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カテゴリ:書籍 東野 圭吾
[登場人物] 長峰 重樹・・・絵摩の父 長峰 絵摩・・・被害者。高校生 織部・・・警視庁刑事 真野・・・警視庁刑事 和佳子・・・長野のペンションのオーナーの娘 菅野 快児・・・犯行グループのリーダー 伴崎 敦也・・・犯行グループの一員 中井 誠 ・・・犯行グループの一員 [物語] 花火大会の夜、高校生の娘・絵摩が行方不明となる 数日後、荒川の河川敷に死体となって発見される 悲しみに暮れる父だったが、謎の密告電話により犯人の手掛かりを得て、アパートに忍び込むとそこで、娘が少年らに襲われ、玩ばれる姿が映ったビデオを発見する 事件の真相を知った父は、現行の少年法によって少年たちが"保護"されるのをきらい、自らの手で事件を終結させるため、動き始める [観想的なもの] 久しぶりに東野圭吾作品をチョイス 主なテーマは少年法の限界と被害者感情 少年なんだから間違いは処分ではなく、更生させて真人間にして社会に戻す、という"理想"はすでに現実に即さなくなっている 少年法で守られてるが故にグレーゾーンを堪能するものやもっと早く矯正しなければいけないのに成年になるまで見逃されてしまうものなど少年側の問題も多い また、被害者側にしても相手が大人なら処分があるが、少年犯罪なら罪に問えないとなると光市母子殺害事件の遺族が一時口にしていたように自らの手で処刑するから早く更生施設から出してくれということにもなりかねない。 少年だから勘弁してやってほしいというのは、加害者や国側の言い分であって被害者の心情にはそぐわない 少年に甘い少年法は結局少年にも被害者にも不利益を出しているように思える あとは作品自体について感じることは、プロットが宮部みゆきの「スナーク狩り」に似ているなと かなり昔に読んだので記憶があやふやだけど復讐もので、猟銃を使ってるところまでは一緒だったと思う また、長峰以外の被害者鮎川を終盤まで不確定要素として残しているあたり、なんとなく新聞や雑誌での長期連載だったのかなぁと思ったりもした 話の展開として、結末がそれほど選択肢がないため、そのへんは苦労したのかなと(結末に意外性を求めるのはミステリを読みすぎてるからかも。これはミステリでなく社会派小説だったし。) ついでに、タイトルの「さまよう刃」の刃が当初は、復讐の遂行に揺れる長峰重樹の心情かと思っていたが、最終的には立場上長峰と対立せざるを得ない警察側が、ちゃんと自分たちが正義の実現のために役立っているのだろうか?と疑いを持つところだったのが秀逸。 [採点] 人物描写 ★★★★★ 世界観 ★★★★☆ 物語 ★★★★☆ 技術 ★★★☆☆ インパクト ★★★☆☆ 総合 ★★★★☆ [言葉の精髄] ・自分たちが正義の刃と信じているものは、本当に正しい方向を向いているのだろうかと織部は疑問を持った。向いていたとしても、その刃は本物だろうか。本当に「悪」を断ち切る力を持っているのだろうか。 http://mutsugoro.myminicity.com/ ←こそっとワンクリック お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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