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カテゴリ:思うこと
M君は、ほめられ下手な子だったかもしれない。
M君が初めて鉄棒の前回りができた時のこと。私は嬉しくて手をたたいて喜んでいたが、その隣でM君は無表情のままだった。「できたね。すごいよ。がんばったね。嬉しかった?」などと言っても、首をかしげるだけだった。 努力してできるということの喜びを感じさせ、そのことによって自信をつけさせたいと考えていたから、その反応を見て、肩すかしをくらった気がした。結局、この子には無理矢理やらされていたという辛い思いをさせただけだったかもしれない。そう思うと哀しく、自分がとても傲慢に思えた。後味が悪かった。しかし、もしかしたらM君はほめられたときにどのような反応をしたらよいか分からない、うまく表現できない子なのかもしれないと思った。 というのも、私自身が親からあまりほめられることがなかったからか、ほめられた時にどう反応すればよいか分らず、嬉しそうな表情を素直に出す事が出来ない面があった。だから、ほめた方も嬉しくない。大人から見たらかわいげのない子だったわけだ。 教師になってからはそれがよく分かる。ほめられた時に嬉しさを素直に表現し、ますます頑張ろうとするほめられ上手な子。ほめられても無表情で、時には、「そんなことはたいしたことじゃない」「そんなの嬉しくない」などと言うほめられ下手な子。ほめられ上手な子の方が、いろいろな面で伸びるし、周りも嬉しい。ほめられ上手な方が幸せに気付きやすい気がする。でもほめられ下手にも光を当てられるようにはしたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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