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酔生夢死

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2009年05月17日
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カテゴリ:書籍 五十嵐 貴久



[登場人物]
秋月 孝介・・・大角観光の人事担当。
関口 純子・・・大角観光の元社員。秋月の犯行を手伝っている

佐山 憲明・・・日本の総理大臣
佐山 秋子・・・憲明の妻
佐山 百合・・・憲明の孫娘。中学生とは思えぬほど聡明。

荒巻 啓秋・・・警視。警視庁捜査一課特殊捜査班班長
星野   ・・・警部。警視庁捜査一課特殊捜査班


[物語]

メインバンクの裏切りにあい、不本意ながらリストラの矢面に立つ秋月孝介は、家族ぐるみでの付き合いもある恩人にクビを言い渡す

気丈だと思われた恩人は、それを苦にあっさりと一家心中

孝介の娘の親友であった恩人の娘は一命を取り留めるが、重体のまま意識が戻らない

事情を理解せず、父の非情を責めた娘は発作的に自殺してしまう

仕事も辞めすべてを失った孝介は復讐を誓う


韓国との歴史的な会談を控えたある日

日本の総理大臣が溺愛する孫娘が誘拐される

犯人の要求は、韓国のとの条約の締結の破棄、そして"活動資金"30億円

即座に北朝鮮の犯行と判断した警察上層部は、誘拐事件のスペシャリスト・荒巻警視を召喚するが、韓国大統領の来日を数日後に控え、誘拐事件に割ける人員は、いくらもいない

犯人と警察の頭脳戦が幕を落とされる


警察側との接触に慎重になる孝介は、一般市民を介した接触を試みる

手当たり次第に電話をかけ、警察に要求を伝えるよう依頼する

わずか数パーセントの確率ではあったが、律儀に警察に通報する市民のおかげで犯行は進む

徹底的に痕跡を残さない犯人に対し、後手を踏む警察

身代金の要求を呑み、犯人の要求通り成田方面に金を乗せた車を走らせる警察

犯人は現れず、逆に人質が無傷で保護される

しかし、そこからが誘拐事件の第二幕の始まりだった

韓国大統領来日中になんとか孫娘を取り返した佐山は、無事条約を締結

しかし、その後の会見でうっかりと"特定の銀行"を名指しで経営不安があると指摘

金融パニックが発生し、名指しされた金融機関は倒産間際まで追い込まれる

佐山総理は、再度孫娘が誘拐されたくなければ、この特定の金融機関が危ないという情報を公表するよう犯人に指示されていた

その事に気がついた、星野警部は、その金融機関=孝介の会社を裏切った銀行の株を大量に売買している個人を特定し、やがて秋月にたどりつくのだった

しかし、そうしてもなお残る謎は、佐山の孫・百合が何故孝介を選んだのか?

実は犯行を行う際に、どうしても佐山の孫・百合の協力なくしては実行できないミッションがあったのだった

そして、秋月の娘、恩人の娘、そしてもう一人の親友の正体が明らかにされる


[観想的なもの]
犯罪小説としてはかなりの出来。これまで読んだ小説の中でベストテンには入る

同作者の作品では、「交渉人」「土井徹先生の診療事件簿」があるが、これはピカイチ。

息をつかせぬ展開で、次々と警察を翻弄し、これまでにない誘拐事件を演出する

劇中、「誘拐とは信頼が必要な犯罪だ」というのが印象的

警察は犯人がなにがしかの要求をしてきてしかるべきと思うし

犯人は要求を出せば、被害者側はそれにできうる限りこたえるべきと思う

そして、犯人は身代金と交換に人質を解放すべきだとも思う


ただ、犯人は誘拐時には圧倒的に有利な状況にいるわけだから、身代金の要求はいつしてもいいし、極論では身代金を受け取っても人質を返す云われもない

確かに身代金を受け取る際は、人質を返すと約束はするのだろうが、すでに犯罪者である犯人がそれを律儀に守る必要はどこにもない

誘拐はよく身代金の受け渡しの時が唯一犯人と接触できる機会で、犯人側としては一番危険だといわれる

逆に言うと、身代金の受け渡しと称し、警察やら被害者を好きなように動かして、飽きたら人質を処分し、連絡を断てば、おそらく完全犯罪になるのではないか

身代金を用意すれば、必ず人質が帰るというのは、幻想にすぎないのだ

同時に犯人はお金が必要だから必ず要求を出し、それを受け取りにくるというのも


主人公であり犯人の秋月孝介は、完全犯罪を目の前にしながら、半ば確信的に自らの痕跡を残し、星野に追い詰められる

自らの能力を誇示しながら、それでも犯行に加わったメンバーに容疑が及ばないために

その"メンバー"は、この事件に欠かせないパーツを構成し、しかも絶対に疑惑が及んではならない人物

何かのために罪を犯し、しかも、その何かは明らかにせず自ら罪を背負っていく

むっちゃかっこいいやん。

このへんもツボなんだよね























最終更新日  2009年05月23日 21時47分45秒
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