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葉隠餡

葉隠餡

借金取と対峙

「借金取と対峙」




1度・・・借金取りらしき人とアパートの駐車場内で鉢合わせをした事がある。



あれは・・・
ある日の21時近くの出来事だった。
Mの借金が発覚してから、朝9時から夜9時まで家に帰らないようにしていた。
万が一、家にいても電気もつけず、トイレにもいかないように・・・
それ位怯えていた。
夜9時を過ぎないと、家に帰らないようにしていたし、もし、家にいても出歩かなかった。だが、たった1度だけ・・・夜の21時前に家をでた事がある。
タバコを切らしてしまったのだ。
昼から何も食べてないし、家の中には何もない。
時間を見たら・・・20時40分頃。
借金取りが活動していい時間は朝9時から夜の9時までと法律で決まっている。
もし、その時間以降、1分でも取り立て等の電話や訪問が来た場合の対処方法を聞いている。警察を呼べと。その後も、いろいろあるんだが。
だが・・・時間は20時40分。

窓からそっとアパートの駐車場を見る。
特に・・・誰もいなそうだ。
まして、こんな時間、もう誰もこないだろうと思った。
外出する事にした。



家を出た。
アパートの敷地を出た瞬間、見知らぬ男性二人組と目があった。
とても嫌な予感がした。。。
彼らは近づいてきた。
私は家に逃げ帰ろうかと思ったが、知らん顔して目的地のスーパーへ歩き出した。
だが、彼らは「すみません」と声をかけてきた。
田舎道。人っ子いない。家は何件かあるが。
明らかにターゲットは私だ。


私は怖くて立ち止まった。

いきなり質問をされた。
 「M(本名)さんをご存知でしょうか」


怖かった。
とても怖かった・・・
生唾を飲み込むというのがよくわかった。
だが、答えなくては・・・
動揺などしてはいけない。
そう、知らん顔をすれ。
必死に・・・答えた。


私   「え?」


もう一度同じ事を尋ねられた。

二人組 「M(本名)さんをご存知でしょうか」


私   「ハァ・・・・?知りません。何か用ですか。」


二人組 「貴方、今、Mさんの部屋から出てきましたよね。奥さんか何かでしょ」



間違いない、借金取りだと思った。
彼らは・・・張り込んでいたのか、彼らは取り立てにきたのだろうか。
まぁ、どっちにしろ、怖かったのには変わりない。
私は・・・「知らぬ存ぜぬ」を通そうと決めた。


私「すみません、Mさんって誰ですか。私はそのMさんという人を存じません」


二人組 「いや、でも私達は二人でそこのアパートのMさんの部屋を出てくるのをみかけたのですが。」

私「Mさんという人は知りませんが、確かに私はそのアパートに住んでいます。」

二人組「何号室に住んでいますか」

私 「答える必要はありませんね。それより、あなた達なんですか。名前も名乗らず、いきなりこんな遅くに。大声あげますよ」


二人組 (構わず話しを続ける)「私達は○○会社という金融会社です。Mさんへ○○円を貸していますが、返済が滞っています」

私 「・・・(無言)」

二人組「貴方、Mさんと関係ある方ですよね、私達二人は貴方がMさんの部屋から出てくるのを間違いなく見ているのです」

私 「・・・だから違いますっていっていますよね。」



これ以上の拒否は・・・危険だと感じだ。
かなり険悪な雰囲気になった。
走って逃げる事は出来る。
だが、足に自信はない。
私は・・・運動会でもいつも最後から2番目とかだった。
特に、短距離は大の苦手だ。
まして、逃げ出したら認めてると同じ事だろう。
更に考える。
悲鳴をあげることは出来る。
だが、家の人達が出てくる前に、車に押し込まれるのでないだろうか・・・
相手は男性二人、私は一人。

ここで私がMの妻(離婚未成立)と認めれば、彼らは私に支払いを迫るだろう。
その時・・・私はそこで1円でも払えばMの借金を全額肩代わりしなくてはいけない羽目になる。そんな事は・・・嫌だ。
だが、拒否しつづける自信など微塵もなかった。



そんな時だ。
本当偶然の出来事。
二人組みの後方に人影が見えた。
角を曲がってきた人がいた。
犬の散歩をしてるおじさんが私達の話合いをしてる道にやってきたのだ。




今だ・・・



私は・・・
いきなり、ダッシュした。
二人組みのわずかな隙間の間を突っ切った。
彼らの方に触れたのをなんとなく覚えているが、お構いなしだ。
そして、「助けてください!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」と
叫びながら走った。
犬が吠えていた。


おじさんは立ち尽くしていた。
私は「助けて!!」を繰り返していた。
私はボロボロ泣いていた。


二人組みは慌てて、車に乗り込んで逃げていった。
(おじさんが後から語った様子)



私は・・・・その場に立てなくて蹲った。
怖くてそのおじさんにすがり付いて泣いた。
おじさんが家まで送ってくれた。



二人組みとやり取りしてる間、私は生きた心地がしなかった。
車に連れ込まれるかもしれない・・・
脅されるかもしれない・・・・
怖かった・・・


「私は何もしていないんだ!」

そう叫びたかった。





続き
 「家宅捜査」


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