2020/07/11(土)04:58
「純粋バカ一代」《第32話》【対決保険金殺人女】後編(107)
【107】
「ちなみに、俺を始末するのにいくらで請け負ったんだい?」
「手付金1000万、成功報酬1500万」
「そうだな、それくらいもらわないとな」
「いや、まだ話だけは聞くってことなんだ。まず相手の様子を見てくるって来たんだよ」
「そうか、じゃあ交通費と日当くらいはもらったほうがいいぞ」
「昔と変わってねえなあ」
「俺はただの機械工だけど、道は違うけど、お互いがんばろうや」
彼は、サングラスをしたままの顔を下に向けた。
「そうだな」
「とにかく元気でやりなよ。俺は会社があるから行くけど」
「ああ、おまえも元気でな」
おまえと言われて、ちょっとくすぐたかった。
旧友は気持ちがいい。