2020/07/11(土)04:52
「純粋バカ一代」《第32話》【対決保険金殺人女】後編(106)
【106】
「どういうことなんだ?」とその男は聞いた。
「知らない間に保険かけられて、女に殺されそうになったんだ。」
「悪い女にひっかかったな」
「女は警察に預けたから、保険会社もおかしいだろうって、ちょっと突っついてね。俺を消すしかないだろうって言ったんだよ」
「そうだったのか。俺もこういうことは初めてなんだけどな」
「で?やってくのかい?俺のこと?」
「ばかやろう。やらねぇよ」
よかった。また助かった。
しかし、D生命の取締役も困ったもんだな。ほんとに殺人依頼してやがんの。それでそのヤクザと俺が知り合いで、この話はなかったことになるだろう。
遠いマスコミと東京地検特捜部で囲って、ヤクザも通用しない。
チェックメイトかな。