MUSUPERUHEIMU

MUSUPERUHEIMU

第25話

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・・・ギィン!カァン!ガキィン!!

いきなり現れたじーちゃんは巨大な鉄の大剣を
真紅のシノワベリルに連続で斬りつける

 「カラクリ人形にしてはなかなかやるのう!?」

大剣を振り回しながらじーちゃんは楽しそうに笑っていた

 「…まさか御老人がでてくるとは驚きですね」

仮面の兄さんはじーちゃんを見つめながらそんな事を言う

 「それはこちらも同じ事よ、テロリストとは聞いていたが
  まさかお主等アークズとはのう…しかも見覚えのある男がな
  20年前とまるで姿が変わらぬようじゃが若いの?」

ベリルと間合を計りながらじーちゃんは不思議な事を口にした
…20年前から変わらない姿ァ~?…何モンだこの兄ちゃん

 「よく言われますよ…いつまでも御若いですねとね?」

兄ちゃんは仮面の下でくくくと笑う

 「思い出話に華を咲かせたいところですが老いたとはいえ
  貴方の強さは私達の計画にいささかやっかいです
  この辺で御退場して頂きましょうか…緋燕!」

・・・パチンッ!

仮面の兄ちゃん指を鳴らすと赤いシノワベリルは
両足を開き体勢を低く構えた

・・・ガシャン!ガシャン!ガチャン!

両肩に2対のバズーカが現れた

 「ガ○キャノン!?」

 「そこの嬢ちゃん危ないぞ!避けるんじゃ!」

じいちゃんの忠告を受けアタイは慌てて乗っかっていた
ギャランゾから隣りに飛び移った

・・・ドゴォォン・・・!!

ベリルの両肩の砲筒が火を噴く

・・・・ボゴォォォン・・・・!!!

アタイとじーちゃんの居た場所が爆発に巻き込まれ
下に居たギャランゾも直撃を受け装甲が剥がれていた

 「じーちゃん!?」

アタイは逃げた様子の無かったじーちゃんを心配して
爆発後の立ち込める煙の中に声をかけた

・・・・・シュゥゥゥ・・・・・・・

薄れてきた煙の中、そこには装甲の剥がれたギャランゾの上で
巨大な大剣を体の前に翳し盾にしたジーちゃんが立っていた

 「…抜山蓋世…」

・・・ダンッ・・・!

大剣を背負うように後に回しじーちゃんはベリルの方へと跳躍し

・・・ガンッ・・・!

ベリルの居るギャランゾに飛び移ると

・・・ギギャガガガガガッ・・・!!

背中の大剣を両手に構え足下のギャランゾに擦るように

 「…浮嶽鬼迅斬!!」

・・・・ゴガァンッ・・・・!!

強烈なアッパースイングの一撃をシノワベリルに見舞った

・・・・ヒュー・・・・・

吹き飛ばされたベリル宙を舞い


・・・・ガシャァァン・・・・!!

数体向こう側のギャランゾの上に叩き落された

 「わーお…じーちゃんワイルドな技だねぇ?」

 「………」

感嘆するアタイとは対照的に仮面の兄ちゃんは沈黙してしまった

 「侮っていたわけではありませんがやはり一筋縄ではいきませんか」

そういうと兄ちゃんは片手を上げ手の平の上に
黒紫色の球体を出現させた

 「…だがその活躍もこれで最後とさせて頂きましょうか」

 『貴様のな』

 「!?」

・・・バシュゥゥゥゥン・・・!!

一筋の閃光が仮面の兄ちゃんの体を寸断した
だがその寸断された身体が下に付く前に
その二つの塊は霧の様に薄まり消えていき

・・・ポトッ・・・

そしてその場には二つに斬り裂かれたスケープドールが落ちていた

 『フンッ逃げたか…小賢しい真似を』

・・・ブンッ・・・!

血を払うように持っていた武器…フォトンサイズを振るったのは
一体の紫色のヒューキャストだった

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