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Jun 11, 2004
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カテゴリ:我、学生なり
ここ最近、いろいろと考えているのだけど、
ひとつの結論らしきものををみつけた気がする。
よりよい社会を築いていくためには、
知識を蓄積していくと共に道徳や倫理もしっかり磨いていく必要があるっていういうこと。

よりよい社会っていうのはずいぶんと曖昧な表現だけど、
より安全で、より安心して暮らせて、より豊かな、より多くの人が幸せだって思える社会のことかな。

今、荒井一博さんという経済学者が著した「文化の経済学」(文春新書)を読んでいるのだが、
これが私のぼんやり考えてきたことをいろいろと論理的に説明してくれていて、かなり感動的な本なのである。

ときどき、例が個人的すぎて回りくどい感じがしたかと思ったら、
今度は経済学的理論にだーっと突っ走ったりするので、
多少読みにくい感じはするかもしれないけれど、
(個人的にはその辺のリズムも合っているというか、好き。)
とっても示唆に富む本だと思う。

で、なんでこの本の話を持ち出したかというと、
この本の論旨は倫理の大切さをサポートするものであるから。
この本では、日本的な相互依存と信用の文化に基づいた経済というのは大変効率がいいということを説明している。
そして、その相互依存と信用の背景にあるのは、日本特有の武士道的な道徳や倫理観だという。

武士道っていうと、戦いの際の作法のようなものを
思い浮かべる人もいるかもしれない。
恐らく始まりはより実践的なルールだったのだろうけれど、
江戸時代になって日本では2百年以上も平和な時代が続き、
その間に武士道は儒教や仏教、神道に基づいた
平和的な道徳体系へと変化を遂げたのだろう。

武士道について学ぶにはなんといっても
新渡戸稲造著のBUSHIDOだろう。
最近、The Last Samuraiの効果もあり、
武士道は大注目を浴びていて、
彼の記した「武士道」や、現代語訳などがかなり売れているらしい。
かく言う私もブームにのって本を買ったその一人。
英語と日本語訳が併記されているバージョンを買った。
英語も日本語もどちらも難しくて辟易したが、素晴らしい本だと思った。
マイ・バイブルに新たに加えられ、大切にされている。

新渡戸稲造の生き方は今の私たちにとって、
ひとつのモデルとなるものだと思う。
彼は西洋人と結婚し、英語を自在に操り
(BUSHIDOは英語で著したそうだが、その名文ぶりには驚かされる。)
国際社会を舞台に活躍した。

その一方で、日本人というものをよく理解し、誇りをもち、
そして、それを世界に広めるべく尽力した。

今再び、注目を浴びるようになった新渡戸稲造。
皮肉なことに、
もうすぐ日本では新渡戸稲造の顔が5千円札から消えることになる。

新渡戸稲造の顔が消える事が、
日本の道徳体系の衰退の象徴となりませんように。





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Last updated  Oct 27, 2004 03:34:15 PM


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