MUSUPERUHEIMU

MUSUPERUHEIMU

第13話

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何十体目かの黒いシノワビート斬り伏せた瞬間

 『…ム…』

・・・・ゴゴゴゴゴ・・・・・・・・・

俺は強烈な殺気を感じそれと
同時に俺の持つ大剣が唸りだした
感じるその殺気の方向の先には一体の黒いレイキャシールが
ハンドガンサイズの奇妙な形をした銃を此方に向けていた

 (…あの銃は…?)

俺は奇妙な銃の正体が気に掛かったが
あれは殺気の強さに見合う武器と判断し

・・・・ガシッ!

襲い掛かってきたシノワビートの一体を掴まえ
レイキャシールの方へ投げつけた

・・・ビシュゥゥン・・・・!

銃から放たれた光線が飛んでいくシノワビートに命中し
次の瞬間シノワビートの体に光の環が浮かび上がる

 (…ポインターロック…?…まずい衛星兵器か…)

俺はロックオンされたシノワビートから出来るだけ離れようとしたが

 (…間に合わん…)

俺には迫る攻撃を避けきれない予感があった
だが俺がその場から退こうと足を動かそうとした瞬間

・・・・キュィィン・・・・!

 (…何…?)

突然、音が消え視界が高速で流れそして突然

・・・バシュゥゥゥン!!!!

背後から衝撃と共に轟音が鳴り響いた
振り向けばそこには…あのレイキャシールと
俺との間に直系30m程のクレーターが出来ている
しかし俺が立っていた場所は俺が先刻立っていた
場所から20m近く離れていた

 (…高速移動したのか…)

だが俺にはそんな機能は無い…
俺は己の手の中にある黒い大剣に視線を向けた

 『…貴様か…』

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

手の中の剣は何も答えなかった

・・・・キィィィィィン・・・・・・!

突然レイキャシールの方から高音が鳴り響いてきた
視線を向けるとキャシールは先程の奇妙な銃ではなく
蒼く長い銃身の銃を構え音はそこから聞こえていた

 『…チャージか…?』

銃に集束するエネルギーを感じ俺はそう判断する

・・・・キィィィィ・・・・・・・・

そして音が消えた事が集束の終わりを告げ

・・・キィィ・・・・シュゥゥゥン・・・・!!

蒼の銃から蒼白い氷結のエネルギーが放たれた

・・・・キン・・・キン…キィン・・・キィィン・・・!

まるで極限まで高めたバータの様に
そのエネルギーが通り過ぎる地面までも凍りつかせていた

・・・・・ガッ・・・!

俺は用心し必要以上に距離をとりそれを避けようとしたが…

・・・キィィィィィン・・・・・ジャキィン・・・!!

 『…何…?』

飛来していた氷結の波動は突然
破裂したように広がり巨大な冷気のドームを作り出した

・・・・・キンッ!!

 『…グッ…』

冷気のドームの中に捕われ俺は凍りつかされた
俺は氷の中で体に力を入れるがびくともせず

 (…ステイトメンテナンスも発動しないか…)

保険であるユニットも機能しなかった
凍りついたまま視界を前方に向けると…

 『…成る程…』

そこには蒼い銃を扱った左半身を
凍りつかせているレイキャシールが立っていた

 『…諸刃の剣と言う訳か…』

そうしてレイキャシールは自由の利く右腕で
蒼の銃と同じ型の紅い銃を取り出し…

・・・・ジャキィ・・・・・・・

凍りつき身動き一つ取れない俺にその銃口を向けた



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