戦国時代じゃあるまいに...

休日の転寝の最中に、携帯電話が鳴った。 　一難去ってまた一難... ここ　二年ほどの業績不振に加えて、今年は震災による痛手。 さらに、上層部に端を発する不協和音で内紛も続いていた。 そんな中で、砂の成すべき役割は自分の部下を束ね、自分たちの仕事をこなし、 利益を上げること。そのことに一心に注力して再建に背水の陣で挑んできた。 二年間、ただ砂を噛み、泥を啜った日々だった。 部下には不安を与えず、仕事に集中させてきたというのに... 砂より格上で、仮にも本部長の立場にある者が、職場も部下をも裏切る挙に出た。 砂は以前、その本部長に助け舟を出した。 砂は、本部長が着服した金の肩代わりをして懲戒免職から救った。 職務に邁進してくれることを信じてね。 またしても裏切られた気持ちで一杯だ... 去年、砂は上層部に代わって関連会社の社長を辞任に追い込んで、 今年のはじめ、ようやく内紛を鎮めたばかりだった。 砂は組織を再編して事業を整理し、再スタートしたばかりなのに。 本部長の行動は、常軌を逸してる。内部データを持ち出すなんて。 これで、職場はまた新たな危機に晒される。 この職場での砂の役割はいったい何なんだ？ 経営一族は、豪遊して豊かさを享受するだけで、事が起きると右往左往して何もできない。 まるで、いつも朝廷気取りだ。 必ず砂に相談され、そして砂の両手だけがいつも人の血に染まる。 ただ一介のクリエーターとして、砂は静かに自分の仕事をしたいだけなのに... ふぅ～、ため息しかでないな。でも、乗り切って見せるさ♪