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カテゴリ:読書
『心を元気にする色彩セラピー』 末永蒼生
著者は30年にわたり、「子どもアトリエ・アートランド」を主催。その実践から、自由な色彩体験が心を癒したり、生きる力を与えたりすることを確認し、色彩を通してのカウンセリングとアートセラピーを組み合わせた独自の方法で心のケアを行っています。 本書は色彩のもつ心理的効果、色彩セラピーの方法、それぞれの色彩のもつ意味について書かれています。 色が人を表す。塗り絵をすることと、絵を描くことによって心を知ることが出来る、普段何気なく来ている洋服、使っている色にもいろいろな意味が隠されているというのが興味深く読み進めました。 また、“子どもの絵は下手に指導すると、子ども達は本音で絵を描かなくなります。評価を気にして大人好みの絵を描いてしまうのです。しかし、それで子ども達は絵を通して感情を解放することができないし、楽しくないでしょう”と書かれてあり、教育という面からとても考えさせられました。 『「甘え」と日本人』 土居健郎 斎藤孝 土居健郎さんの『「甘え」の構造』を学生の時によんで結構衝撃を受けたことを覚えています。今でも版を重ね売れ続けているようですね。今だからこそ、見直されている部分があるのかもしれません。 本書は、現代の「病」、甘えの喪失、崩れてきた子供のカラダ、読書が作る人間関係などについて対談も含め、論じられています。 “小さい時に甘えられなかった人間は、自立できなくなる。正しく甘えられないので、その分ひそかに甘ったれたり甘やかしたりする結果が生まれる。それが現代の社会のひずみとつながっている” “甘えが容認される社会では、妬みは緩和されます。甘えたい気持ちがあるので妬みがそれほど深刻にならないで済むわけです。ところが、甘えるということが赦されていない社会では妬みが強く意識されるようになるのです” 読んでいて、成る程と思わされたり、考えさせられることのたくさん詰まった本でした。 『佐賀のがばいばあちゃん』 島田洋七 ベストセラーになった訳がよく分かります。貧しいけれど、貧しいことを恥じず、生活を楽しむ、見えないものを大切にする、文章の端々にはばあちゃんの愛情が込められていて読んでいて清らかな気持ちになってくるように感じます。現代の生活では忘れてしまったような心、でもみな大切だと思っている心、それを再確認させてくれるような本です。子どもにもそのうち読ませてあげたいなと思います。 『お母さんという女』 益田ミリ 著者のお母さんについて書かれたエッセイ。団地に住む普通のお母さん。でもその普通らしさが読んでいてほっとさせてくれます。中でも“分かるなあ”と感じたのがお母さんが笑い上戸なところ。何に対してでもよく笑う人の側にいると、つられて一緒に笑ってしまう。一人では笑わないだろうと思うことでも、そういう人の側にいると3倍くらいは笑ってしまうというところ。私の母もそういう人なので、たまに実家に帰ると笑いが止まりません。 “思い出を書けば書くほど、子供を甘やかしまくっていた母親だということが分かる。だけど、甘やかされた思い出はいつもわたしの心の中にあって、わたしの心に真の部分を暖かくしてくれる。わたし、大丈夫かも。それはなぜか根拠のない自信をわたしに授けてくれるのである”というくだりがあり、それはとても素敵なことだなあと思います。 『「読んで身につけた」40歳からの英語独学法』 笹野洋子 最近の私は英語の勉強に行き詰まりを感じていて楽しさを感じ得られなくなっていました。そんな時図書館で目にした本。この本を読んでまたモチベーションが高まりました。 40歳で英語を始め、47歳で翻訳家になった著者。大学も教育学部国文学科で英語とは縁のない生活。そんな著者がなぜ翻訳家になったのか、またどのように学んで言ったのかなどについて書かれています。 印象的だったのは「読んで身につける」方法。いろいろな本を使うのでなく、NHKのテキストで充分。ただ読むだけでなく、50回音読する。“急がば回れ”で50回音読すればリズムなど、体で覚えてしまう。ただし、忘れないうちに復習するのが大切。 コツコツと頑張っていこう・・っと。 その他に以前日記で紹介した『色彩記憶』(末長蒼生 江崎泰子 著)と合わせて今月読んだ本は10冊でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年07月01日 02時32分48秒
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