017652 ランダム
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明日は明日の風が吹く。

明日は明日の風が吹く。

コント/七合目

中村:はぁ、はぁ・・・やっぱ、富士山登山は疲れるなぁ。
   そういえばもうこんな時間か・・・。

【←七合目ロッジ こちらへどうぞ】

中村:今日はもう暗いし、あそこのロッジで休んでいくか。

(がらがらっ)

宮崎:こんばんはー。こちらにお名前をお書き下さい。

中村:あ、はい(さらさら)

宮崎:はい、どうも。・・・・・中村、良平さんですか?

中村:そうですけど・・・

宮崎:あー、そうなんですか。うーん・・・

中村:えーと・・・何か問題でも?

宮崎:ここ、七合目ロッジ。

中村:はい。

宮崎:七合目ロッジ。

中村:分かってます。

宮崎:七合目。

中村:ロッジ。

宮崎:えーと・・・失礼ですが、あなた七という数字に何か関係してますかね?





中村:・・・???

宮崎:こちらをどうぞ。

中村:お客さんのリストですか?
   七瀬晃一、伊藤奈菜、七七那名奈・・・な、七ばっかだ!

宮崎:どうよ

中村:いや、どうよって言われても! な、七ばっかです。

宮崎:そだね

中村:だからそだねって言われても困りますよ! それに最後の七七那名奈は本名じゃないですよね?

宮崎:あ、ペンネームでも可です

中村:ペンネームこれなんですか!? うわ、絶対忘れませんよこのペンネーム。

宮崎:実はですね、この七合目ロッジは代々掟がありまして、七という数字に関係する人しか宿泊できないんですよ。

中村:何ですかそれ・・・何を考えてそんな掟作ったんだ、昔の人は。

宮崎:あなたは七という数字に関係していますか? どうなんですか?

中村:この場面以外だったらその質問おかしいですからね! ・・・えーと・・・んー・・・あ。

宮崎:何ですか?

中村:えーと・・・ラジオネームが・・・「青春“バナナ”」です・・・





宮崎:あぁ、ミュージックラジオによく投稿してる人ですか

中村:うわ知ってた! 恥ずかしいっ!

宮崎:あなたねー、YUIの曲ばっかりリクエストしないで下さいよ

中村:す、すいません、好きなもので・・・

宮崎:おかげで僕のリクエストしたEXILEが全然流れないじゃないですか!

中村:な、何で富士山の七合目でこんなくだらない事で怒られてるんだろう・・・と、とにかくこれで宿泊を許可してくれますか?

宮崎:えぇ、宿泊を許可致します。もう一度こちらにラジオネームをお書き下さい。

中村:顧客欄に“バナナ”なんか書いたら次着た客に絶対驚かれるだろうな(さらさら)





宮崎:お部屋はこちらの7号室になっております。

中村:はぁ・・・正直、他の部屋も全て七号室のプレートがかけられていましたけどね。

宮崎:七合目ロッジですから。

中村:(・・・納得するしかないのかな)

宮崎:こちらお部屋となっております(がちゃっ)

中村:うっ!(せ、狭い・・・)

宮崎:ははは、狭いと思ったでしょ?

中村:い、いや・・・(誰だって思うよこんな狭さ・・・)

宮崎:そりゃあ狭いと思いますよ、部屋の縦と横の長さが77.7cmですから

中村:そんなに狭かったんですね・・・それにしても、ここまで7尽くしですか・・・

宮崎:七合目ロッジですから

中村:いや、あの・・・どうやって寝れば・・・

宮崎:丸まって寝て下さい

中村:仕方が無いか・・・贅沢は出来ないや。

宮崎:ちなみに夕食は?

中村:ま、まだですけど・・・

宮崎:お部屋までお持ちしましょうか?

中村:ぜひお願いします。お腹ペコペコで・・・





宮崎:(とんとん)お待たせいたしました。

中村:あっ、どうも。

宮崎:こちら夕食の七草粥です

中村:ここまで七ですか!? 

宮崎:えぇ、七合目ロッジですから

中村:・・・・・。

宮崎:本当は7時7分7秒にしか夕食は出さないのですが・・・

中村:あぁ、そういえばもう8時でしたね。

宮崎:申し訳ありませんが早めに召し上がって下さい。私も色々と仕事があるので・・・

中村:す、すいません。急いで食べます

宮崎:できれば7秒でお願いしますね

中村:それは無理ですごめんなさい! それはいくらなんでも!

宮崎:冗談ですよ、・・・7分でお願いします。

中村:時間延ばしても七だけにはこだわるんですね・・・
   ・・・どうしてですか?

宮崎:何がでしょうか?

中村:どうしてそこまで七にこだわるんですか?

宮崎:・・・いきなりですけど青春バナナさん、人生の七合目が何処か分かります?

中村:いや、人それぞれじゃ・・・それにラジオネームで呼ぶのはやめていただきたいのですが。

宮崎:田舎でだいこん、トマトなどの野菜を育て、疲れた頃にはNHK教育の番組を見ながらお茶を飲み、
   夕方5時に夕食を食べ、笑点を見た後就寝、そんな隠居生活の人生七合目ですよ

中村:そんなに細かく設定されるんですか!? 確かに100歳生きるとして人生の七合目、
   70歳頃にはそんな生活してそうですけど、夕方6時就寝は早すぎるでしょう!

宮崎:そりゃあ、朝2時に起きて漁業を行なう訳ですから・・・

中村:港町だったか! じゃ、じゃあ八合目とか九合目はどうなるんですか?

宮崎:・・・私、七合目専門なので

中村:七合目専門って何ですか! 専門範囲狭すぎませんか!?

宮崎:そんな事ないですよー、例えばご飯を七合炊く時、私の右に出るものはいませんし

中村:そもそも七合炊く人いませんよ! 家庭の炊飯器じゃ七合も炊けませんから!

宮崎:七合のお米が入っている袋を片手で持てるんですよ?

中村:そんな機会も無いです! 肩壊れますよ!

宮崎:ちなみにエヴァンゲリオン七号機は私が操縦してまして・・・

中村:それに至っては架空の機械じゃないですか! 七合の字も違いますし!

宮崎:・・・別に七が好きな訳ではないんです。これは・・・七合目ロッジのオーナーの宿命なんです

中村:宿命・・・

宮崎:あぁ、深く考えないで下さい。五合目も六合目ロッジのオーナーもそうですから

中村:(ふ、ふざけているのか真面目なのか・・・わからない)

宮崎:まぁ、初めてここの掟を聞くお客さんの反応が面白くてやめられないんですよね、この仕事

中村:・・・なるほど

宮崎:それではもうそろそろ仕事に戻らなければいけないので、失礼します。

中村:あ、すいません。

宮崎:ごゆっくりとお休み下さい。それでは(がちゃっ)

中村:・・・ま、いいか・・・





宮崎:あ、おはようございます。

中村:おはようございます。

宮崎:ご飯出来ていますけど、お食べになりますか?

中村:んーっ・・・おねがいします・・・。

宮崎:はいこちら、ご飯七合7秒でお食べ下さい

中村:食えねぇよ!!


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