MUSUPERUHEIMU

MUSUPERUHEIMU

第69話

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・・・ババババババババ・・・!!!

コンバットの銃撃が植物のエネミーを散らしていく

 「だーったく何処を狙えばいいのやら!」

アタイは両手のコンバットを横向きに倒し腕を交差させて
固定させた火線を人型の植物に集中させた

・・・ババババババババババババババババババババ・・・!!!

・・・ブシュー・・・

銃撃で無残な姿に変わった植物のエネミーは
液体を噴出しながら溶け崩れ落ちていった

・・シュル・・・パシッ!

 「おわぁ!?」

足首に何か巻きついたかと思うと強い力で引っ張られ

・・・ドッ!

アタイはひっくり返った

 「テテテ…なんだぁ!?」

引っ張られた足首に目をやるとそこには床を覆っている蔦のひとつが巻きついていた

・・・シュッルシュルシュル・・・

蔦が集まり新しい人型を為していき頭に当る位置に大きな花が現れた

・・・シュー・・・

このエネミーの声なのか花の中心から音が聞こえた

 「…あいにくアタイは花より団子でね」

・・・ジャキ・・・!

アタイは両手のコンバットを花に向けようとしたが

・・・ビンッ・・・!

 「あれ?」

両手が何かに引っ張られるように止まる
違和感を感じた手首に目を向けると別の所から伸びてきた蔦が巻きついていた

 「しょ…触手プレイ?」

 「なにアホな事言ってるんだ!?」

蒼い両光刃が閃きアタイに巻きついていた蔦を斬り裂くと

・・・ババババババババババババババババババババ・・・!!!

アタイは自由になった両手のコンバットで敵を撃ち抜いた

 「大丈夫か?」

そう言ってアッシュが伸ばしてきた手に掴まりアタイは礼を言って立ち上がると

 「サンクスモニカ…ってドノフ爺ちゃんは?」

アッシュが肩を貸していた爺ちゃんの事を聞いた

 「あっちでエネミーを相手してる」

そう言ったアッシュが差す方向を見ると…

・・・ザシュッ・・・!

植物エネミーを斬り捨てた爺ちゃんの姿があった

 「爺ちゃん戦ったりして大丈夫?」

 「なにキリークみたいな化物相手でなければまだまだ平気だわい」

 「まぁほどほどにね…その剣は?」

 「そこら辺の仏さんからちと拝借させてもらった」

それを聞いたアッシュは苦い表情を浮かべた

 「よくやるな爺さん…」

 「ふふん奇麗事じゃ生き残れないぜ兄ちゃん」

 「そう言う台詞は一人前になってから言うんじゃな
  さっき見ておったが己の武器に振り回されておったな小僧?」

 「そっ!…そんなことは…」

 「お前さん剣才なんぞ微塵も無さそうじゃからな、今度ワシが稽古つけてやろう」

 「うぐぐっ…」

 「ぷぷぷ」

爺ちゃんに叱られてるアッシュを見てアタイが笑っていると

・・・ピー・・・ピー・・・ピー・・・ピー・・・!

植物に覆われていたコンソールの一つがやかましく鳴り始めた・・・・


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・・・ギィィン!・・・ギィィン!・・・ギィィィン・・・!!

 「ドラァ!!」

 「………」

ディア坊は両手の武器を操る少女の攻撃をからくも防ぎ反撃するが

・・・ザンッ・・・!

・・・トンッ・・・


ハニュエールの少女はディア坊の攻撃を軽やかに避ける

 「このガキィ~」

 『ディア坊、この少女…』

 「あぁ?」

 『普通の人間ではないぞ』

 「そりゃどう見てもニューマンだろ?」

 『…そういう意味ではなくてな』

 「…ぷっ…」

こちらの話が聞こえていたのか銀髪の少女が小さく嘲笑した

 「テメェ!今、鼻で笑いやがったな!?」

 『落ち着けディア坊、勢いで勝てる相手ではないくらいキミにも解かっているだろう?』

 「…だから今のうちなんだよ」

 『…?』

ディア坊は私にしか聞こえないような小さな声でそう呟いた

 「オラァ!」

・・・ブォン・・・!

ディア坊はフォトンブレードを少女に振り降ろすが

・・・トンッ・・・

無作為なその攻撃は当然のように避けられる

・・・クンッ・・・

振り降ろしたポン刀を跳ね上げ斬撃を少女に浴びせる

・・・ギィン・・・!!

ディア坊の武器が少女の刃と交錯したその時

・・・ゴッ・・・!

少女の身体が宙に浮いた

 「これでもくらいやがれ!!」

・・・ギンッ!!

ディア坊はゴルフスイングのようにポン刀を首の後まで回すと
今だ宙に浮いている少女の身体に渾身の一撃を見舞った

・・・ガギィィン・・・!!

 「ちっ!」

一撃を喰らった少女の身体はそのまま数メートル飛ばされたが
ディア坊が舌打ちした事からも彼の予想ほど有効打にはならなかったようだ

 『なるほど…フォトンブレードと蹴りをほぼ同時に放ったのだな?』

 「奇襲にしてもあまりスマートとは言えねぇけどな」

 『いや、いかにもキミらしいと思うぞ』

 「ポンコツテメェ…馬鹿にしてねぇか?」

 『そんな風に受け止めるとは狭量だな?だが正直な賛辞だよ』

今だ少女は黒竜の背に片膝で立ち顔を伏せていた事で
私もディア坊も警戒を緩めていたが次の瞬間

 「…踊れ…ラームジェルグ…」

少女がそう呟くと

・・・ジャキキキィィィィン・・・!!

激しい金属音が辺りに鳴り響く

 「なんだ!?」

金属音の正体が掴めずディア坊は辺りを見渡したが

 「!ッ」

突然、首を前に倒し頭を下げた

・・・ジャキキキィィィィン・・・!!

ディア坊の頭の上を金属音が疾る
そして私は後部カメラによってその金属音の正体を目にした

 『連結した刃が…宙を舞っている!?』


『…踊れ…ラームジェルグ…』



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