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カテゴリ:書籍 伊坂 幸太郎
[登場人物] 千葉・・・いわゆる死神。仕事をするときはいつも雨が降るジンクスを持つ。 藤木一恵・・・"死神の精度"のターゲット。苦情係。執拗なクレーマーに悩む。 藤田・・・"死神と藤田"のターゲット。いまどき珍しい任侠。 田村聡江・・・"吹雪に死神"のターゲット。夫婦ともに死神に取り付かれている。 萩原・・・"恋愛で死神"のターゲット。近所の女性に片想いをしてる。 森岡・・・"旅路を死神"のターゲット。殺人を犯し、逃亡中。 老女・・・"死神対老女"のターゲット。死期を悟り、死神を見つめる女。 [物語] 人間に事故や病気による死を与える死神。彼らは保険会社のサラリーマンのように対象を調査し、その運命を決定付ける。 死神はたいていの場合、人間のミュージックを愛し、CDショップの試聴コーナーでいつまでもたたずんでいたりするのは たいてい"千葉"かその同僚らしい。 ・ターゲットの"声"を聞きたがる執拗なクレーマーに悩むターゲットの意外な運命を描いた"死神の精度" ・ヤクザの抗争に巻き込まれながら、その男気や逆に裏側の汚さを浮かび上がらせる"死神と藤田" ・あたかも本格推理小説のような舞台設定の中、死神同士の思惑が交錯する"吹雪に死神" ・不器用で淡い恋愛と突然の幕切れが切ない"恋愛で死神" ・身勝手な若者とそれを創り上げた悪劣な環境。しかし、真実を知ったときには彼には死神がついていた、"旅路を死神" ・数奇な運命から、死期を悟り、死神に最後の願いを託す老女との静かな交流"死神対老女" [感想的なもの] 「陽気なギャングが世界を廻す」「魔王」の伊坂幸太郎。 去年の福井晴敏に引き続き、今年はこの人がくる様な気がするのだけど如何だろう。 この人の特徴は会話の巧さ、そして特異な能力。 今回も姿かたちは立派な大人な死神が、人間の言葉を完全には解さず、暗喩や比喩をそのまま返して空回りしたり、 意外と人間でないことをぽろっと出したりするところがキュートだった。 とはいえ、見所はそんなところか。 本格的にミステリに走るでもなく、恋愛物やハートウォーミングなモノも織り交ぜ、軽い娯楽作品に仕上げてある。 読んでてインパクトがあるわけでもなく、どこかベタな感じ。 特異なシチュエーション、巧みな会話などいいものは持っているので、まだまだこれからがんばってほしい作家 ではあると思うにとどめておく。 [オススメ度] ★★☆☆☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年03月14日 23時29分37秒
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