2013/09/23(月)21:50
【515の放浪】 《第12話》 【児童虐待家にて】 《第9章》
「あの子が、あんたに会いたがってるんだよ。どうだろ、たまに行ってやってくれないかな」
会いに行くのは、正直つらいのだ。いつまでも彼はオレに頼るかもしれないし、いつでもオレが的確なアドバイスをするという自信もない。
それより、せっかく生きるために行動的になったようだから、オレには頼らず自立の方向へ育ってくれたほうがいいと考えていた。
「会いには行きません。あの子がもっと大きくなって、たくましいおとなになったころに会いたいですね」
「あいつがたくましい男になれるかな。ちょっとやさしいところがあるからな」
やさしいところには、オレも気づいていた。
「いいじゃないですか。たくましくてやさしい男……なかなかいないですよ」
その子とは、それっきり会ったことがない。
偶然でもいい、『たくましくてやさしい男』になった彼に、会ってみたいと思うことはある。
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