|
カテゴリ:思うこと
今、東京ではクリスピー・クリーム・ドーナツが話題、連日行列のようですね。私も一度食べてみたいものです・・。
先日、そのドーナツの話題を聞いてふと思い出した人がいました。 それは、私が大学生の頃アルバイトをしていたパン屋さんで、いつもひとり物静かに店の奥の片隅でただひたすらにドーナツを揚げ続けていたおじさん。おじさんといっても70歳くらいの方で、退職した後に、アルバイトという形で働き続けていた方だったと思います。おじいさんというよりもおじちゃんと読んだ方がぴったり。 ただ、一日夏の暑い日も椅子に座ってドーナツを揚げ続けているおじちゃん。パートのおばちゃん達も多く、マスクをはめながらも賑やかな話し声が飛び交う場で、おじちゃんのスペースだけはちょっと空気が違うよう。だけど、その空気がとても穏やかで、一人でも楽しんで仕事をしているように見えました。自分からはあまり話さないけれど、無口でむっつりとしているわけではなく、にこにこと穏やかな顔。いつも目が合うと、にっこりとほほえんでくれる人でした。 時折、「○○ちゃん、ちょっと味見」と言って揚げたてのアツアツのドーナツをちぎって手渡してくれました。その時のドーナツは本当に美味しい。私はあのドーナツが今まで食べた中でで一番美味しいドーナツだと思っています。「○○ちゃんは、大学で何を勉強しているの?」などと聞かれ、それに答えると、「いいねえ」とにこにこしながら言ってくれます。それを聞くと、本当にいい勉強をしているような気にさせてくれました。 なんとなく側にいたいと思わせてくれる、そばにいるとほっとする、そんなおじちゃんだったなあと思います。 おじちゃん、あれから15年近く経っているけれど、元気でいるのかなあ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月14日 11時28分55秒
コメント(0) | コメントを書く
[思うこと] カテゴリの最新記事
|