正子公也から、『絵巻水滸伝』読者の皆様へ
いつも応援、ありがとうございます。今日は、『絵巻水滸伝』の読者の皆さまに、悲しいお知らせをしなければなりません。このたび『絵巻水滸伝』の第六巻以降の定価が、今までの2,500円から、3,500円に値上げされることになりました。『絵巻水滸伝』を出版するに当たって、おもしろく、安く、素敵な本にしたいと、僕は当初、価格を2000円以下にして欲しいと出版社に申し入れました。魁星出版さん(この時は未だ社名も決まっていませんでした)も賛同してくだり、なんとかその価格を実現しようと努力していただいたのですが、どう見積もっても2500円が限界という結論に達したのです。それでも、何10万部も売れている本は別にして、大判でフルカラー(平均254ページ)でこの価格は、かなり勇気のいるものでした。つまり、これは増刷を見込んでの値段設定だったのです。森下先生と僕が、思いのほか売れ行きが芳しくないという報告を受けたのは、昨年の11月14日でした。まさに青天の霹靂でした。魁星出版さんの方ではもっと以前から分かっていたのですが、まだ刊行中であり我々の連載も終わっておらず、気落ちしてモチベーションがさがることを懸念してのご配慮から、報告が後回しになったのでしょう。このままでは値上げやむなし、とのお話しに、森下先生と僕は「僕たちも作品を作るほかに、何かできることはないだろうか」と考え、いくつかを実行に移しました。そのひとつがこのブログでした。さっそく翌日15日から始めて、以来、今日まで毎日なんとかやってまいりました。また、魁星出版さん、キノトロープさんも一丸となって知恵を絞り、某編集者さんの言葉をお借りすれば「『絵巻水滸伝』に詰まった思いの、熱を広める」という努力を全力でやっていただきました。力及ばず、十巻を最後まで刊行するためには、値上げせざるを得ないということになってしまいましたが、魁星出版さん、キノトロープさんには心から感謝しています。もともと、『絵巻水滸伝』の値上げ回避を目的として始めた当ブログですが、始めてみると皆さんの生の反応がとても温かくて楽しくて、ともすればネガティブになりがちなときに、たいへんな励みになったのです。これは皆さんから頂いた、意外な、うれしいプレゼントでした。ですから読んでくださる方がいらっしゃる限り、僕たちはできるだけこのブログを続けて行こうと思います。第六巻以降は作者としては、とても買ってくださいとお願い出来る価格ではありません。魁星出版さんには、全国の図書館に置いていただくよう交渉をお願いしたのですが、全十巻揃いでないと手配は困難とのことでした。しかし、利用している図書館に個人がリクエストすれば、シリーズ刊行中のものであっても、かなりの確率で入れてくれるようです。僕も学生の頃、高くて買えない本があるときは図書館のお姉さんに頼むと、必ず入れてくれました。皆さんも是非、ご近所の図書館や学校の図書室へ行って、リクエストしてみてください。僕たちにとって、より多くのかたに読んでいただけることに勝る喜びはございません。どうか、よろしくお願いします。全十巻は必ず刊行し、今後これ以上の値上がりもないということを、魁星出版さんはお約束してくださいました。連載中の最新のものも、今までどおり、キノトロープさんのご厚意により、水滸伝サイトにて無料でご覧いただけます。『絵巻水滸伝』がここまで続けてこられたのも、ひとえに皆様の応援のおかげです。どうかご理解いただき、今後とも変わらぬご声援をお願いいたします。 平成19年1月25日 正子公也全十巻ご予約のかたには、第六巻以降のキャンセルを受け付けております。ご不明な点等、お問い合わせは魁星出版まで、お願い致します。魁星出版株式会社http://www.kaisei-pb.co.jp/〒112-0014東京都文京区関口1-47-12江戸川橋ビル3階Tel:03-5225-1241 Fax:03-5228-7160E-mail:info@kaisei-pb.co.jp