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テーマ:デビルモンスター(51)
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「単刀直入って言うんでしたっけ。簡単に言いますね。キザワさん、使い込みしてたみたいです」
ささっと話して、あとは身内の人にまかせてしまおうという気持ちもあった。 「使い込み?…そんなことを…」 消えた弟を軽いことと感じてたけど、だんだん重大な心配事と感じ始めてるようだった。 その後、集金の金をごまかしたこと。誰でも少しはすること(翌月には返すけど)。集金の半券を少しずつ販売所に返せばいいことなどを説明した。 お姉さんはオレの目をじっと見て聞いていた。ときどき目を伏せてうなずいた。オレは口元を見て話すクセがあるけど、お姉さんの豊満な胸にときどき視線が動いた。横座りした足が、ときどき畳にすれる音が気になった。 そして、こんなことまでオレが言わなくちゃならないのかということを切り出した。 「50万の金。身内の人でなんとかならないですかね。親とか親戚とか…」 「う~ん。あたしも貯金が少しあるし、50万くらいなら、なんとかなるかも…」 「そうですか。よかった」。 これも言っておこうということがあった 「キザワさんは、親に金銭的負担をかけないために新聞奨学生を選びましたよね。今回のことは、使い込みの処理っていうより、仕送りって考えられませんか?」 「どういうこと?」 お姉さんは、小首をかしげて見つめている。 「親の全面的援助で専門学校に行く人も多いじゃないですか。キザワさんは、援助なしでここまでがんばったんだから、親が少し援助しても不自然ではないと思うんです」 下を向いて うんうんとうなずいていたお姉さん、キッと顔をあげて 「うん。わかった。何とかなると思う。」 「この話は、お姉さんから直接キザワさんに話すほうがいいですよね」 お姉さんは、大げさに首を横にふり 「ヤマザキくんのほうがいいと思うの。ヤマザキから伝えてほしい」 そうかなぁ。あまり首をつっこんでいたくないいだけど…オレから伝えて、パッパッと終わらせるか。 「わかりました。オレから伝えてみます」 「じゃ、この問題はこれで終わりだね」 この場所での話は終わりだねとは思わずに、キザワさんの問題が解決と感じていた。 「じゃ、すぐにでもキザワさんに伝えてきます」 「えっ。行っちゃうの?」 へっ?今夜のうちに伝えたほうがいいんじゃないの。あんたは明日岐阜へ帰っちゃうんだし。 「行きますけど…」 お姉さんの目が濡れたように光ってた。 「ヤマザキくんて おとなしいんだね」 へっ? (つづく)第1話全編 は[FREE PAGE]に掲載します
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最終更新日
2013.08.17 14:05:43
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