたこれらはすべて、『論語』に出てくる言葉です。孔子の言葉とは知らなくても、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。 白虎山の二星、孔明と孔亮の兄弟は青州孔家。孔子の嫡流である曲阜孔家から見れば傍流ですが、孔子の教えを厳格に守り、子孫に伝えています。 『論語』というと、堅苦しい道徳の本──と思われるかもしれませんが、それは後世の学者の解釈や、政治に都合よく利用されたためかもしれません。孔子が語ったとされる言葉は、どれも簡潔で味わい深く、真摯な含蓄に飛んでいます。二千五百年の時を経ても、色あせることはありません。機会があれば、ぜひ読んでみてくださ い。 なお、“孔家縄術”の技の名前、「子路宿門」、「顔回問仁」、「宰予晝寝(ひるね)」、「子貢守冢」も、『論語』の文章中から取られた言葉です。 (※仁者は憂えず、勇者は懼れず……の前には、本当は“智者は惑わず”がついています。呉用が決して迷った顔を見せないのは、やはり智者であるからなのでしょうか) 絵巻水滸伝(第4巻)(第二十七回 二竜山より) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007年04月28日 13時20分22秒
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