MUSUPERUHEIMU

MUSUPERUHEIMU

第52話

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 「終いだ」

・・・ヴォンッ・・・!

フロウウェンは大剣をシャロンの頭上に振り降ろすが

・・・ガギィイン!!

1つの影がその間に割り込み大剣を弾いた

 「ア…アシュナ様ッ!?」

シャロンは凍りついた左腕を抑えながら
自分を助けた人物を見上げた

 「退くぞシャロン…」

 「い…いえ!私の事など構わず…」

 「黙れよ小娘が」

シャロンの言葉を遮りにフロウウェンは重く低い声で黙らせる

 「自分の面倒も見れないような奴がほざくな」

 「くっ…」

威圧と怒気を孕んだフロウウェンの言葉にシャロンは顔を歪めた

 「俺の気が変わらない内にその娘を連れて行くんだな深緑の」

 「…借りが出来たな」

 「忘れろそんな事…速く行け」

 「行くぞシャロン」

 「…申し訳ありません」

深緑と呼ばれた男はシャロンに肩を貸すと

・・・シュン・・・!

その場から姿を消した

 「さてと…」

フロウウェンは辺りを見渡し右手に一枚のカード状の物を取り出した

・・・ブォオン・・・

辺りの景色が歪み

・・・SYAAAAA・・・GUOOO・・・

奇声が辺りに響き渡る

 「実体のお前らと闘り合うのは…」

・・・バシャッ・・・!

フロウウェンは左腕の端末にそのカードを差し込む

 「…久しぶりだな?」

 『セイバーダンス』

端末から機械音声が響くと

・・・バシュゥン・・・!!

フロウウェンの持つ大剣が一瞬、輝いたように見えた

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!!

両手のヤスミノコフの弾丸が異形の身体に撃ち込まれていくが

・・・ドゥン!バシュウ!ヴシュゥー・・・!

傷口から紫色の液体を噴出しながらも異形達はその歩みを止めない

 「チッ…相変らずのゴギブリ野郎っス」

・・・バシャ・・・!・・・ガシャ!!

拙者は弾切れしたマガジンを排出すると
素早く新しいマガジンを装填した

・・・ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ!ダンッ・・!!

撃たれても微塵も怯まずに近づいてくる異形に弾丸を撃ち尽くす

・・・Poooooowuu・・・

断末魔のような声(?)を出しながら
異形のひとつが紫色の泡となって崩れる

 「…1匹駆除するのにコレだけかかってりゃ世話ないっスね
  これだけ近いとデカイ獲物は使えないときたし…」

・・・バシャ!ガシャ!

そして又、素早くマガジンをリロードしていると

・・・ザシュザシュ!・・・ザシュ!!

・・・Poooo・・・Wooooo・・・Guooooo・・・!!


 「!?」

いくつかの斬撃音と断末魔が聞こえてきた

・・・カラン・・・カラカラカラカラカラカラッ・・・

・・・ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!ザシュ!!

硬質な物体が地面を擦るような音と共に
斬撃音は少しづつ拙者の方へと近づいて来ると

・・・ザシュゥッ・・・!!

・・・Kisyaaaaaaaa・・・!


拙者の視界にその音の主が姿を見せた

 「Haaa…なんだ?随分と面白そうな奴がいるじゃないか…」

そこには竜の仮面を被り片手に黒い角のような物を持ち
ヒューマーの服に身を包んだ男が立っていた

 「……おいお前……俺と戦え…」

 「…テメェ…アークズの…!」

「Haaaa…」

・・・ギィィィン!!

竜面の男の斬り付けてきた一撃を拙者は
両手のヤスミノコフを交差させて受け止めた


© Rakuten Group, Inc.