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酔生夢死

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全8件 (8件中 1-8件目)

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書籍 有川 浩

2012年02月26日
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カテゴリ:書籍 有川 浩
[登場人物]
掛水 史貴 県庁おもてなし課職員。主人公
明神 多紀 県庁おもてなし課アルバイト。
吉門 喬介 土佐出身のベストセラー作家
清遠 和政 かつて高知県職員。パンダ招致論提唱者
清遠 佐和 和政の娘


[物  語]
高知ではかつて観光行政の起爆剤として高知県立動物園と高知市立動物園の統廃合を機に西日本初のパンダ招致を企んだ男がいた

しかし、当時の行政にはそのアイデアを受け止めるだけの度量がなく、パンダ招致論提唱者は県庁を追われた

それから20年後

県庁に観光を総合的に取り扱う「おもてなし課」ができ、主人公掛水史貴は、そこへ配属される

右も左もわからぬまま、他県の取り組みを参考に観光大使を任命し、県庁なりに動いてみるが、観光大使のひとり吉門喬介から小馬鹿にしたクレームが入る

曰く、民間感覚がない

当初、吉門の対応に困惑したおもてなし課一同だったが、観光大使のプロジェクトは徐々に吉門の指摘したとおりトラブルを抱えていく

どうやら吉門には、アプローチの仕方に難はあるものの、悪意がないことを察した掛水は、真摯に吉門に助けを求め、かつてのパンダ招致論提唱者のことを聞き出す

同時に、民間感覚を取り込むため、県庁内でアルバイトをしていた明神を巻き込み、おもてなし課は動き出す

かつてのパンダ招致論を提唱した男と吉門の関係やベタ甘ラブストーリーを得手とする作者が本領を発揮する掛水と多紀のやりとりなどが展開していく


[観想的なもの]
ベタ甘なラブストーリーと「図書館戦争」のようなシリアスなテーマをミックスする有川浩の作品

あとがき的なものを読むと実話をモデルとしているらしい

作品中でいうところの吉門が有川自身で、観光大使の依頼が来たが、行政の動きがのろい、不親切極まりない、どうにか故郷のために力になるためには、このやりとりを作品に生かせないか、とまんま小説のような展開

ちなみにパンダ招致は作者の父が酔っぱらうとよく話していたことで、その辺からヒントを得たらしい


行政が何に縛られているのかもわかり、結構面白いし、外から見た歯がゆさもわかる

娯楽作品なので、最終的には解決策がみつかり、うまくいくようにはなっているんだけど、実際はわけのわからないローカルルールで足引っ張られてうまくいかないんだろうね

行政に限らず、大きなプロジェクトが回るためには、決定権者まで全員が、そのプロジェクトにポジティブでなければ動かない

中にトンチンカンな輩がいて企画の意図が分からないけど、わからないからこそ反対したり、仕事が増えるのを厭がって反対する輩もでてくるので、結局無難な形でしか決着しない

それでいてそんな無難な形なんて誰も求めてはいないわけだ


作中の県全体をアミューズメントパークにしてしまうってのは結構面白いかもしれない

天然の観光資源が点在しているから肝心なのは交通網かなと思うけど、作中では、不便を楽しむのも観光だってことで優先順位は食事・トイレ・情報提供のほうが上だったけど

予土線とか半端なく大変な路線だけど、それを楽しむ不便ってのがちょいと・・・

全体的にはラブストーリーあり、掛水の成長ありで、文章もよかったし、やっぱり有川浩すげーって感じです。














最終更新日  2012年02月26日 12時23分22秒
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2011年02月19日
カテゴリ:書籍 有川 浩
[登場人物]
春川 巧・・・小劇団「シアター・フラッグ」主宰。激しい引っ込み思案だったが、演劇に出会い才能を開花させる

春川 司・・・通称「鉄血宰相」。やり手サラリーマン。巧の兄

羽田 千歳・・・人気声優。演劇を学ぶため「シアター・フラッグ」に参加
早瀬 牧子・・・看板女優
石丸 翼・・・忠犬石丸
小宮山了太・・・二枚目担当
清水 スズ・・・うっかりスズべぇ
茅原尚比古・・・ニックネーム・マスター
秦泉寺太志・・・丸いペニシスト
大野ゆかり・・・なにわリアリスト
黒川 勝人・・・熱血担当


[物  語]
春川巧率いるシアターフラッグが窮地に陥り、兄・司に助けを求め、司は巧たちに演劇を続けることを諦めさせるために、あえて条件付きで活動資金を提供する

その条件は2年で借金300万円を完済すること。できなければ解散

"鉄血宰相"司のサポートもあり、それまで漫然と同好会の延長で活動していた劇団員はそれぞれが劇団のために動き出す・・・「シアター」

この流れを継ぎ、今回は後半編のようなもの

相変わらず、司の出したハードルを必死にクリアしようとする劇団員はそれぞれが事情を抱え、最後の公演へ向けて走り抜け・・・そうなところで次作につづく。


[観想的なもの]
前作「シアター」自体が面白く、2年の約束だったのに1年分で終わってしまっていたので、残念と思っていたら、きっちりと続編というか、2冊目登場。そして、ここでも完結しなかったので3冊目も確定

「シアター」は有川浩にしては、恋愛パートが少ないなと思っていたら、今回の「2」では、ばっちりベタ甘展開

劇団内が、しっちゃかめっちゃかになるくらいどこもかしこもピンク色になってしまい、まぁ、有川浩だし。。。ってことで何とか消化

前回は司目線だったかな、比較的視点がぶれてなかった気がするのだが、今回は各劇団員視点のパートが用意され、それぞれの視点から物語が展開される

そんなこともあって、それぞれの劇団員が想いを吐露し、恋愛モードがさく裂

「2」の終わりでは、だいぶ恋のさや当ても落ち着いてきたので「3」はまた、シリアスに劇団モードに戻るのだろうか

どちらにしても次回作にも期待











最終更新日  2011年02月19日 15時09分53秒
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2010年09月27日
カテゴリ:書籍 有川 浩

シアター!

[登場人物]
春川 巧・・・小劇団「シアター・フラッグ」主宰。激しい引っ込み思案だったが、演劇に出会い才能を開花させる

春川 司・・・通称「鉄血宰相」。やり手サラリーマン。巧の兄

羽田 千歳・・・人気声優。演劇を学ぶため「シアター・フラッグ」に参加
早瀬 牧子・・・看板女優
石丸 翼・・・忠犬石丸
小宮山了太・・・二枚目担当
清水 スズ・・・うっかりスズべぇ
茅原尚比古・・・ニックネーム・マスター
秦泉寺太志・・・丸いペニシスト
大野ゆかり・・・なにわリアリスト
黒川 勝人・・・熱血担当


[物  語]
「売れない役者」だった父が残した唯一の功績により、役者の道に嵌った春川巧は、客が呼べる小劇団主宰でありながら、慢性的な財政危機に見舞われ、これまたいつものとおり、堅気の兄に援助を申し出る。

その金額三百万円也

兄・司は、弟に最後通牒を突きつけるべく、2年以内の完済ができない場合は劇団の解散を条件に出資することに

しかし、そこは鬼になりきれない司は、条件の厳守を命じるとともに、自ら経理担当としてシアター・フラッグを立て直すべく乗り込んでいく

この「鉄血宰相」をメンバーに加えた新生「シアター・フラッグ」の行く先は


[観想的なもの]
ベタ甘ラブストーリーや、「図書館戦争」シリーズの有川浩の作品

コンパクトな作品で、普段あまり接する機会のない小劇場の内幕をこの作者にしてはややシリアスに描き出している

小劇団ってこんなもんじゃん、ってぬるま湯につかっている劇団員と外からやってきた経理のスペシャリストの対決っていうか融合?

司の打つ手が次々と決まって、どっちかというと司寄りで見ていたので、どんどん再生していくシアター・フラッグや劇団員を見ていると子供の成長を見ている親のよう

カテゴリー的には群像劇で、有川浩のだと「キケン」とかと同じかな

あれもなかなかよかったので、有川浩の追っかけはしばらくやめられそうになさそう









最終更新日  2010年09月27日 10時20分44秒
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2010年08月11日
カテゴリ:書籍 有川 浩

キケン 著:有川浩

[登場人物]
上野 直也・・・【機械制御研究部(=キケン)】部長。通称「成南のユナ・ボマー」
大神 宏明・・・キケン副部長。通称「苗字を一文字隠した大(魔)神」
元山 高彦・・・主人公。キケン一回生。実家が喫茶店。通称「お店の子」
池谷 悟 ・・・キケン一回生。田舎育ち。おおらかで元山の相棒


[物  語]
某県某市に存在する成南電気工科大学

新入生元山がこの取りたてて特徴のない大学に入学したことから物語が始まる

調子のいい先輩(上野)の強引な勧誘に撃沈した元山と池谷は【機械制御研究部】通称「キケン」に入部してしまう

これにより後に伝説となって語り継がれるキケンの黄金時代が到来するのであった


部長の上野は「成南のユナ・ボマー」と呼ばれ、幼少のころから火薬に親しみ、幾多の爆破事件を犯しているが、かろうじて塀のこちら側で生活している危険人物

副部長の大神は、その風貌から大(魔)神と呼ばれているが、実はキケン一の良識派で、キケンのお目付け役

彼らを筆頭に青春を謳歌するキケン部員たちの活躍(暗躍?)を生き生きと描き出す



[観想的なもの]
さわりと上野の武勇伝でかなり「キケン」な話になるのかと思いきや、テーマは、学園祭やロボコンとわりと「常識的な」おはなし

まぁそれでも、お上品な学生生活とはいえないものの、スリリングでちょっとだけ常軌を逸しただけの(笑)青春劇といったところ

それもこれもひとえにお目付け役の大神青年の絶妙なるかじ取りのおかげかな

ハードカバーだけど、ジャンル的にはライトノベルって感じかな

軽さが結構好きかも。これきっかけで有川浩に惚れ直し、いろいろオーダーしちゃったし。

きれいに終わっちゃってるので、続編は難しいだろうけど、同じようなテイストのものはあったら読みたいな、みたいな







最終更新日  2010年08月21日 19時29分23秒
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2009年11月28日
カテゴリ:書籍 有川 浩

植物図鑑 / 有川浩

[登場人物]
河野さやか・・・本編主人公。ある日マンションの玄関先で生き倒れの男の子を拾う

イツキ・・・さやかに拾われた男の子


[物  語]
一人暮らしのOL・さやかは飲み会の帰り、玄関先でいきだおれとなっている男の子を発見する

「お嬢さん、よかったら俺を拾ってくれませんか?」

「咬みません、躾のできたよい子です」


酔った勢いで男を部屋に上げると無防備にもそのまま泊めてしまう

翌朝、一宿一飯の恩とばかりに用意された朝食に心を射抜かれたさやかは男の子(イツキ)を同居人として迎え入れる

イツキはただ料理をするだけでなく、食べられる野草にめっぽう詳しく、二人は週末になると野草を"狩り"に行くことがライフワークになっていく

素性を明かさない男と詮索することで今の関係を壊せなくなってしまった女

さやかはイツキと結ばれるが、その幸せが最高潮に達した時、イツキは姿を消す

イツキの正体とは?

イツキが抱えていたモノとは?


[観想的なもの]
ベタ甘ラブストーリーの名手・有川浩の作品

テーマは「女の子の旅と冒険」らしく、そのわりにはご近所だってよく見ればワンダーランドみたいな態の作品となっています

あとは、「天空の城ラピュタ」の逆で女の子の前にある日突然(イケメンの)男の子が落ちてきたっていいじゃん、というところからスタートしているらしいです

ストーリーはベタ甘っていうか、ラブストーリーの王道で「出会い」→「障害を乗り越え結ばれる」→「別れる」→「再会」という韓流も真っ青のど真ん中です

ま、いいんですけどね♪

小説で扱っているのはいわゆる「草食系男子」ってやつで、イツキは拾われた経緯からさやかに手出しができない設定なわけで

その辺を意識させる仕掛けとして山菜を"狩り"に出かけたりと、さやかが肉食系を思わせるような漢字をわざわざ使ってたり

あまり、テーマが主張しすぎないところが最近のドラマと比べると好ましいかな


もうひとつのテーマである山菜料理のほうも、読んでいるだけで楽しそうで「クッキングパパ」や「今日何食べた?(よしながふみ)」みたいで、実際に作るわけではないけど、美味しそうだな

「図書館戦争」シリーズみたいに重くはない分、中高生とかには受けそうな気がする





















最終更新日  2009年11月29日 17時21分56秒
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2009年11月01日
カテゴリ:書籍 有川 浩

フリーター、家を買う。

[物語]
二流大学出の武誠治は、そこそこの会社に入社するも社風が合わず、三か月で退社

その後、就職活動もそこそこにアルバイトを転々とし、いつしか立派なフリーターと化していた

そんなある日、母が壊れる

開業医に嫁いだ鬼姉が舞い戻り、一家が住みだしてから20年近く、隣近所から悪質な村八分に遭っていたこと

能天気な父と誠治はそのことに気が付いていなかったこと

母の病気の治療には根気と時間が必要なことを怒鳴り散らす

母の病気を治すためには、今の環境を脱しなければいけない

母の惨状を目の当たりにした誠治は目を覚まし、昼は就職活動、夜は肉体労働と社会復帰を目指す

病気に理解のない父親を説得し、無事に引っ越しにこぎつけることができるのか


[観想的なもの]
「図書館戦争」の有川浩の作品

タイトルからフリーターが物件探しをして、ローンを組んでというあたりの紆余曲折を交えて紹介するのかと思いきや、うつ病の母親とそれを支える生真面目な坊ちゃんの奮闘ものだった

ネタばれすると結局家を買ったのは父親だったし^^

ただ、フリーターが就職するためにはどうすればいいのか、とか

現状に甘えるフリーターが、そのことに気が付いていく過程とかは読んでて面白かった

この作者のカラーとしては、ベタ甘ラブストーリーとシリアスな社会派がうまいことミックスされているところなのかなと勝手に思ってるんだけど今回はシリアス度満点で、でもしっかりエピローグでベタ甘路線もしっかり押さえていて◎

まだ、図書館戦争シリーズしか読んでいないので、しばらく有川ワールドに没頭してみやうか





















最終更新日  2009年11月01日 16時48分56秒
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2008年05月23日
カテゴリ:書籍 有川 浩

別冊図書館戦争(1)

[登場人物]
笠原 郁・・・図書士長→三正。体育会系女子
堂上 篤・・・二等図書正→一正。郁の元"王子様"。現彼氏&上司

小牧幹久・・・二等図書正→一正。堂上班の頼れる副長
手塚 光・・・図書士長→三正。堂上班員。柴崎との仲は???

柴崎麻子・・・図書士長→三正。試行情報部所属?。郁と手塚を手玉に取る乙女

中澤鞠江・・・小牧の幼馴染で恋人。


[物語]
「図書館革命」事件でメディア良化委員会との抗争も一段落し、一時の平和が訪れた世界

郁と堂上は公認の仲となり、仲睦まじく仕事をこなす

細かな事件はあったものの堂上班4名は仲良く階級を上げる

あの郁でさえも・・・

そんな仲郁と堂上に新たな展開が・・・


[観想的なもの]
「図書館戦争」シリーズがベタ甘ラブストーリー+表現の自由を守るシリアスな戦いという構成だったのに対し、"別冊"図書館戦争はベタ甘を最前線に出してきた

だいたいが、タイトルの"別冊"が「別冊花とゆめ」「別冊マーガレット」の別冊らしく、ベタ甘が苦手な人には回避令が出ちゃったりします

基本的には、両想いを確認した男女が世界の中心でぐるぐる回ってるのを傍で眺めるという"悪趣味な"構成です

そこについては"あえて"触れません

勝手にやっててください


流石にベタ甘ラブストーリーだけでは作者の妄想の披露になってしまいますので、武蔵野第一図書館では少々の事件が起きます

そのなかでも、新鋭の作家・木島ジンの活動がクローズアップされます

彼の著作には良化委員会が指定する"違反語"は一切出てきません

しかし、内容は露骨に良化委員会を挑発するものとなっています

彼は、著作を通じ"言葉"を狩ったところで真の差別はなくならないし、臭いものに蓋をすることで、かえって差別は悪質になるという本質を指摘します

結局、モラルというのは教育だったり、個人の良心によるところが大きいということですが、この辺もこの作品全体を通じて訴えているテーマだと思います。

作品の中で木島ジンがインタビューで『現状差別語とされる言葉が「目の見えない人」「手のない人」「足のない人」と直截に呼ばわることを非礼と思った昔の人が婉曲な区別のために考え出した言葉』だと指摘する部分は眼から鱗が落ちましたね

全2冊の予定との事ですが、2冊目買うかなぁ???

でも、せっかくここまでシリーズ追っかけてきたからなぁ。

やっぱ買っちゃうんだろうなぁあぁ


[採点]

人物描写    ★★★★☆
世界観     ★★★★★
物語      ★★★☆☆
技術      ★★★☆☆
インパクト   ★★★★☆

総合      ★★★★☆



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最終更新日  2008年05月23日 22時41分22秒
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2007年11月18日
カテゴリ:書籍 有川 浩

図書館革命

[登場人物]
笠原 郁・・・"熱血バカ"。階級 図書士長
堂上 篤・・・"怒れるチビ"。階級 二等図書正
小牧幹久・・・"笑う正論"。階級 二等図書正
手塚 光・・・"頑なな少年"。階級 図書士長
柴崎麻子・・・"情報屋"。階級 図書士長(情報部候補生)
手塚 慧・・・光の兄。図書隊内組織"未来企画"代表


[物語]
「茨城県展」抗争で図書特殊部隊が活躍してからしばらく経ち

敦賀原子力発電所がテロリストに攻撃を受ける

テロ事件のモデルとなるような精緻な描写がある小説「原発危機」

メディア良化委員会は著者・当麻蔵人を拘束すべく動き出す

それを察知した編集者折口は当麻を保護し、武蔵野第一図書館に逃げ込む

ついに図書隊対メディア良化委員会による最終戦争が始まろうとしていた


[観想的なもの]
図書館が表現の自由を守るため、図書館版自衛隊ともいえる図書隊を率い、"メディア良化委員会"と抗争する「図書館戦争」シリーズ第4弾にして最終回

いやぁいいっす。マジで。

作者が「ベタ甘」なラブストーリーと精緻なミニタリーものを得意にしてるってあったけど、ほんと「ベタ甘」で、ツボにはまっちまいました

主人公は学生時分に図書隊の隊員に危機を救ってもらって、その時の隊員に憧れて図書隊に入隊し、鬼教官にしごかれて、なにくそと思ってたら実はその教官こそがが件の王子様だったりするわけで、そこからだんだんと距離が詰まってくると、めちゃめちゃベタな展開なんだけど、プライドとか打算が絡み合う大人の恋愛よりはわかり易くて好きですね

全体的にスピード感あり、カタルシスあり、もちろん郁と堂上のラブストーリーありで、大好きな作品ではあるんだけど、ただひとつ図書隊対メディア良化委員会の抗争ってのが腑に落ちなかったのね

ひとつの国で二つの矛盾した制度(検閲をするかしないか)があって、それぞれの正義を貫くために銃器を使って、それぞれに犠牲者を出すことも厭わないっていう前提がどうもしっくりこなかった

政治家が都合の悪いことをもみ消すために事後検閲と称して事実上表現の自由を制限するメディア良化委員会を立ち上げたのはわからなくもない

でも、いくらなんでも銃器に頼るのは日本らしくはないのではないかと思うんだね(たぶん作者もその辺を意識して、場所こそ日本にしているけど、年号が正化という架空の世界を舞台にしている)

ただ、なぜ(それこそ身体を張ってでも)表現の自由を死守しなければいけないのか
というのは今回はっきりと記してあった

メディア良化法が施行される前から表現の自由は自己規制の中にあった

たとえば"片手落ち"という言葉を使えば、非難の投書が来る。いわく"差別用語"だと

文章の流れを読めば、障害を指していないことは容易にわかるし、そもそも片手落ちという言葉には差別的な意味合いはないにもかかわらず

そんな"善意の指摘"を受け続けているうちに、表現者たちは自ら危険な言葉を使わなくなっていく

そうしていくうちにどんどん窮屈になって本当の自由は喪われしまっている

シリーズの中でも今回はそんな現実への警鐘をはっきり示していると思う

もしかしたら図書隊は実現していないけど、メディア良化委員会のようなものはひっそりと存在しているのかもしれない

それが牙を剥いたときにどんなことが起きるのか?

大人しい国民はそれこそ手に武器を持って頑として表現の自由を守らなければ

「ベタ甘」な中に結構マジなものが紛れていた








最終更新日  2007年11月18日 23時20分08秒
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