2017/01/25(水)17:56
≪純粋バカ一代≫【現場監督時代】「お局様」≪16≫
【16】
その後、本当にお局様は実家に帰って、塩ぶつけ墓参りをしたみたいで、ボクが言ったことだからということは別にしても「信じる」のはいいことだと思った。
「墓石に塩ぶつけてるとき、誰かに見られなかったでしょうね」
「私も見られてないか、どきどきしながらやったわよ。あの塩は掃除しなくていいの?」
「塩は清めるものだからいいんです。今度お墓参りしたときに掃除しましょうか。それで、どうですか?その後」
「家に帰って、おかあさんのほっぺ触ったら、なぜだか涙が出てきたの」
「うん。そのときどんな感覚でした」
「おかあさんの顔はしわだらけで、涙が出たのはなんでだかわからなかった。でもそのあと、すっきりした感覚はあったわよ」
「それはよかった。少し治ったかもしれない」
「治ったでしょう?私もそう感じるもん」