ないものねだり

2011/11/02(水)21:50

犬蓼

砂的博物誌(111)

(犬蓼 砂天狗撮影) わが屋戸の 穂蓼古幹(ふるから)摘みおほし 実になるまでに君をし待たむ (万葉集 作者不詳) 犬蓼(いぬたで)は、地方によっては"赤まんま"と呼ばれたりする。 昔々、ままごと遊びでは犬蓼の花をむしり取ってお椀に盛ったりして遊んだらしい。 そういわれると、花の粒々感が赤飯っぽくもある。 犬蓼は、日本全土をはじめ千島、樺太、朝鮮、中国、ヒマラヤなど広範囲に分布して、 夏頃から晩秋の頃まで、各地で普通に見られる野草だ。 湿った土壌を好み、半日陰などに多く、道端や野原、休耕田なんかでよく咲いてる。 群生して咲いている姿は愛らしく、眺めていて和む花だよ。 同じタデ科だけど、初夏に鮎料理に使用する蓼酢には、辛味や風味のある桜蓼を使い、 この犬蓼はとくに食用の使い道はない。学名は、Persicaria longiseta、 花言葉は「あなたのお役に立ちたい」だそうだ。 とくに役には立たなくても、こうして秋の野に咲いていてくれるだけで十分だ。 人は、ときどき約束をドタキャンしたりするけど、季節は必ずやってくる♪(笑)

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