MUSUPERUHEIMU

MUSUPERUHEIMU

第41話

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 「…スレイプニル…Drウートガルザのアウトプランチャイルド…」

・・・ギンッ・・・!

スレイプニルと呼ばれたアンドロイドがヴェルダンディの爪を弾き返す

・・・ヴンッ・・・

返すようにヴェルダンディの右足が跳ね上がり

・・・バシュッ!

踵から光刃が出現する

・・・ギィィン!!

スレイプニルはそれを再び腕で弾くが

・・・ギィィン!ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!!

ヴェルダンディは右足を上げたまま連続で蹴りを繰り出す

・・・ギン!ギン!ギン!ギィン!

その攻防はしばらく続いたが何度めかの攻撃が弾かれた次の瞬間

・・・ヴンッ・・

弾かれた勢いに任せヴェルダンディは身体を
右に回転しつつ左膝を曲げ水面蹴りを繰り出すが

・・・パシッ!

 「…!?」

それを読んでいたのかスレイプニルはその巨体を沈め
繰り出した蹴りを受け止めていた

 『御無礼』

・・・ヴォンッ・・・!

そう言うとスレイプニルは受けた足を掴み上げ
ヴェルダンディを壁へと投げつけた

 「退け!スレイプニル!!」

その声に応えスレイプニルがその場から退くと

 「紫電雷咆!」

・・・バチバチバチバチバチ・・・!!

少女の血染めの左手に紫の雷が纏っている

 「ミョツルニル!!」

・・・ドゴォォォォォォン・・・!!!

雷鳴音と共に紫に輝く巨大な光が少女の左手から放たれ
壁にぶつかる寸前のヴェルダンディの体を包んだ

・・・ヴァシュゥゥゥゥゥゥゥン・・・!!

その光が収まらないうちにスレイプニルは少女の身体を
2本の両腕で抱え上げ部屋出口へと向かいその途中
ひっくり返っていたホプキンスを残る手で抱え上げ
部屋の外へと疾風のように飛び出した

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・・・バリ・・・バチ・・・バチ・・バリ・・・バチバチ・・・

スレイプニル達が出て行った暫く後
紫の雷は少しづつ収まりその中心がハッキリと見えてくる
床も壁も黒く焼け焦げた中心にヴェルダンディは無傷で立っていた

 「…逃がしてしまったわ…あのアンドロイド……主より有能ね」

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・・・斬・・・!

水晶の様な大剣が黒いシノワの集団を斬り裂く

 「やれやれ『深緑』だけでもやっかいなのに
  虚実の混ざったガーディアンまで来るとはね」

 『…あの黒いレイキャシールは動きが無いな…?』

 「奴さん暴れると敵も味方もヤバイからな
  上からストップかかったんじゃないか?」

赤毛の少年の姿をした英雄はそういうと再び大剣を振りかぶる

・・・キンッ・・・

 「其処だ!!」

・・・斬ッ・・・!!

黒シノワの集団を斬り裂くとその背後に居た
金色のシノワにも斬撃は命中するが

・・・シュゥゥゥゥゥゥゥゥ・・・

金色の強化外骨格はすぐに修復されてしまう

 「まだまだいくぜ」

・・・ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!ギィン!

フロウウェンは傷のあった所を連続で斬りつけるが

・・・ガシャッ・・・!

貫通まで後もう一撃という所で敵は後へと退く

 「そうはいかんさ」

後を追いフロウウェンも踏み込もうとするが

 「うん…?」

その足を突然止める

・・・キィィン・・・・・・・ギンッ!!

・・・バシュウッ!

次の瞬間金色の強化外骨格の隙間から血が噴き出した
その背後から深紅の刀を持った黒い外套の男が姿を現す

 「…時間が余り無い…本気でいかせて貰おう」

そう言って血の色を思わせる深紅の刀を俺に向けてきた


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