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カテゴリ:癌告知
告知のお話を、もう少し。
沢山の患者さんやご家族と接して参りましたが、患者さんて、実に冷静で大人だと感じます。 「そんな事ありません!冷静でもないし、大人なんかじゃないです!!」 と、反論される患者さんもおられると思いますが、ご家族の方はですね、その比じゃないですよ、ホントの話。 時間の使い方と、自分がいなくなった後の事を、頭のどこかで考えています。 本当はんな事は考えたくなんか無いんですが、考えなきゃいけなくて、仕方なく嫌々でも考えています。 考える事に疲れると、ボーッとしたくなるようで、何も考えなくて良いような事を始めたり。 男性の場合だと、パチンコが一番多いかな。 女性の場合は、何だろう・・・友達と遊びに行くとか、カラオケとか?かなぁ・・・ 考えるって、疲れますものね。 私はねぇ・・・父には言えませんでした。 手術できずに化学療法を受けていた父は、薬で治るって思っていたのかなぁ? 10年は生きられないけど、5~6年は生きられると思っていたフシがあります。 家族としても、元気にフツーに生活している父を見ていると、ずっとこのままいけるんじゃないか?って思いたくなってしまうんですねぇ、つい。 私の中では2年生きる事を目標としていたんですが、それは言えず・・・ 元気な時に、もっとあっちこっち連れて行けば良かったと、今も思います。 本人も行きたいって言う場所や、食べたいって言う物もあったんですから。 じゃぁ、行こうよ と言う私に 来年な と答えた父。 来年が無いかも?なんて、本人が少しでも自覚していたら、腰を上げていたかもしれません。 それとも、自分には来年もあると言い聞かせていたのか・・・ 本当のところはわからないけれど、行きたいと言った場所には行けなかった事、食べたいって言った物が食べられなかった事だけは事実。 行ける体力も、食べられる元気もちゃんとあったのに・・・・ 父がいなくなって今年で6年目だけれど、今も尚、この病気に関わっているのは、米村先生に対するご恩返しだけではく、父に対する罪滅ぼしかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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