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カテゴリ:書籍 真保 裕一
![]() [登場人物] ・山添 真穂・・・鈴膳の店員。ある男に復讐するため、鈴膳百周年フェアの最終日に手切れ金代わりに高級商品を奪う計画を立てる ・赤羽信・・・鈴膳の警備員。真穂の彼氏。元々は鈴膳の敏腕営業マンだったが、無分別に商品を押し売り、顧客が相次いで自殺。しかし、鈴膳を愛する故に裏方として支える ・半田良作・・・警備部門の生き字引。戦時中鈴膳の炊き出しで命を長らえたことから生涯を鈴膳のために費やす愚直の人 ・加治川英人・・・仕事と家族を失い、所持金も尽き、最後の地としてこどものころの幸福な記憶を宿すデパートへ向かう ・コージ&ユカ・・・家出中の中学生カップル。所持金が尽き、鈴膳に忍び込む ・塚原仁士・・・元警官。ヤクザにはめられ、警察を追われ、ヤクザにも追われている。最後の切り札としてUSBメモリーを胸に鈴膳に乗り込む ・矢野純太郎・・・鈴膳創業者の4代目。不祥事により傾いた鈴膳と新興デパート伊住屋をスムーズに合併させるためだけに担ぎあげられた御曹司 [物 語] 氷雨の中、老舗デパート"鈴膳"は創業百周年フェアを開催していた 鈴膳は風格こそあるものの、経営的には前社長が失敗し、さらには秋浦支店で、現役市長への贈収賄事件が発覚し、完全に傾いていた 華々しく行われるはずだった創業百周年も閑古鳥が鳴く始末で、最終日を迎えようとしていた そして、その夜事件は起きる [観想的なもの] 登場人物の多さを見てもわかるが、多種多様な人間がそれぞれの思惑を持って深夜のデパートに集まるという群像劇 暗闇の中で、それぞれが自分しかいないハズと思い込んだ状態で、次から次へと事件が連鎖し、徐々に収斂していく そのあまりのまとまり方にどうかとは思うけど、エンターテイメントとしてはギリギリありなのかもしれない 映画化とかも合うかもしれない ただ、帯の文句にあるような『名作「ホワイトアウト」を超える、緊張感あふれる大展開!』ではないな。 最後の最後の半田良作のエピローグはめっちゃよかったけど、ホワイトアウトには及ばない 真保裕一は、当初の公務員三部作とか「奪取」とかは骨太な展開、緻密な取材などとても好きだったのだが、どうしてしまったのか 残念
最終更新日
2009年11月28日 23時45分35秒
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