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酔生夢死

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書籍 五十嵐 貴久

2009年07月26日
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カテゴリ:書籍 五十嵐 貴久


[登場人物]
土方 歳三・・・新撰組副長
坂本 竜馬・・・土佐藩脱藩浪士。大政奉還の立役者



[物  語]
時は幕末

将軍慶喜は大政奉還の方針を固め、根回しのため早朝、秘密裏に薩摩の重臣・西郷吉之助のもとへ向かう

しかし、その途中何者かに襲われ、会談は中止

事態を重く見た幕府の老中板倉勝静は犯人探しのため、勤皇派に顔が利く坂本竜馬と佐幕派に顔が利く新撰組副長・土方歳三を召喚する

犬猿の仲の二人は反目しあいながら次第に真相に近づいていく


[観想的なもの]
犯罪小説ものでファンになった五十嵐貴久の時代もの

時代ものだけどしっかりと真相を推理するのが軸となっていて楽しめる

本筋は将軍暗殺未遂事件を油と水の土方&竜馬の"相棒"が謎解きしていくというもの

ただ、実はメインはその後の坂本竜馬暗殺事件につながっており、将軍暗殺未遂事件で当時の政治状況(薩長土肥、幕臣、その周辺)を明らかにし、その上で、坂本竜馬暗殺事件の犯人は誰だったのか?を作者なりに解明していく

その後のどんでん返しも好ましく、血なまぐさい幕末の物語にしては爽やかな後味だった





















最終更新日  2009年07月26日 17時55分16秒
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2009年06月07日
カテゴリ:書籍 五十嵐 貴久
遠野麻衣子シリーズ第二弾


交渉人遠野麻衣子・最後の事件


[登場人物]
遠野麻衣子・・・警部。前作の事件により広報部員に左遷されている
島本 聖 ・・・警部。捜一特殊犯捜査第二班。

長谷川 均・・・警視庁。刑事部長。今回の事件の捜査責任者

御厨  徹・・・"宇宙真理の会"代表。テロ事件により現在拘留中
シヴァ、ハスタ・・・"宇宙真理の会"信者。今回の実行犯

石田 修平・・・前作の主人公。交渉人。現在公判中
木下美也子・・・弁護士。石田の事件の担当者


[物語・ネタばれあり]
石田の事件の裁判が始まり、麻衣子は石田の支援を行っていた

そんな麻衣子のもとに"宇宙真理の会"の教祖・御厨の釈放を要求する電話が入る

同時に目の前の交番が爆破され、詰めていた警官が死亡

現場では、一人の男が麻衣子の前に姿を現す

麻衣子は、警視庁首脳に呼び出される

"宇宙真理の会"による接触は、以前から行われていたものの、実行を伴ったのは初めてだった

犯人は麻衣子を交渉窓口として指名し、警察側は被害を避けるために、交渉を行うことに

犯人は東京都内に爆弾を仕掛け、その解除と引き換えに教祖・御厨の釈放を求める

テロリストに屈することはできない首脳部は、時間稼ぎを続ける

先手を取ったテロリスト・シヴァは爆弾が仕掛けられていることをマスコミ、インターネットに公表する

パニックとなった東京は大惨事となり収拾がつかなくなっていく

そんな中、麻衣子が第一の現場で出会った男の自殺体と爆弾が都内で発見される

事態の収拾を図りたい警察首脳部は、犯人の死亡をもって事件の収束を宣言

しかし、それこそが真犯人の狙いだった

混乱を無理矢理抑え込んだ警察としては、再度の爆破を阻止するため全力をかける



[観想的なもの]
前回の石田事件から二年

今回のは、「誘拐」と同じで、警察、犯人双方の視点を行き来しながらストーリーが進む

警察のやり方を熟知して犯行を重ねる犯人と最後の最後には犯人の上をいく警察(というか主人公)

王道でありながら、それでもしっかりと読ませる筆力は流石

警察、マスコミ、都民それぞれが最善を尽くそうとすればするほど犯人(というか作者)の思惑にはまっていく

その流れが自然で、変に作者のご都合的な展開がなくてイイ

本格的なミステリやら犯罪小説やらはこうでないと

このシリーズはぜひまた読んでみたいものだ













最終更新日  2009年06月07日 16時06分49秒
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2009年05月17日
カテゴリ:書籍 五十嵐 貴久



[登場人物]
秋月 孝介・・・大角観光の人事担当。
関口 純子・・・大角観光の元社員。秋月の犯行を手伝っている

佐山 憲明・・・日本の総理大臣
佐山 秋子・・・憲明の妻
佐山 百合・・・憲明の孫娘。中学生とは思えぬほど聡明。

荒巻 啓秋・・・警視。警視庁捜査一課特殊捜査班班長
星野   ・・・警部。警視庁捜査一課特殊捜査班


[物語]

メインバンクの裏切りにあい、不本意ながらリストラの矢面に立つ秋月孝介は、家族ぐるみでの付き合いもある恩人にクビを言い渡す

気丈だと思われた恩人は、それを苦にあっさりと一家心中

孝介の娘の親友であった恩人の娘は一命を取り留めるが、重体のまま意識が戻らない

事情を理解せず、父の非情を責めた娘は発作的に自殺してしまう

仕事も辞めすべてを失った孝介は復讐を誓う


韓国との歴史的な会談を控えたある日

日本の総理大臣が溺愛する孫娘が誘拐される

犯人の要求は、韓国のとの条約の締結の破棄、そして"活動資金"30億円

即座に北朝鮮の犯行と判断した警察上層部は、誘拐事件のスペシャリスト・荒巻警視を召喚するが、韓国大統領の来日を数日後に控え、誘拐事件に割ける人員は、いくらもいない

犯人と警察の頭脳戦が幕を落とされる


警察側との接触に慎重になる孝介は、一般市民を介した接触を試みる

手当たり次第に電話をかけ、警察に要求を伝えるよう依頼する

わずか数パーセントの確率ではあったが、律儀に警察に通報する市民のおかげで犯行は進む

徹底的に痕跡を残さない犯人に対し、後手を踏む警察

身代金の要求を呑み、犯人の要求通り成田方面に金を乗せた車を走らせる警察

犯人は現れず、逆に人質が無傷で保護される

しかし、そこからが誘拐事件の第二幕の始まりだった

韓国大統領来日中になんとか孫娘を取り返した佐山は、無事条約を締結

しかし、その後の会見でうっかりと"特定の銀行"を名指しで経営不安があると指摘

金融パニックが発生し、名指しされた金融機関は倒産間際まで追い込まれる

佐山総理は、再度孫娘が誘拐されたくなければ、この特定の金融機関が危ないという情報を公表するよう犯人に指示されていた

その事に気がついた、星野警部は、その金融機関=孝介の会社を裏切った銀行の株を大量に売買している個人を特定し、やがて秋月にたどりつくのだった

しかし、そうしてもなお残る謎は、佐山の孫・百合が何故孝介を選んだのか?

実は犯行を行う際に、どうしても佐山の孫・百合の協力なくしては実行できないミッションがあったのだった

そして、秋月の娘、恩人の娘、そしてもう一人の親友の正体が明らかにされる


[観想的なもの]
犯罪小説としてはかなりの出来。これまで読んだ小説の中でベストテンには入る

同作者の作品では、「交渉人」「土井徹先生の診療事件簿」があるが、これはピカイチ。

息をつかせぬ展開で、次々と警察を翻弄し、これまでにない誘拐事件を演出する

劇中、「誘拐とは信頼が必要な犯罪だ」というのが印象的

警察は犯人がなにがしかの要求をしてきてしかるべきと思うし

犯人は要求を出せば、被害者側はそれにできうる限りこたえるべきと思う

そして、犯人は身代金と交換に人質を解放すべきだとも思う


ただ、犯人は誘拐時には圧倒的に有利な状況にいるわけだから、身代金の要求はいつしてもいいし、極論では身代金を受け取っても人質を返す云われもない

確かに身代金を受け取る際は、人質を返すと約束はするのだろうが、すでに犯罪者である犯人がそれを律儀に守る必要はどこにもない

誘拐はよく身代金の受け渡しの時が唯一犯人と接触できる機会で、犯人側としては一番危険だといわれる

逆に言うと、身代金の受け渡しと称し、警察やら被害者を好きなように動かして、飽きたら人質を処分し、連絡を断てば、おそらく完全犯罪になるのではないか

身代金を用意すれば、必ず人質が帰るというのは、幻想にすぎないのだ

同時に犯人はお金が必要だから必ず要求を出し、それを受け取りにくるというのも


主人公であり犯人の秋月孝介は、完全犯罪を目の前にしながら、半ば確信的に自らの痕跡を残し、星野に追い詰められる

自らの能力を誇示しながら、それでも犯行に加わったメンバーに容疑が及ばないために

その"メンバー"は、この事件に欠かせないパーツを構成し、しかも絶対に疑惑が及んではならない人物

何かのために罪を犯し、しかも、その何かは明らかにせず自ら罪を背負っていく

むっちゃかっこいいやん。

このへんもツボなんだよね























最終更新日  2009年05月23日 21時47分45秒
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2009年01月17日
カテゴリ:書籍 五十嵐 貴久




[登場人物]
遠野麻衣子・・・警察庁キャリア。現在は所轄の経理係
石田修平・・警察庁キャリア。警視正。交渉のエキスパート

安藤・・・所轄の刑事

越野、小宮、永井・・・コンビニ強盗→病院立てこもり犯


[物語・ネタばれあり]
所轄の経理係に埋没している麻衣子は、かつて警察内での女性登用という追い風により花形部署である特殊捜査班に所属していた

エースである石田について交渉術を叩き込まれるうち、石田を意識するようになるが、周囲の嫉妬により所轄に飛ばされる

麻衣子の所轄の近くでコンビニ強盗が現れ、追い込まれた犯人グループは近くの病院で人質をとって立て籠もる

要請を受けた特殊捜査班は、緊急措置として石田が現場に到着するまでの間、交渉の窓口として麻衣子を捜査に加える


交渉に入った麻衣子だったが、所轄署のあからさまな女性蔑視の中、指揮権を死守するのが精いっぱいの状況だった

石田が到着し、犯人との交渉をはじめ、着々と捜査は進展

犯人は金と逃走手段としてバイクを3台要求してくる

犯人は時間差でバイクに人質を一人ずつ同乗させ、もし警察が追尾すれば即座にほかの人質を殺すと宣言

警察はバイク、金に追跡装置をつけ、泳がす作戦に出る

一人目・永井、二人目・小宮はそれぞれ人質を連れ順調に逃走し、警察もその動きを捕捉している

しかし、二台のバイクは不規則な動きをし、やがてトンネル内でバイクと人質である看護師一人の死体を残し消息を絶つ

ついに被害者が出たことで、病院内に突入した特殊捜査班だったが、病院内にいるはずの"最後の一人・越野"の姿はなかった

また、人質のうち、医師一人と副院長(院長の息子)が殺害されて発見される

被害者を出し、犯人にも逃げられた石田は職を解かれ、ひとり病院のICUをたずねる

そこに、麻衣子・安藤が踏み込む

犯人は、ICUに予め潜伏していた北川を含め4人、そして石田自身

犯行グループはかつて今回の事件の舞台となった病院内で医療過誤にあった遺族たち

医療過誤を認めない病院に対し、用意周到な計画を立て、直接の加害者である医師2人、看護師1人を殺害することが目的だった


[観想的なもの]
構成としては前半の「交渉編」と後半の「医療過誤編」の二つにはっきりと分かれる

交渉編では流石に交渉人をタイトルにしているだけあって、その交渉テクニックがいかんなく発揮され、また思い通りに犯人をコントロールしていた場面から予想外の展開に転じるシーンはスリリングで◎

犯人の逃亡手段については、バイク3台で時間差で逃げるというところから1台目に犯人と人質が、2台目には犯人と人質に扮した3人目の犯人が乗るであろうことは簡単に推測できた(それ以前に解放された人質に犯人が紛れ込んでいないか再三確認するシーンが伏線となっていた)

これ自体は後々も明確にネタばらしをしていないところを見ると、バレるのを前提としたトリックだろう

自分的には2台目のトリックが捜査陣内で事前にばれて、さらに上をいくトリックがあるのでは?という予想だったが、実は大切だったのは1台目に乗せた人質を殺すことにあったという方向の展開だった

石田警視正を含めた大々的な事件は、物語を盛り上げるために用意された不必要に大きな舞台だと思わないでもないが、その後の「医療過誤編」で一応の説明がされていたのでぎりぎりセーフかな

・医療過誤があった現場=病院内で復讐する
・3人同時に殺す(捜査の手が伸びれば残りの殺害が難しくなるから)

以上の条件を満たすため、周到に計画が立てられたという設定

交渉編の最後でちょっと辻褄が合わなくなってきたかと思ったが、それを医療過誤編の中できっちり埋めてきたのは◎

他の作品も読んでみたいと思える出来



・ツッコミ所
・北川はあらかじめICUに収容されていた患者のうちの一人、ということでノーマークだったわけだが、ICUに収容されるほどの症状は持っていない模様だが病院内でチェックされなかったのか

・バイクのトリックで2台目に乗った越野はアトピー性皮膚炎で包帯ぐるぐる巻きの患者を装ったが、そうするとあとで警察が病院内に踏み込んだ際に、アトピーの患者が病院内で発見され、トリックがばれるはずだがその気配がない

・そもそもこれだけの事故を起こし、多くの訴訟を抱えるこの病院になぜ入院したのか?
→救急や他の病院からの紹介ということだったが、訴訟ざたは表向きわからなかったとしても他の病院関係者は危ない病院と認識していたのでは?
→腐っていたのは院長の息子をはじめ、ごく一部だった模様。これら以外の医師の働きぶりについては、遺族たちでされも評価していることから"全体としては"高度な病院だったということか(自己解決)

・それまで無敗を誇った石田警視正が子供の復讐のために、殺人犯となる道を選ぶだろうか?
また、この手のキャラクターは家庭を大切に、というキャラクターではない気がするのだが、偏見だろうか

・北川の息子の手術の描写について
 手術中に薬の作用により呼吸をしていなかったことにしばらく気がつかずって現実的にありうるのか?血圧が上がったり、脈が乱れたりでモニターのアラームが鳴ると思うのだが。担当医がテンパリすぎて聞こえないならまだしも、他の医師、看護師も見落としたのか?


[採点]

人物描写    ★★☆☆☆  石田警視正のキャラクターが"?"
世界観     ★★★★☆  
物語      ★★★☆☆  
技術      ★★★☆☆
インパクト   ★★★★☆  

総合      ★★★☆☆














最終更新日  2009年01月17日 14時52分57秒
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