MUSUPERUHEIMU

MUSUPERUHEIMU

プロローグ(魔王)

 「ムグムグ…あの野郎今度見つけたら只じゃおかねー」

 「その台詞を口にしてる時点で負けてる気がするわよライア?」

オウトクの街中をダンゴモチ片手に歩く不機嫌なライアとそれを宥めるマヤの二人

 「これが言わずにいられるか!?」

 「まぁまぁダンゴモチもう1本あげるからw」

 「ム…食い物で誤魔化されるのは癪だけど…確かに美味しいなこのダンゴモチ」

 「でしょ?もう高齢で引退しちゃった職人さんなんだけど
  星霊祭の時だけ頑張ってお店を出してるんだって」

 「へぇ…そいつは関心だね」

そう、マヤの説明に聞いていると

 「そうだな、商売抜きに味を楽しんでくれる人達の為なんだろうな」

 「!?ッ」

背後の聞き覚えのある声にライアは身体を硬直させる

 「レッレオ!?」

 「あらレオさんどうしたの?」

 「俺は今回ライアのパートナーの1人なんだが…マヤこそどうしたんだ?」

 「あっあたしは調べ物でちょっとね、あとクー君に頼み事があったんだけど…」

 「あぁクーフーリンか、だが今回は別件で警備任務から外れたんだろう?」

 「ちょっちょっと待ってくれよあたしはそんな話聞いてないよ!?」

 「本人から聞いてないのか?」

 「<今日はサボる>とかいうふざけたメールが来ただけだよ!」

 「はははそいつは奴さんが悪いな」

 「ん~と言うコトは…」

マヤはニコニコしながらそう言うとライアにだけ聞こえるように口元を手で隠し顔を寄せる

 「今回の任務はレオさんと二人っきりってこと?うふふ良かったじゃなぁい♪」

それ聞いたライアは顔を真っ赤にして

 「ばっ…馬鹿!なっ何言ってるんだよ!警備の面子が減っていっいいい良い訳ないだろ!」

しどろもどろに怒鳴り返していると

・・・ピピピ、ピピピ、ピピピ

 『その通りです』

 「わっ!?」

通信画面の立体映像がライアの目の前に出現した

 「ル…ルウ!お…脅かすんじゃない!」

 『そんなつもりはありませんが申し訳ありません』

 「…相変わらず気持ちが感じられないねぇ…まぁもう慣れたよ」

 「それでルウ、お前さんがそう言うなら補充要員という事か?」

レオは横から通信画面を覗き込みルウにそう聞いた

 『その通りです、そちらの支部のルウが其処まで誘導してますので合流してください』

 「またいい加減な奴じゃないだろうな」

 『御安心を、真面目な方です』

 「珍しいわね?ルウが真面目だなんて言う人」

ルウの返答にマヤが首を傾げていると

 「確かに彼は『人』ではありませんね」

通信越しの声ではないルウの声が聞こえ一同が声の方へ振り向くとそこには…

 「ご紹介します、こちらが今回協力して頂くスルト・スカイリーさんです」

声の主であるルウ、そしてその隣には…

 『…宜しく…』

蒼黒のキャストが立っていた


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